オキナグサ
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オキナグサの育て方・栽培方法

オキナグサ
オキナグサ
オキナグサ
西洋オキナグサ

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栽培カレンダー

*関東地方以西基準

基本データ

園芸分類 山野草
形態 多年草 原産地 本州、四国、九州
草丈/樹高 30~40cm 開花期 4月中旬~5月下旬
花色 暗赤紫色、赤紫色 栽培難易度(1~5)
耐寒性 普通 耐暑性 普通
特性・用途 落葉性

育て方のポイント

栽培環境・日当たり・置き場

1年を通して明るい環境を好みます。春、葉の展開が終わるまではたっぷりと日が当たる場所で管理します。その後は葉焼けを起こさないように、朝日が当たる程度で風通しのよい場所に置きます。秋は再び日当たりに置き、株を充実させて、しっかりとした芽をつくりましょう。冬は強い凍結を除けば棚上で十分です。
庭植えは、日当たりがよく乾きにくい場所か、明るい落葉樹の下などに植えます。冬は落ち葉をかけましょう。

水やり

毎日、鉢土が乾いたら水を与えます。ゴボウ根なので多少の乾燥には耐えますが、あまり乾かさないほうが株は充実します。春と秋は朝、暑い夏は夕方から夜の水やりがよいでしょう。冬も乾きを感じたら水やりをします。

肥料

4月下旬と9月下旬に1回ずつ置き肥をします。さらに、4月下旬の開花前から6月下旬にかけて2週間に1回、チッ素、リン酸、カリが等量の液体肥料を施します。
秋まで葉が残っているものは、9月下旬から10月半ばにかけて、同様に液体肥料を施すと効果的です。この時期は花芽が形成されるので、リン酸分の多い液体肥料を使うのもよいでしょう。

病気と害虫

病気:白絹病、軟腐病、ウイルス病
株がいきなりしおれたら白絹病や軟腐病です。ときにウイルス病の株も見られますので注意してください。
葉が黄色くなり弱々しくなったら肥料不足です。

害虫:ヨトウムシ、アオムシ、ナメクジ、アブラムシ、ネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウなど
ヨトウムシやアオムシ、ナメクジなどが葉を食害します。アブラムシにも注意してください。根の各所に小さなこぶが見られたらネコブセンチュウ(ネマトーダ)です。根元から弱り始めたらネグサレセンチュウかもしれません。

用土(鉢植え)

鉢は、駄温鉢かそれ以上に深いものが適しています。あまりに硬い鉢や釉薬(うわぐすり)が多くかかった鉢は多湿になりやすいので避けたほうがよいでしょう。
用土は水はけと水もちがよいものがよく、鹿沼土、赤玉土、軽石のそれぞれ粒径2~5mmのものを5:4:1の割合で配合します。市販の山野草用培養土でもよいでしょう。

植えつけ、 植え替え

植え替えは毎年か2年に1回、春か秋に行います。植えつけ後1~2週間は日に当てず、株が落ち着いたら通常の置き場に戻します。

ふやし方

株分け:植え替えの際に行いますが、ゴボウ根が傷みやすいので、春よりは秋をおすすめします。手で無理をせずに割れるような大きな株で行います。切り口には必ず殺菌剤を塗ってください。

タネまき:とりまきするか、保存して2月下旬から3月にまきます。結実したタネは毛が長く伸びて広がり、手で触るとほぐれます。結実していないときは毛の伸びが短く、固まって広がりません。タネをとったら毛をむしり、先端についた丸く硬い部分(タネの部分)を培養土にまいて軽く覆土します。翌春には発芽して2~3年で開花します。

主な作業

花茎切り:タネをとらないものは花後に花茎を切ります。

特徴

オキナグサは本州、四国、九州の日当たりのよい草原や林縁に生える多年草です。花後にできるタネに白く長い毛があり、そのタネが密集して風にそよぐ姿を老人の白髪に見立てて「オキナグサ(翁草)」と呼ばれているといわれます。
地下には太いゴ...

種類(原種、園芸品種)

ツクモグサ


Pulsatilla nipponica
北海道と本州中部の限られた山のみに見られる貴重な植物。初夏に咲くクリーム色の毛で覆われた花がとても愛らしいが、現在流通がなく入手も困難。

カシポオキナグサ


Pulsatilla sugawaraii
樺太の一部に見られる小型種。毛で覆われた藤紫色の花を下向きに咲かせる。戦後は幻の花だったが、最近では流通品が見られるようになった。栽培難度は少し高い。
ルイコフイチゲ

ルイコフイチゲ


Pulsatilla tatewakii
樺太原産でカシポオキナグサに似ているが、全体に大柄で、花後に葉が大きく広がり、花茎も伸びる。

ヒトツバオキナグサ


Pulsatilla integrifolia
樺太の一部の山地に見られ、戦後は幻の花だったが最近ではときどき流通品が見られる。硬いへらのような葉を広げ、毛で覆われた藤色の花を咲かせる姿は神々しい雰囲気がある。気候によって花期がずれたり咲かなかったりするのでマニアや寒冷地向き。

「趣味の園芸」講師陣、専門家の執筆による植物図鑑

執筆:富澤正美(とみざわ・まさみ)
山野草専門の生産農園、アルペンガーデンやまくさの園主。国内外の多岐にわたる山野草を扱い、世界各地の希少な品種も栽培している。雪割草、キキョウ、ギボウシ、イカリソウなど、交配に力を注ぐ植物も多い。
◆植物図鑑は、原則として作成時の情報に基づき掲載しております。図鑑の作成年によって、科名や属名などが最新の分類とは異なる場合がありますが、何卒ご理解ください。
植物図鑑の項目の見方について >  科名、属名の分類について >
◆植物には規制や保護が行われている種類、無断でふやして販売・譲渡を行ってはいけない登録品種などがあります。また薬剤の使用時は、ラベルをよく読み使用方法を守りましょう。
園芸を楽しむうえで知っておきたいこと >

オキナグサのそだレポ(栽培レポート)

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