【デュメトルム交配】クリスマスローズ コミュニティ

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デュメトルム交配

2010/02/02
かつて「ガーデンライフ」という園芸雑誌があって、その1982年1月号にヘレボラスの特集がありました。イギリスのキュー植物園のブライアン・マシュー氏による記事で、デュメトルムの解説として「・・草の姿が優雅で、ほかのヘレボラスの葉のように粗野な革質の感じは全くない。・・」とありました。実際に種子を取り寄せて栽培してみると、確かに柔らかな葉が他の種類とは全く異なっており、さらに夏には落葉する性質があることも判りました。この形質をオリエンタリス系のハイブリッドに導入すれば、小型でさぞや優雅な草姿になるだろう、さらに古葉が自然に脱落する形質も現れてくれれば良いなあと考えました。実際には交配相手として良い株が手に入らなかったこともあり、交配に使い始めたのは10年ほど前からになります。

同時期に、自家交配とは別に秋田の高杉さんからデュメトルムとして導入した株が非常に面白い形質を持っていました。非常に大型で多花性なのです(左の写真・・・古い写真ですみません)。どう見ても原種ではありませんし、ひょっとしたらデュメトルム交配でもないのかも知れません。しかし、高杉さんのサイトを見ると、交配株の中には野菜のように大型になるものも現れると書いてあるので、やはりデュメが関わっているのでしょうか・・。花茎が良く伸び、巨大なスノーフレークといった風情で、これを親に色のバリエーションを作れたらなあと夢見ている次第です。

自家交配株の落葉性はどうかと言えば、原種ほどでは無いにしても、ある程度は葉が早く枯れてしまう性質が入っています。結局ハサミで切り取ってやらねばならないので、落葉性を完璧にしたいなら、それなりの世代を重ねなくてはならないでしょう。右の写真(管理が行き届いていないのがバレますね・・・恥)は今の様子ですが、小さな鉢でも非常に株分かれが良く、これはデュメトルムの優れた性質の一つと思います。

デュメトルム交配は、一般的には株の小型化を狙ってのことが多いと思います。私も日本の狭い栽培スペースを考えて、小型化が品種改良の方向だろうと思っていた時期があるのですが、出来たものの姿があまりヘレボラスらしくないなあ・・と思ったりもしています。親株の選び方なのかも知れません。

コメント

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1 2010/02/02
uchiyama
「ガーデンライフ」,すごく懐かしいです.中学3年生のときの担任の先生が,私が園芸が好きだと知って,バックナンバーを貸してくれました.知らないことばかりでわくわくして読んだ記憶があります.さすがに中学生には難しい内容が多かったですが,メリクロンや胚培養などの技術を知ったのはその雑誌だったと思います.大人になったいまこそ読みたいと思う雑誌です.

育種は子の代ではなく,2代目,3代目とかかりますから,時間がかかりますね.よいものができるといいですね.

昨年の晩秋頃に花芽がついているデュメトラムを買った物が咲き始めました.
2 2010/02/02
conocono
初心者向けの「趣味の園芸」、研究者も読む「ガーデンライフ」という感じで、ガーデンライフには初心者には優しくない記事もありましたね。ディープな世界を垣間見るのもまた良いものと思います。私は高校生の頃からリアルタイムで買っていましたが、子供には高い雑誌でしたので、気になる植物が載っている号に限られてしまいました。絶版になってしまった今となっては、ちょっと勿体ないことをしたと・・・。
3 2010/02/02
今ではデュメトラムの交配種は色々売り出されていますが、原種が持つ小型・多花性の性質は受け継いで欲しいと私も思います。

大きくならないのでヤキモキした経験がありますが、この花はそんなものだと知ると安心した覚えがあります。
4 2010/02/02
conocono
今は様々な原種や交配種が簡単に手に入って、本当に良い時代になったと思います。かつては稀にニゲルと暗い色のオリエンタリスハイブリッド(ヒブリダス)が売られている程度の超マイナー植物でしたから・・。ある意味、幻の植物だったんですよね。本で見ているだけ・・・。

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