イワシャジン
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イワシャジンの育て方・栽培方法

イワシャジン
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イワシャジン

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栽培カレンダー

*関東地方以西基準

基本データ

園芸分類 山野草
形態 多年草 原産地 関東地方南西部、中部地方南東部
草丈/樹高 30~70cm 開花期 9月中旬~10月上旬
花色 紫,白 栽培難易度(1~5)
耐寒性 普通 耐暑性 やや弱い
特性・用途 落葉性

育て方のポイント

栽培環境・日当たり・置き場

霧が多い谷や滝の飛沫がかかる場所に生えるので、栽培には工夫が必要です。
芽出しから栄養葉が成長するころは、明るく日当たりのよい場所を好みます。茎が立ち上がり始めたころから遮光を始め、気温の上昇とともにしだいに遮光率を高めて、葉焼けや乾燥による葉の傷みを防ぎます。梅雨明けごろからは50~70%遮光し、風通しよく涼しい環境に整えます。夏に直射日光に当てると、確実に葉焼けをして花芽を傷めてしまいます。
夏を過ぎて夕方が涼しく感じるころから、蕾がふくらみ開花が始まります。このころには50%程度の遮光にして、花色出しを調節します。花が終わり、再び栄養葉が出始めるころには、日当たりのよい棚上などへ移して、来年の株の充実を図ります。冬は、凍結などの厳しい地域では棚下などで保護しましょう。
庭植えの場合、日当たりは朝日が当たる程度の場所が無難です。直接地面に植えるより、池などのわきやウォールロックなどの石組みの中に植え込んだほうがよいでしょう。

水やり

春と秋は朝、夏は夕方から夜に、葉上から毎日たっぷりとかけます。ただし、雨が多く湿度の高い時期は、水やりを少し控えたほうが葉や株を傷めません。鉢土の表面に湿り気を感じたら、もう1日おいてから水やりすればよいでしょう。
冬はカラカラに乾燥しない程度の水やりがよいでしょう。多湿にすると凍結により根茎を傷めるので注意してください。

肥料

植え込みの際に元肥として、鉢底に緩効性化成肥料を数粒混ぜます。
栄養葉が出始める4月上旬から盛夏前の6月下旬までと、涼しさを感じる9月下旬から休眠前の11月上旬まで、三要素等量の液体肥料を2週間に1回施します。また、同じ時期に、市販の山野草用の置き肥も施すと効果的です。

病気と害虫

病気:軟腐病、かび病、うどんこ病、葉焼け
多湿による根茎の軟腐病に注意してください。また、高温多湿時には葉焼けやかび病、うどんこ病に注意します。

害虫など:ナメクジ、イモムシ、バッタ、ハダニ、ネズミ
ナメクジやイモムシ、バッタなどの食害があります。また、梅雨ごろからハダニが出やすくなります。
冬にネズミによる地下部の食害にも注意してください。

用土(鉢植え)

鉢は、通気性と水はけがよく、茎が垂れ下がるので深めの山野草鉢がよいでしょう。釉薬(うわぐすり)のかかった磁器鉢は、多湿になるので避けます。
用土は水はけと水もちを考慮し、市販の山野草用培養土の小粒と中粒を混ぜたものか、それぞれ粒径が3~10mmの硬質鹿沼土、日光砂、軽石などを4:4:2で配合した用土を混合すると使いやすいでしょう。

植えつけ、 植え替え

植えつけ、植え替えとも、春は、芽出し前の3月上旬から栄養葉の出始める4月上旬、秋は茎葉の枯れる10月中旬から下旬ごろに行います。
植え替えは2年に1回行います。古い培養土を落としすぎると、細かいひげ根がなくなってしまうので注意してください。

ふやし方

株分け:植え替えの際に行います。無理に株を割らず、手で分けられる範囲に分けます。大株で手で割れないものは、必ず芽のあることを確認して、根茎をナイフで切ります。切り口には必ず殺菌剤を塗っておきます。

タネまき:容易にできます。秋にタネが実ったらとりまきするか、冷蔵庫で保存して春にまきます。1~2か月で発芽して、秋には2~4枚の栄養葉に成長します。早いものでは2年目に開花します。

主な作業

花茎切り:花後にタネをとらないものは、枯れ始めた花茎を切ります。

特徴

イワシャジンはやや大型の多年草で、関東地方南西部や中部地方南東部の山地の岩場に見られます。秋に紫色の釣り鐘形の花が、岩場から垂れ下がるように開くさまはとても風情があり、人気の高い山野草の一つです。
地下にゴボウ根を束ねたような根...

種類(原種、園芸品種)

ホウオウシャジン

ホウオウシャジン


Adenophora takedae var. howozana
南アルプス鳳凰三山の限られた岩場にまれに自生するイワシャジンの高山変種。茎葉は細く、先端が鎌形にカーブし、7月から8月に紫色の釣り鐘形の花を数輪、枝垂れるように咲かせる。
ツクシイワシャジン

ツクシイワシャジン


Adenophora hatsushimae
九州中央山地南部の限られた岩場にまれに生え、現在乱獲により激減している。イワシャジンに似て栄養葉は三角形で、夏に咲く。花は釣り鐘形でやや小輪、葯が突出して特徴がある。

ヒナシャジン


Adenophora maximowicziana
四国の石灰岩地にまれに見られる大型種。細く長い葉を垂れ、晩夏から初秋に咲く。花は小さな釣り鐘形で、葯が突出して長く、花色は白っぽいものが多い。

「趣味の園芸」講師陣、専門家の執筆による植物図鑑

執筆:富澤正美(とみざわ・まさみ)
山野草専門の生産農園、アルペンガーデンやまくさの園主。国内外の多岐にわたる山野草を扱い、世界各地の希少な品種も栽培している。雪割草、キキョウ、ギボウシ、イカリソウなど、交配に力を注ぐ植物も多い。
◆植物図鑑は、原則として作成時の情報に基づき掲載しております。図鑑の作成年によって、科名や属名などが最新の分類とは異なる場合がありますが、何卒ご理解ください。
植物図鑑の項目の見方について >  科名、属名の分類について >
◆植物には規制や保護が行われている種類、無断でふやして販売・譲渡を行ってはいけない登録品種などがあります。また薬剤の使用時は、ラベルをよく読み使用方法を守りましょう。
園芸を楽しむうえで知っておきたいこと >

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