越前町立福井総合植物園プラントピアさんの園芸日記
写真

他のプロフィール画像を見る

越前町立福井総合植物園プラントピアさん  福井県
お気に入りメンバーに登録
2015年11月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
42

秋最終日に―返り咲きとクロミガキ

2015/11/08
秋最終日に―返り咲きとクロミガキ 拡大 写真1 秋最終日に―返り咲きとクロミガキ 拡大 写真2 秋最終日に―返り咲きとクロミガキ 拡大 写真3

 今は~もう秋~誰もいない海~…じゃあなくて、我が越前町の海は「越前ガニ漁解禁」ってことで、御祝儀相場で、活気があふれ、全国からカニ好きの方々が結集しています。冬は文豪・開高健先生も愛した「越前ガニ」!越前町へお越しください!
 …一方、植物園がある丹生ヶ丘方面では「全国中学生ホッケー大会」が開かれています。参加チームの大型バスがじゃんじゃん来ています。ホッケーの町越前町でもあるわけで、全国から莫大な人数の質実剛健の若人とそのご両親たちが結集しております。地元チームは8強進出で、町内のホッケーファンもグラグラと盛り上がってきています。…って、宣伝はこれくらいで良いっすか?(→業務連絡)
 町内の御祝儀活気や熱烈応援を他所に、植物園は通常営業中です。昨日は、月一の「植物散歩」で、何時ものごとく約2時間かけてのユルユル植物観察を行いました。サザンカ・ツワブキ・トキワロウバイの花や、カエデのなかまやドウダンツツジの紅葉、マユミ・ムラサキシキブ・シロシキブ・マメガキの果実などなどを観察して歩きました。一部をご紹介。
 サザンカを観察した後、道脇を見ると、ユキグニミツバツツジが1株だけ返り咲きしてました(写真左)。北陸では普通に見られるミツバツツジのなかまで、通常は5月くらいに葉より先に花を開きます。ヤマツツジも、探すと結構返り咲きしています。サクラやツツジは、夏には花芽が完成していて、次の開花期まで眠っています。この「眠り」が妨げられると、開花してしまいます。サクラのソメイヨシノの場合は、葉から花芽休眠の指令が出ているので、秋までに葉が落ちてしまうと、小春日和に咲いてしまうことがあります。このユキグニミツバツツジの場合もこのところの気温の上昇が引き金になっているのかな?と思います。
 この季節、見逃したくないのがマルバノキ(写真中)。マンサク科の落葉低木で、紅葉と花が同時に見られます。まず、ツルツルで鮮やかな紅葉が目を引きますが、葉の根元では、星形の花も咲いています。ちょっと不思議な植物で、庭木にお勧めです(…花の匂いは良くないのですが…)。
 …と、ユルユル観察でしたが、アキグミ・ケンポナシ・ナツハゼなどはしっかり試食。ところが、胃袋に気がいくと、写真を撮るのを忘れるんだなあ…。
 写真右はクロミガキ。黒くなったら、しかり甘くなる不思議な柿。福井では「へたが立っていたら渋柿。果実に張りつくようについていたら甘柿。」ということを良く聞きます。「とんがってるのは渋柿。丸っこいのは甘柿。」というのも聞きますね。(…なぜ、甘渋を実で見分けねばならないのか??「持ち主なら、わかってるんじゃねえの?」という突っ込みが入りそう)。こういう観点からは、クロミガキは渋柿判定が出そう…でも、黒くなったらしっかり甘い。
 ところで、果実を利用することに主眼を置くと、柿は、完全甘柿・不完全甘柿・不完全渋柿・完全渋柿に分けられるそうで、不完全甘柿と不完全渋柿はタネが正常にできれば甘くなるんだそうです。完全甘柿はタネの出来不出来に関わらず甘く、完全渋柿はタネのあるなしに関わらず渋いということです。カキは雄花雌花の別があって、自家受粉ではうまくタネができないことがあります。「甘柿のはずだったのに、今年は甘くならなかった」ということをたまに聞きますが、これは不完全甘柿・不完全渋柿だったと考えられます。甘柿→渋柿になっちゃったのは、おそらく、それまで花粉親(つまり父親)だった近辺の柿の木がなくなったなど、受粉・受精がうまくいかず、タネが正常にできなかったのが原因…ということが多いんじゃないかなということです。
 …やっぱ「食欲の秋」になっちまう胃袋型季節感。といいつつ、今日は「立冬」。今は~もう冬~、除雪車の整備、雪つり作業も始まって、「柿食えば 雪の心配 福井人」心配性は続く。(えんちょーJM)

