オーリキュラ
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オーリキュラの基本情報

学名:Auricula
その他の名前:プリムラ・オーリキュラ、プベスケンス、厚葉桜草(あつばさくらそう)

科名 / 属名:サクラソウ科 / サクラソウ属(プリムラ属)

オーリキュラ
ライトセンター・アルパイン
オーリキュラ
イエロー・ショウセルフ
オーリキュラ
ファンシー・ショウセルフ

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オーリキュラとは

特徴

オーリキュラは英国の産業革命とともに発展した伝統をもち、英国らしい格式高い様式美を備えた花です。
「オーリキュラ(auricula)」は、ヨーロッパアルプスの高山の草原に生えるプリムラ・アウリキュラ(Primula auricula)をベースに、プリムラ・ヒルスタ(P. hirsuta)など、同系統のプリムラを交配してつくられた園芸品種の名前で、広義ではプリムラ・プベスケンス(P. × pubescens)と呼ばれる交配種の一群に属します。プリムラ・プベスケンスのなかでも、ある一定の条件を満たしたものだけが「オーリキュラ」と呼ばれます。その条件とは、花弁の数が6枚から8枚、全体的に花が円で構成されていること、雌しべが突出しない短柱花であることなどです。
株全体や花に白粉を帯びた「ショウ・オーリキュラ」、花の中に複雑な色彩の縞模様が入る「ストライプド・オーリキュラ」、現代的な味わいをもつ「アルパイン・オーリキュラ」、八重咲きの「ダブル・オーリキュラ」、以上のタイプ以外で原種に近い「ボーダー・オーリキュラ」に大別され、さらにそれぞれが花色などで細分されています。
春が訪れるとキャベツのようにふくらんだ冬芽が開き、葉が開き始めます。蕾がのぞき、やがて伸びて開花します。花後に葉は大きく広がり、わき芽をふやしながら株が充実して夏を迎えます。夏は暑さから身を守るために少し成長を止めているようです。秋になると再びおう盛に成長して、冬前には花芽形成が始まり、古葉が枯れて中心にしっかりとした冬芽が形成されます。
園芸的には栽培が難しいとされる「オーリキュラ」ですが、山野草として栽培すればそれほど難しいものではなく、コツさえマスターすれば毎年その美しい花を楽しめます。多くの品種が輸入されて身近に楽しめるようになりましたが、品種によって花つきの悪い株や弱いものがあります。最初は丈夫で育てやすく安価なプベスケンスから取り組むとよいでしょう。

基本データ

園芸分類 山野草
形態 多年草 原産地 ヨーロッパアルプス
草丈/樹高 10~20cm 開花期 3月下旬~5月上旬
花色 基本種は黄色 栽培難易度(1~5)
耐寒性 普通 耐暑性 やや弱い
特性・用途 フローリスツ・フラワーの一つ,常緑性
植物図鑑の見方
園芸・ガーデニング作業の基本

種類(原種、品種、仲間)

  • グリーン・エッジ(ショウ・オーリキュラ)

    ショウオーリキュラを代表する系統。エッジと呼ばれるぽってりとした緑の花弁の部分と、サークルと呼ばれる白いリングの対比が不思議な雰囲気を醸し出している。
  • グレー・エッジ(ショウ・オーリキュラ)

    エッジの部分に白粉を帯び、グレーがかった重厚な色彩の花がマニアに好まれている。
  • ホワイト・エッジ(ショウ・オーリキュラ)

    エッジの部分がほとんど白粉で覆われ、美しく幻想的な様式美を醸し出している。
  • ファンシー・ショウセルフ(ショウ・オーリキュラ)

    エッジ系とショウ・セルフ系の中間的なもの。エッジとサークルの間のボディーカラーが目立ち、3色にはっきり染め分けている。ボディーカラーによって花の雰囲気は大きく変わる。
  • ショウセルフ(ショウ・オーリキュラ)

    エッジがなく、ボディーカラーと白いサークルとの対比を楽しむ花。ボディーカラーの色によって「レッド・ショウ」「イエロー・ショウ」「ブルー・ショウ」「アザー・ショウ」などに分けられる。
  • ライトセンター・アルパイン(アルパイン・オーリキュラ)

    花の中心にあるセンターリングの色が淡いクリーム色で、主にブルーやピンク系の品種が多く見られる。
  • ゴールドセンター・アルパイン(アルパイン・オーリキュラ)

    花の中心にあるセンターリングの色が黄色で、主に赤やオレンジ色系の品種が多く見られる。
  • ダブル・オーリキュラ

    花弁が多弁もしくは八重咲きに変化したもの。さまざまなタイプが見られる。
  • ストライプド・オーリキュラ

    花弁に縞などが入るもので、きれいな縞状のものからエッジに絡むものまで色彩はさまざま。変化しやすく、不安定なおもしろさを楽しみたい。
  • ボーダー・オーリキュラ

    これまで紹介したものの基準外で選別された花たち。どちらかというと原種に近く野趣を楽しむ花や、プリムラ・プベスケンスの延長線上にあるタイプが多く見られる。

育て方・栽培方法

オーリキュラの栽培カレンダー
*関東地方以西基準

「趣味の園芸」講師陣、専門家の執筆による植物図鑑

執筆:富澤正美(とみざわ・まさみ)
山野草専門の生産農園、アルペンガーデンやまくさの園主。国内外の多岐にわたる山野草を扱い、世界各地の希少な品種も栽培している。雪割草、キキョウ、ギボウシ、イカリソウなど、交配に力を注ぐ植物も多い。
◆植物図鑑は、原則として作成時の情報に基づき掲載しております。図鑑の作成年によって、科名や属名などが最新の分類とは異なる場合がありますが、何卒ご理解ください。
植物図鑑の項目の見方について >  科名、属名の分類について >
◆植物には規制や保護が行われている種類、無断でふやして販売・譲渡を行ってはいけない登録品種などがあります。また薬剤の使用時は、ラベルをよく読み使用方法を守りましょう。
園芸を楽しむうえで知っておきたいこと >

オーリキュラのそだレポ(栽培レポート)

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