爽やかな風のなかで 恵泉女学園大学キャンパスのガーデンめぐり
恵泉女学園大学多摩キャンパスのガーデンが見頃を迎えています。
1929(昭和4)年、キリスト者の河井道(かわい・みち)によって創立された恵泉女学園。教育理念の一つに「園芸」が置かれ、創立当初から授業に園芸が組み込まれるというユニークな学校でした。
2005年、2年制園芸短期大学が4年制大学に統合されましたが、創立以来の園芸教育の伝統は多摩キャンパスのガーデンに脈々と受け継がれています。
(脱線して恐縮ですが、取材中、花のネームプレートを確認していたとき、すれ違った女子学生から「こんにちは!」と挨拶されました。「花は人を育てる」を実感しました。)
多摩キャンパスには参考になる花壇やガーデンシーンが随所にあります。ジキタリスやカンパニュラ・メディウム、アグロステンマが咲くボーダー。メインガーデンの一画にあってチャイブやジャーマン・カモミール、フレンチラベンダーが咲くハーブガーデン。奥に行けばシェードガーデン、そして斜面を利用したロックガーデン等々です。
ボーダーは花盛り――花を眺めることができるように、手前に丈が低い植物が、後方に背が高くなる植物が配されている。植物はジキタリス、ユーフォルビア・チャラシアス、アグロステンマなど
エアコン室外機の目隠し!? コンテナにつる性のバラを植え、ラティスに絡ませて咲かせていた。バラは'アイスバーグ'(左)と'プロスペリティ' (右)
さて、5月30日(土)、この多摩キャンパスが公開され、「恵泉スプリングフェスティバル」が行われます。プログラムのなかには、16人の女子学生が2人1組となって8組に分かれ、音楽にあわせて踊るメイポールダンスがあります。ステップを踏みながら赤、白、黄、緑のサテン(長さ6メートル)でメイポールに色模様を織っていく光景は絶妙です。
センターに立つメイポールに、踊りながら色模様を織っていく伝統のメイポールダンス。踊り手の女子学生は4分間のために猛特訓するという(写真は2014年のもの)
(写真提供:恵泉女学園大学)
美しいガーデンめぐりで花の知識を深め、そして伝統のメイポールダンスを応援する......。楽しい初夏の一日が過ごせそうです。
追伸 花の名前がわかると植物がより身近になる――恵泉女学園では園芸ファンが植物の知識を試すことができる「草花検定」を年2回(春・秋)行っています。やさしい5級から難易度の高い1級までの5段階です。
(元『趣味の園芸』編集長 原田)
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【園芸LOVE 原田が行く】は、「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』テキスト元編集長の原田による園芸エッセイです。