千両万両、有り通し!――謹賀新年
あけましておめでとうございます。
2015年の始まりにあわせ、景気のよい植物の話題でスタートしたいと思います。
年末年始、園芸店の店頭に並ぶセンリョウやマンリョウ。艶のある直径5ミリほどの実をつけた姿は、正月風景を彩る定番ともいえます。
その昔、日本人は正月を迎えるとき、センリョウとマンリョウ、そして アリドオシを並べて、「千両万両、有り通し」と縁起をかついだのだそうです。
「千両も万両もおカネがいつも有り続けて困らない」 金運に恵まれることを願う庶民の気持ちでした。
さて、万両(マンリョウ)、千両(センリョウ)はどんな植物なのかよく知られていますが、百両、十両、そして一両に相当する植物についてすぐに名前が思い浮かばない読者も多いのではないでしょうか。
そこで先人にならい、今年1年、豊かな園芸生活が楽しめることを願って、万両から一両までを並べてみました。
万両:マンリョウ Ardisia crenata(サクラソウ科ヤブコウジ属)
千両:センリョウ Sarcandra glabra(Chloranthus glaber)(センリョウ科センリョウ属)
百両:カラタチバナ Ardisia crispa(サクラソウ科ヤブコウジ属)
十両:ヤブコウジ Ardisia japonica(サクラソウ科ヤブコウジ属)
一両:アリドオシ Damnacanthus indicus(アカネ科アリドオシ属)
※マンリョウ、カラタチバナ、ヤブコウジはヤブコウジ科で分類される場合もあります。
※一両はツルコウジ Ardisia pusillaを指すこともあります。
「千両万両、有り通し!」――園芸を愛するすべての人々にとって、2015年がよい1年でありますように!
(元『趣味の園芸』編集長 原田)
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【園芸LOVE 原田が行く】は、「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』テキスト元編集長の原田による園芸エッセイです。