「秋最終日に―返り咲きとクロミガキ」関連カテゴリ

みんなのコメント(4)
  • 写真
  • 2015/11/08

今年のカニ祭りは来週?
今年もカニ、食べに行きたいな~。
ホッケー、なんか妹にいろいろ裏事情聞きました。
ん~~・・・
あ・・県が不利益になる話しちゃいかんね。

柿の話は興味深かったです。
でも育ててないと、ふ~ん・・・で終わっちゃうのよね~。育ててたら真剣なんだけど。

丸葉の木は東山でも見た顔とあるけど、これって魚で、メスは大きくって立派だけどオスはちっちゃくって最終的にメスに吸収されちゃうってやつを思い出しました。
葉っぱ立派だけど花は?でしょ?
魚とは違うけど、花が目立たなくっても葉っぱ目立つからいいのかな~。

今年の雪はどんな感じ?
姉が、今年はまたカメムシが多いから雪も降る!!って言ってた。
どうも、姉の嫁いだ地域はカメムシが多いと大屋根の雪下ろしをする~って事だったらしくって、去年も大屋根の雪下ろしを2回したとか。
ん~~あの地域だけのカメムシなのかな~。

返信する

ひかるり様

コメントありがとうございます。
「越前カニ祭り」は来週、11月14・15日(9:00~16:00)、越前町厨の「道の駅越前」で開催。道の駅越前には露天風呂もありますから、ぜひ、お風呂セット持参でお出かけください。

柿の見分けは軽犯罪の匂いがしますからねえ…。

「花が目立たなくっても葉っぱ目立つからいいのかな~。」→するどいっすね、しぇんぱい。花色と紅葉が似てるんですよ。花びら代わりに紅葉を利用というのはありかもです。

冬の積雪の具合はわからんですねえ。正直、気象庁の予想はあんまりあたんないような…。毎年、植物館の外壁にカマキリの卵塊が産みつけられるので、産みつけられた位置(高さ)で占うのですが、今年は外壁の塗り替え工事をしていて、占えず(あてにしてるわけではないですが…)。カメムシは植物館にも侵入しますよ。とくに今年は多いってわけでもないような気がします。
まあ、どうであれ、しっかり備えるであります。

返信する

こんにちは~(^-^)

あれ~?
昨日は植物散歩の日だったんですか~?
連絡メールが来なかった気がする……(..)
あ、でも昨日は娘の学校のオープンキャンパスだったので、どっちにしても、参加できませんでした(^_^;)

アキグミ、ケンポナシ、ナツハゼの試食ツアーだったのに残念(-_-;)
植物散歩じゃなくて、試食散歩にすれば、もっと参加者が増えるかも~!
なんてね(^^;

今、我が庭に紅葉がキレイな庭木を植えたい!と思って何がいいか悩んでいるのですが、マルバノキもいいですね~。
ドウダンツツジは小さすぎてイヤなんです。
あと、ハナミズキとヤマボウシもパス(^^;

モミジ系でも1本欲しくて、イロハモミジかヤマモミジかなぁ。
シャラノキと、ナナカマドはあるんですが、何かオススメの木、ありますか~?

返信する

rosekkberry様

コメントありがとうございます。
ご案内メール届かなかったですか…植物園のパソコンからケーブルテレビ経由でお送りしているので、携帯・スマホとの相性が悪い場合があるようで…次回は12月5日(土)の予定です。
 マルバノキはお勧めです。実もハート形でかわいいです。カツラは大きくなりすぎですし…マユミ、ニシキギも日当たりが良ければ、実も楽しめます。ハナズオウなら、春先の花も楽しめますね。個人的には、クロモジやコシアブラ、ダンコウバイの透明感のある黄葉も良いなあと思います。

返信する
みんなの趣味の園芸にログイン/登録する

※コメントの書き込みには会員登録が必要です。

会員登録がお済みの方は

会員登録をすると、園芸日記、そだレポ、アルバム、コミュニティ、マイページなどのサービスを無料でご利用いただくことができます。

ピックアップ
定期購読
投稿募集中 from テキスト編集部
見て見て!お気に入りの花

見て見て!お気に入りの花
自慢の植物・庭の写真を募集中!

みんなのマルシェ

みんなのマルシェ
自慢の畑・野菜の写真を募集中!