培養土袋でダイコンを育ててみよう
真冬にタネをまき、春に収穫するダイコンの栽培は、「しっかり防寒」が決め手。培養土袋をそのまま使って、手軽においしい春ダイコンを育てる方法を園芸家の深町貴子(ふかまち・たかこ)さんに教えてもらいました。
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真冬に栽培できる野菜は種類が限られますが、手軽なダイコンの袋栽培は、この時期からでも失敗が少なくおすすめです。市販の野菜用培養土の袋の底に水抜きの穴をあけ、そこに直接タネをまけば、プランターの準備は不要。成功のポイントは、防寒を徹底することです。気泡入り緩衝材やポリ袋など、家庭にある材料で十分間に合います。好みの柄のビニールクロスでカバーをかければ、見た目もおしゃれに栽培を楽しめます。
冬のダイコン栽培でもう1つ大切なのは、とう立ちしにくい春ダイコンの品種を選ぶこと。冬場は病気や害虫の被害が少ないので、青々としたダイコンの葉が収穫できるのも、うれしいポイントです。タネはいつもより多めにまいて、みずみずしい間引き菜をたくさん収穫しましょう。
しっかり防寒でとう立ちを防ぐ!
ダイコンは、発芽直後に12℃以下の低温に1週間以上当たると、花芽ができてとう立ちのスイッチが入ります。とう立ちすると根が太らないので、これを防ぐために冬のダイコン栽培は「しっかり防寒」がポイント。
もし低温に当たっても、一時的であれば、30℃以上の環境に1日6時間以上置くことで、とう立ちのスイッチは解除されます。きちんと温度管理をするには、土にさして一日の最高と最低の温度(地温)を記録できる温度計があると便利。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2014年12月号より