学名:Mentha 英名:mints
科名 / 属名:シソ科 / ハッカ属
ミントはシソ科ハッカ属の総称です。さわやかな香りが魅力で、ペパーミントやスペアミントなどが古くから栽培され、広く親しまれています。自然雑種ができやすいため、かつては600種ほどに分けられていましたが、今では40種ほどに整理されています。世界各地に分布し、種により精油成分が異なるために香りもさまざまで、チョコレートやオーデコロン、グレープフルーツ、バナナなど、意外な香りをもつミントもあります。日本に自生するハッカ(Mentha canadiensis、異名M. arvensis var. piperascens)はメントールの含有率が高く、ジャパニーズハッカとも呼ばれて輸出用に生産されていました。
利用法は、種によって異なります。ミント類はハーブティーや料理の香りづけなど飲食用に使われることで知られますが、大きく分けるとスペアミントは料理に、ペパーミントやハッカは飲み物に合うといわれます。また、スペアミント系のなかでもフルーツの香りをもつものは、フルーツが入ったサラダやデザートによく使われます。
ただし、ミント類のなかには飲食しないほうがよいとされるものがあり、注意が必要です。特にペニーロイヤル(M. pulegium)は肝毒性があるプレゴンを含有することから、飲食用と内服薬には使えません。その精油も流産を引き起こす作用があることから、妊娠中と授乳中には外用も避けます。
薬用のミント類としてはペパーミントが代表的で、消化不良や緊張性頭痛に用います。
家庭では、気に入った香りのミントをポプリやリースなどのさまざまなクラフトに取り入れて、楽しむことができます。また、フレッシュのままでも乾かしても、布やメッシュの袋に入れて浴槽に浮かべれば入浴剤となります。たくさん収穫できるので、惜しげもなく利用できることがミント類のセールスポイントの一つといえるでしょう。
多くは多年草で、冬に地上部がなくなっても春には芽吹き、旺盛に生育します。切った枝を水にさしておくだけで発根するほど栽培は容易ですが、ペニーロイヤルとコルシカミント、ペパーミント以外は自然交雑しやすく、香りや性質が確かでない雑種ができてしまいがちなので注意が必要です。また、ミント類は種類が多いうえに互いによく似ているので、名前が不確かになって利用の仕方に迷わないように、名札をつけるようにします。
ミント類以外にも、~ハッカ、~ミントという名で呼ばれる植物が存在します。例えば、カラミント(カラミンサ)、イヌハッカ(キャットニップ、キャットミント)、ヤナギハッカ(ヒソップ)、ヤグルマハッカ(ホースミント)、キダチハッカ(サボリー)などです。これらはミントとは別の属で、同様には利用できないので、学名を確認するなど十分注意しましょう。
<ミント類の利用法(代表的なミントのみ)>
ミント類は種類によって利用法が異なります。飲食できないものがあるので注意します。
飲食用:スペアミント、ペパーミント、ハッカ
香料用:地上部は入浴剤に
・ハッカ、ペパーミント、スペアミントの精油は、アロマテラピー、トイレタリー、食品、香水や化粧品に
クラフト用:切り花、花束、ドライフラワー、ポプリ
園芸用:ペニーロイヤル、コルシカミントはグラウンドカバーに
・パイナップルミント、ジンジャーミントはカラーリーフとして
薬用:ハッカ、ペパーミントは内用・外用医薬品
・ペニーロイヤルは虫よけに
園芸分類 | ハーブ,草花 | ||
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形態 | 多年草(まれに一年草) | 原産地 | 寒帯と中・南米、インド、中部・西アフリカを除く、ほぼ地球全域 |
草丈/樹高 | 2cm~120cm(種によって異なる) | 開花期 | 7月~9月(種によって異なる)/収穫期:葉は4月~10月、花は7月~9月 |
花色 | 白,ピンク,薄紫 | 栽培難易度(1~5) | |
耐寒性 | 強い~やや弱い(種によって異なる) | 耐暑性 | 強い~普通(種によって異なる) |
特性・用途 | 香りがある,日陰でも育つ,初心者でも育てやすい,グラウンドカバーにできる(ペニーロイヤル) | ||
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