タツナミソウ
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タツナミソウの基本情報

学名:Scutellaria indica
和名:タツナミソウ(立浪草)

科名 / 属名:シソ科 / タツナミソウ属

タツナミソウ
コバノタツナミ
タツナミソウ
コバノタツナミ
タツナミソウ
コバノタツナミ

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タツナミソウとは

特徴

タツナミソウはこの仲間で最も普通に見られる種で、平地から低山の草原や道端、森林内の開けた場所などに生えます。茎をまっすぐに立てて株立ちになり、地下茎を伸ばしてふえます。茎の先端に長さ約3cmで独特の形の花穂をつけ、それが波頭に見立てられています。茎の表面から直角に立つ毛(開出毛)が生えているのが特徴です。
最もよく栽培されているのは変種のコバノタツナミ(Scutellaria indica var. parvifolia)で、日当たりがよく乾燥しがちな斜面などに生えます。草丈は5~15cm、全体に毛が密生していて柔らかい感触があり、ビロードタツナミとも呼ばれています。花色は紫が基本ですが、藤色、赤紫、濃淡がある桃色、白もあります。いくつか花色が異なるものを混ぜて植えておくと、自然に交配してできたこぼれダネから異なった色合いの花が出てきて楽しいものです。花には普通に開く花と、小さな蕾の形のままの閉鎖花の2つのタイプがあり、5月ごろの開花期以降は閉鎖花をつけます。
タツナミソウの仲間には多くの種があります。分類が難しい植物として知られていて、学者によって見解が異なり、それにともない学名も図鑑によって違っていることがあります。

基本データ

園芸分類 草花,山野草
形態 多年草 原産地 タツナミソウ:東アジア(北海道を除く日本列島、中国東部から南部、台湾、朝鮮半島、インドシナ)     コバノタツナミ:日本列島(関東地方南部以西の本州、四国、九州)、中国東部、南部~南西部、朝鮮半島、台湾
草丈/樹高 20~40cm 開花期 4月~5月
花色 紫,ピンク,白 栽培難易度(1~5)
耐寒性 普通 耐暑性 強い
特性・用途 常緑性,耐寒性が強い,日陰でも育つ,盆栽向き,初心者でも育てやすい,グラウンドカバーにできる
植物図鑑の見方
園芸・ガーデニング作業の基本

種類(原種、品種、仲間)

  • コバノタツナミ 白覆輪

    Scutellaria indica var. parvifolia
    葉の縁にクリームホワイトの縁取りが入るもの。タネでは遺伝しないので、株分けかさし芽でふやす。
  • コバノタツナミ 獅子葉

    Scutellaria indica var. parvifolia
    葉の縁の鋸歯が特に発達して、波打つ形をしているもの。タネでも同じ性質のものをふやすことができる。
  • シソバタツナミ

    Scutellaria laeteviolacea
    福島県以西の本州、四国、九州に分布し、山地の森林のやや湿った場所に生える。草丈5〜15cm。茎に上向きに曲がった毛があるのが特徴だが、部位によっては開出毛や下向きの毛が交じる場合がある。葉脈に沿って紫色の筋が入ることが多い。
  • トウゴクシソバタツナミ

    Scutellaria maekawae f. abbreviata
    本州の山地の森林や林縁に生える。草丈10〜20cm。茎に下向きの毛と開出毛が交じるのが特徴。葉は紫を帯びた濃い緑色で白い葉脈模様が入ることが多いが、模様の入らないもの、普通の緑色のものもある。
  • ナミキソウ

    Scutellaria strigillosa
    中国の黄海周辺から朝鮮半島、極東ロシア、日本列島の海岸近くの砂地に生え、日本ではまれな種。草丈10〜40cm。茎の稜(出っ張った部分)に上向きの毛が生える。茎が長く伸びて少しまとまりが悪いので、大きめの鉢か庭植えに向く。花穂が長いため、花はまばらにつく印象を受ける。
  • コガネバナ

    Scutellaria baicalensis
    中央アジアから中国中部、東部、東北部、朝鮮半島に分布。日当たりのよい草原や荒れ地に生える。茎は立ち上がって50〜80cm、株立ちになる。青紫色の花を多数咲かせ、花には斑紋がない。葉は細く、少し光沢がある。根は黄色っぽい色をしており、漢方薬として利用される。
  • サクテラリア・アルピナ

    Scutellaria alpina
    ヨーロッパ中部からロシア東部に分布。標高1500〜2500mの石灰岩地の礫原や岩場、草原に生える。草丈5〜15cm。茎の下部は地面を這い、株立ちとなる。葉は灰緑色で小さい。花色はきわめて豊富で、紫、赤紫、藤色、白、クリーム色、黄色、それらのツートンカラーまである。栽培は高山植物として扱う。用土はアルカリ性にしなくても問題ない。

育て方・栽培方法

タツナミソウの栽培カレンダー

「趣味の園芸」講師陣、専門家の執筆による植物図鑑

執筆:辻 幸治(つじ・こうじ)
1976年、大阪生まれ。ホームセンター勤務を経て、現在は園芸分野の執筆活動も精力的に行う気鋭の園芸家。江戸の園芸文化から、海外のワイルドフラワーまで、幅広く植物に精通している。
◆植物図鑑は、原則として作成時の情報に基づき掲載しております。図鑑の作成年によって、科名や属名などが最新の分類とは異なる場合がありますが、何卒ご理解ください。
植物図鑑の項目の見方について >  科名、属名の分類について >
◆植物には規制や保護が行われている種類、無断でふやして販売・譲渡を行ってはいけない登録品種などがあります。また薬剤の使用時は、ラベルをよく読み使用方法を守りましょう。
園芸を楽しむうえで知っておきたいこと >

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