フジバカマ
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フジバカマの基本情報

学名:Eupatorium japonicumEupatorium fortunei
和名:フジバカマ(藤袴)
その他の名前:アララギ、香草(こうそう)、蘭草(らんそう)

科名 / 属名:キク科 / ヒヨドリバナ属

フジバカマ
フジバカマ
サワフジバカマ
フジバカマ

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フジバカマとは

特徴

フジバカマは「秋の七草」の一つで、万葉の時代から人々に親しまれてきた植物です。夏の終わりから秋の初め、茎の先端に直径5mmほどの小さな花を、長さ10cm前後の房状に多数咲かせます。川沿いの湿った草原やまばらな林に見られ、まっすぐに伸びる茎に、3裂する葉が対になってつきます。地下茎が大量に伸びて猛烈な勢いで広がるため、自生地では密生した群落になるのが普通ですが、現在の日本には自生に適した環境が少なくなったため激減し、絶滅危惧種となっています。フジバカマの名で市販されているものの多くは、サワフジバカマ(フジバカマとサワヒヨドリの雑種)です。
生乾きの茎葉にクマリンの香り(桜餅の葉の香り)があり、中国では古く芳香剤として利用されました。また、『論語』にある「蘭」はフジバカマを指します。しかし後世、蘭がシナシュンランなど花に香りのある温帯性シンビジウム属の種を指すようになったため、現在の中国では、フジバカマは「蘭草」とされています。

基本データ

園芸分類 草花,山野草
形態 多年草 原産地 東アジア(中国~朝鮮半島、関東地方以西の本州、四国、九州)
草丈/樹高 60~120cm 開花期 8月から9月(残り花は10月ごろまである)
花色 栽培難易度(1~5)
耐寒性 強い 耐暑性 強い
特性・用途 落葉性,香りがある,盆栽向き,初心者でも育てやすい
植物図鑑の見方
園芸・ガーデニング作業の基本

種類(原種、品種、仲間)

  • フジバカマ 斑入り

    乳白色のややゆがんだ覆輪が入る。斑は安定しているが、性質は基本のものよりやや弱い。花は基本のものと変わらない。
  • サワフジバカマ

    Eupatorium × arakianum
    フジバカマとサワヒヨドリの雑種。フジバカマの名で市販されているものの多くは本種である。フジバカマを小型にしたような姿で、全体に紫色が濃い。地下茎で猛烈にふえる。開花は9月から10月ごろ。純白花の品種もある。
  • サワヒヨドリ

    Eupatorium lindleyanum var. lindleyanum
    シベリアから東アジアに広く分布し、湿原や湿った草原に生育。草丈50〜100cm。全体に紫色を帯び、葉柄はなく、葉は細く、対生するが、つけ根近くで3深裂するので6枚の葉が輪生しているように見えることがある。開花は9月から10月ごろ。地下茎は出さない。
  • ハマサワヒヨドリ

    Eupatorium lindleyanum var. yasushii
    サワヒヨドリの変種で、関東地方南部の海岸沿いの乾燥しがちな草原や急斜面に生える。10月に咲く。茎はやや斜めに伸び、草丈15〜30cm。葉は卵形か細い卵形で厚みがあり丈夫。地下茎は出さない。
  • ヒヨドリバナ

    Eupatorium makinoiEupatorium chinense
    東アジアからヒマラヤに広く分布し、低山からやや高い山の日当たりのよい草原や林縁に生育。開花は8月から10月。草丈100〜150cm。葉は短い葉柄があり、卵形で粗い鋸歯が目立つ。地下茎は出さない。変異が大きく、学者により分類の見解が異なる厄介な種。
  • ヨツバヒヨドリ

    Eupatorium glehnii var. hakonense
    サハリン、南千島、九州を除く日本列島に分布し、やや高い山や高原の湿り気のある草原に生育。開花は7月から9月。草丈100〜150cm。葉は輪生し、1つの節に4枚の場合が多いが、3枚か5枚のものもある。地下茎は出さない。
  • ヤクシマヒヨドリ

    Eupatorium yakushimense
    屋久島の特産。森林の湿った場所に生える。草丈15〜30cm。10月に咲く。葉はやや薄く、ふつう3深裂し、対になってつく。水はけを好むため高山植物用培養土に植え、そのうえで水切れに注意。地下茎は出さない。
  • アゲラチナ・アルチッシマ

    Ageratina altissimaEupatorium rugosum
    和名マルバフジバカマ。北米東部から中部の湿り気の多い森林に生える。草丈100cm前後。7月から10月に咲く。地下茎で猛烈にふえ、侵略的な帰化植物となることが懸念されるため、野外に捨てない。コントロールできない場所に植えないこと。
  • コノクリニウム・コエレスチヌム

    Conoclinium coelestinumEupatorium coelestinum
    北米東部から中部の河川敷や川岸、湿った森林などに生える。草丈1m弱で、アゲラタムを高くしたような姿。開花は8月から11月。青花フジバカマの名で流通し、白花の園芸品種もある。地下茎で猛烈にふえ、侵略的な帰化植物になるおそれがあるため、野外に捨てない。コントロールできない場所に植えないこと。

育て方・栽培方法

フジバカマの栽培カレンダー

「趣味の園芸」講師陣、専門家の執筆による植物図鑑

執筆:辻 幸治(つじ・こうじ)
1976年、大阪生まれ。ホームセンター勤務を経て、現在は園芸分野の執筆活動も精力的に行う気鋭の園芸家。江戸の園芸文化から、海外のワイルドフラワーまで、幅広く植物に精通している。
◆植物図鑑は、原則として作成時の情報に基づき掲載しております。図鑑の作成年によって、科名や属名などが最新の分類とは異なる場合がありますが、何卒ご理解ください。
植物図鑑の項目の見方について >  科名、属名の分類について >
◆植物には規制や保護が行われている種類、無断でふやして販売・譲渡を行ってはいけない登録品種などがあります。また薬剤の使用時は、ラベルをよく読み使用方法を守りましょう。
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