早稲田の杜はミョウガの里――。
各地で昔懐かしい地域野菜が注目を集めています。これらは都市化で畑がなくなったり、あるいは流通にのりにくい等の理由から栽培されなくなり、姿を消した野菜です。早稲田ミョウガもその一つでした。
東京の地域野菜を研究する江戸東京・伝統野菜研究会の大竹道茂さんによれば、江戸期の「新編武蔵風土記稿」や明治中頃の東京を綴った田山花袋『東京の三十年』に描かれる早稲田ミョウガは、都市化の影響を受けた地域野菜でした。古くは早稲田鶴巻町や榎町など早稲田界隈はミョウガの産地だったそうです。大竹さんの呼びかけに早稲田大学の学生が協力して探索し、明治26年以来、西早稲田に住んでいる方の庭で早稲田ミョウガを発見したのが2010年8月。その根茎を東京・練馬の生産農家、井之口喜實夫さんが栽培し復活しました。
早稲田ミョウガは晩生(おくて/9月下旬~10月中旬)で、普段、我々が食べているミョウガに比べると赤みが強く、ふっくらと大きめです。食べると強い風味を感じました。井之口さんの話では、庭などに何年も植えたままだと小ぶりになり、赤みも少なくなるとのこと。また畑で作る場合、ミョウガは連作を嫌うことから手間をかけないと出来が悪くなり、本来の特徴を引き出せないとのことでした。
さて、江戸の川柳「鎌倉の波に早稲田を付け合せ」にならい、気仙沼のカツオを早稲田ミョウガで食べて東北復興支援する、早稲田かつお祭りが開催中です(会期は10月19日まで)。早稲田OB・OG、そして早稲田ファンの諸兄諸姉、復活した早稲田ミョウガをご賞味あれ!
早稲田かつお祭り
http://katsuomatsuri.com/
江戸東京野菜通信
http://edoyasai.sblo.jp/
(写真左)畑で顔を覗かせた早稲田ミョウガ。食べているのは花蕾(からい)と呼ばれるつぼみの部分。今年は7月中旬が高温だったことから出来がよくないという
(写真中央)赤みが強く、ふっくらとした早稲田ミョウガ。時期は9月下旬~10月中旬
(写真右)現在の早稲田大学周辺のかつての風景。田んぼとみょうが畑が広がっていたという(写真所蔵:早稲田大学)
(元『趣味の園芸』編集長 原田)
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<10月6日メールマガジンにて配信>
【園芸LOVE 原田が行く】は、「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』テキスト元編集長の原田による園芸エッセイです。メールマガジンとFacebookページにも掲載しています。
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