【和風ハオルチア 「スプレンデンス」】ハオルチア部 コミュニティ

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和風ハオルチア 「スプレンデンス」

2017/09/18
【 反応がないので、園芸日記のコピペをぶち込んでゆきます。
  邪魔なら削除して結構です 】

           ※


「ハオルチアって南アフリカ産じゃないの?」

いや、それはそうなんですがね、私の言ってるのは日本原産っていう意味じゃなく、草姿やその柄の事。

今や多肉植物趣味の分野でも大きなジャンルを占めるハオルチア属。

私がサボテン・多肉を本格的に栽培し始めた頃はユリ科という事だったが今はツルボラン科?

何スか? ツルボランって。知らねぇなぁ。


ま、とにかくハオルチア。

たくさん種類がありますが、和柄ということならどれも和柄に見えない事はない。
江戸小紋の柄にありそうじゃないですか。

たとえば無窓系(この言い方も古い)の有名な「十二の巻」

和名のせいかも知れないが、和柄にあのような柄は珍しいにもかかわらずなんとなく「和」を感じるのは私だけですかね?
デザインの部分部分じゃなく全体の雰囲気としてですよ。

近縁種の「松の雪」や「冬の星座」なんかも和を感じますね、あたしゃ。

これら無窓系(硬葉系)はどちらかというとあまり派手さはなく、なんとなく冷たい感じのするのに対し、どこかホンワカとした温かみを感じる有窓系(軟葉系)の寿・玉扇・万象・宝草・竜鱗など、華やかな和風を感じさせる優品が目白押し。

その中でもこのH.スプレンデンス。

(日焼けさせてなきゃ)若緑色の中に入った金スジが金襴緞子の布地を思わせる、そういう華やかな和風がこの葉に込められてる気がする。

ラテン語の学名スプレンデンスは「光り輝く」って意味だそうだ。
葉に入ったストライプ状の金色のライン(条理)はまさにそんな感じ。

それと、サボ・タニ業界で云う「ダルマ」型。
こじんまりと容姿がまとまって端正なドーム状に育つ。

園芸作出品として見た場合、最上の型ですよね。

もちろんそれは徒長させるようなヘタくそな栽培者じゃないのが条件だけどね。


思えば、昔はこういうのはなかった。

いや、どっかにあったのかも知れないが一般にはお目に掛かれなかった。

昭和から平成にかかる頃のいろいろな種類が紹介される中、図鑑にピクタの一種類と書かれてあったり、種名そのままに「デケナヒー・アルゲンテオマクローサ Haworthia dekenahii var. argenteo-maculosa」として載ってたりしてたのを覚えてる。

「マニフィカ・スプレンデンス」と呼ばれるようになったのは比較的最近のこと。
ちなみに、magnifica var. splendens と書くが、magnifica のgは発音しないから「マグニフィカ」と呼ぶのは間違い。
意味は「素晴らしい」とか「見事」という意味のラテン語。

最初こいつを見た時、一瞬ピクタかコンプトの変種かと思ったが、全体の雰囲気というか漂う華やかさが他の有窓系とはどことなく違う。

「ほぉ~、こいつぁいいな」と内心思ったが、そこがおじさんの保守的なところ、馴染みのない種類はすぐに探しまわる気も起らずここ最近まで手に入れなかった。

いや、手に入れたくてもコイツ結構高価なんですよぉ。

ネットオークションを見てても1万円超えなんてのはザラ、池袋の某百貨店屋上へ見に行ったらちょっと見映えのするのになると2~3万もするんだ。

私のような貧乏栽培家に2万・3万は出し切れない。いや持ってりゃ出してもいいが、その後の女房の攻撃に耐え抜く自信がない。

そんなこんなで気にはなっても無意識にスルーしてここ数年、他のサボテン・多肉にかまけていたんだが、ある夜ネットオークションをパトロールしてると、果たしてこのスプレンデンスが目に留まった。

それはまるで反社会勢力構成員の情婦のように、手を出すのが命懸けの「禁断の木の実」に似て、妖しいまでの魅惑を醸し出して私を誘って来た。
(おい、おい、川上宗薫の世界かよ)

しかし、入手を決意したけど どれもこれもとんでもない値段で競り落とされてゆく。

最初は千円スタートで謙虚にリストに並んでいるが、オークション終盤、あと数分となるとドカドカっと入札が投下、あっという間に1万・1万5千を突破してゆく。

「ダミだ、こりゃ」

日々の晩酌の肴の何百円・何十円差の値段に気を遣う哀れな亭主にはとても手が出ない。
多肉ブームが去ってゆくのを気長く待つか、しかしそれじゃこちとらの寿命が尽きてしまう。

戦後の欠食児童のように指をくわえて見てる日が続いた中、ある夜酔っ払った勢いで冷やかし半分で入札してみた。

それは1枚目の写真のH.スプレンデンス。

1,500円から始まって2,000、2500、3,000円と競ってゆく。
ライバルは私が入札すると間髪を入れず100円を上乗せして入札して来る。

「あ~あ、このサイトのマニアに対抗するなんてしょせん無理だったんだ」

そう自分へ言い聞かせてあきらめようとした時、3,300円を過ぎた頃なんだか競りの相手の勢いが落ちた気がした。
あの闘争心むき出しの入札が途切れ途切れになって来た。

「はは~ん、こいつひょっとしてオレとおんなじで予算不足か?」

そう思って思い切って¥4,000を投入(いい歳のオッサンがセコいね)、相手の(ってか私の)自動入札が¥3,700でピタッととまった。

制限時間が刻一刻と迫る。

最後にあがくかと思ったが予定終了時間を20分オーバーしたところで私の勝利。
BITマークが消えずオークション終了。

ってことで、レベルの低いビンボー競りはついに私の側に軍配が挙がった。


2枚目の写真は、おそろしくすんなり落札。
それもなんと¥1,700で入手。

比べて見てもらえば判りますが、1枚目の¥3,700の奴より優美で女性的。

なんでそんなに安く競り落とせたか今だに不思議。

終了予定時間は日曜日の午後9時。

ふつうなら日曜なんてみんな夕食を終えてくつろいでネットオークションを物色してそうな時間帯。

1,000円スタートの品だが写真から見るとヘタすっと2万円くらい行きそうな美株。

また柳の下のどぜうじゃないけど、酔っ払った勢いで入札。

しかし、写真にウソがなけりゃ見れば見るほど優美な完品、こりゃとても落札は不可能とあきらめようとした時、ライバルの対抗入札がとまった。

おや、なんでだ? 出品者の過去の評価には一点の曇りもないし、発送方法も抜き苗や鉢ごとの選択もできる。

日曜の、ある意味入札のゴールデンタイムにエアポケットに入ったように他の入札者も現れない。

「いったい、何が起こったんだ?」

焼酎のコップを片手にいぶかってるうちにオークション終了。まるでキツネに摘ままれた感じ。

ってことで、藤井四段じゃないけど「僥倖」の故あって入手したのが2枚目の写真。

どぉですか?みなさん。たったの¥1,700で買える株に見えましょうや?

オークションは時にこういう奇跡的(ちとオーバーか)な事が起きるんですよ。
だからやめらんねぇや。


いい歳してみみっちい話で汗顔の至りです。

お後がよろしいようで。






(3枚目の写真は、スプレンデンスの自生写真,南アの原産地の一コマ。暗めの場所なのがよくわかる。
しかし、日焼けして萎縮してるようなので、季節によりかなりの強光線を浴びてるようだ。)

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