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最も成長の遅いサボテン

2018/01/21
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忘却とは忘れ去ることなり 忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ

この台詞を憶えておられる読者は多分結構な御歳でござろうな

前々回「時と場合に依りけり 」の記事で肝腎な「花籠」の性質・栽培法を書き忘れてしまっておった

最近物事を矢鱈忘れるのは毎晩の晩酌の焼酎のせいばかりではなかろう

個人差もあるが一般的に大脳皮質の厚みは80歳では約半分に縮小するそうだ
それはあたかも下手糞な栽培家がサボテンを乾かしすぎて萎縮させてしまうのに似ている

憂世の嫌な事は忘れて良いが しょっちゅう大事な事を忘れるのにはいささか閉口する
小生もそのうち忘れた事すらも忘れるようになるであろうヨ

昔 アズテキウム属・花籠は一属一種と云われておったが1990年に新種ヒントニ-が発見されて全二種となるが その生育遅鈍なことで特異な存在である事に変わりはない

原産地では断崖にコケのようにへばり付いて自生している由
実際コケ栽培のように乾かし過ぎぬのが栽培のコツのようであるが いつも用土を過湿にすると失敗する
盛夏には日焼けしやすいので適宜遮光した方が良い

ヒントニーと共に比較的丈夫な部類に属するが 根が弱いのであまりナメてると枯らしてしまう

前述のごとく平成5年絶滅危惧種保護法に指定されたくらいであるから山掘りの輸入球は稀少で現在国内で流通する若苗はほとんど実生物 
今後大切に育ててゆきたいものである

学名などどうでも良いが一応「君の名は」Aztekium ritteri〈ドイツ人植物学者リッテル博士の という意味〉メキシコ・ヌエボレオン州産  

球体はカッチカチに硬く蛇腹のごとく無数の横襞がある
春~初夏 頭頂部に薄桃色の小さな花が咲く

高地性と云っても 自生地では断崖や岩の斜面にしがみ付いて生えてるので他の高地性のサボテンのストロンボカクタス属 ツルビニカルプス属や難物と云われるスクレロカクタス エキノマスタス ナバジョア トウメア属などと同列に栽培法を語ることは出来ぬであろう

花籠の栽培については多くの研究家が乾燥し過ぎない事と夏季の遮光を推奨しておる
つまりは逆をやって結果しくじった訳だ 先人達も結構失敗を繰り返したのであろう 
要は彼らと同じ轍を踏まぬことである 

日本国内の栽培環境では 空中湿度はともかく 総体的に穏やかな環境を好むのではないだろうか

何にせよ動きの少ない種なのでせっかちな栽培家は持たない方が良い

どうせ碌な扱いをしないだろうから

ここ数年「団塊の世代」が次々と職場で定年を迎えておる

この世代は戦後間もなく生まれて幼少期を廃墟復興の煮えたぎる坩堝〈るつぼ〉の中で送った

敗戦の物資欠乏で物質には恵まれなかったが その苦労が反って生活全般に工夫力を培い戦前教育を受けた

親から授けられた躾(しつけ)と根性で 戦後の経済復興と精神文化をそれなりに担ってきた

思想的には昭和初期~敗戦までの軍国主義の反動からか極端な反戦主義の者が多く その事から敷衍して戦前の全てを古臭く野蛮なものと否定し 世情の流行もあってか労働闘争や左翼運動に心情的に同情する傾向があり ことさら過剰とも云える自由と平等を主張する事に異様なこだわりを示す

職業的知識に優れ技術力は高く我が国の高度成長期の後半から経済大国にのし上がる時期を支えた事は確かであることを認めねばなるまい

問題は ここ数年来の理不尽なリストラの犠牲になり 当然ながら身に付けた技術を次世代に申し送ることをせずして中途退職 転職して行ったり 定年を迎えた者でも世代断絶への絶望も相まってかこのような貴重なる財産をそのまま封印して第一線を退いて行かざるを得なかったことである                                
高度な技術力を相続するべき後継者たる若者の方でも 理由なき反発から聞く耳を持たず 甘やかされたことも手伝って自立の道を自ら閉ざし社会生活上不可欠な生活能力獲得を怠ってきた
100万を超えるとも云われるニートの多くは団塊の世代を親に持つ若者である

これは断じて小生の偏見などではない 現在一般的に人口に膾炙しておるところである

これら団塊ジュニアと呼ばれる世代は総体的に自己判断で物事を処理することが苦手で 融通が利かず マニュアルがないと困惑し状況に応じた適切な行動が出来ない者が多いように思う

自分の子供時代の窮乏生活を味わわせたくないという親心から何でも買い与え 感謝の心を植え付けず親たる者の絶対的義務である社会報恩教育を怠ってきた

辛抱することも知らず すぐカッとなって破壊的な言動を行い反省心もない若者のなんと多いことよ

それと多肉植物栽培が何の関係があるのかと若い衆に怒鳴られそうだが まぁ聞いて給れ 皆の衆

サボテン・多肉植物の植え付けは用土の過湿を避けるため小さめの鉢で行うのが常である

特に乾燥気味の用土を好む種類は植物体に比較して同体積くらいの鉢を用いる場合が多い

初心者にとって「マニュアル本」に相当する園芸書にもそのように奨めておる

たしかに大きい鉢では通気が悪く灌水後用土の乾燥が遅く季節によっては根腐れの危険がある

「根腐れのメカニズム/ウェントの霧箱」で述べた如く大半の植物の根は新鮮な空気を呼吸することを求めておる

ある程度根の乾燥を必要とする多肉植物 なかんずく高地性サボテンはその傾向が顕著である

ただこれは配合用土の性質 鉢の種類 設置場所 季節 日照量に左右され一概には論ぜられぬ

また生長季に吸水性の甚だしい種と四季を通じて根の活動が鈍い成長の遅い種とは区別せねばならぬ

保水の良い用土と通気性のある素焼き・駄温・朱泥鉢の関係は相互に反比例する

すなわち 小さい素焼き鉢には保水性の高い赤玉土 鹿沼土 荒木田土などを多用した用土
堅焼きの朱泥鉢には大粒の軽石 砂利 川砂を主体とした用土という具合に組み合わせる〈朱泥鉢にも焼きの甘い物と 堅焼きの物が出回っておる〉
これにその植物の性質 生長・休眠の時季 個体差などの要素が加味されるべきである

またさらに 地域較差 気候の年較差というものが影響する場合もあるであろう

ただひたすらに園芸書にこう書いてあったからこうしなければならないと云うような頑なで硬直した固定観念的な栽培法は早晩破綻の憂き目に遭うだろう

機に臨んで応変す〈臨機応変〉ケース・バイ・ケース
何ごとも柔軟な思考でゆこうではないか

写真は高地性サボテンの部類に属すると云われておる アズテキウム属リッテリー・ 和名「花籠」

難物とまでは云えぬが 成長が非常に遅く短期に肥大させるような性急な栽培法は合わぬ代表格

嫌になるほど地味で面白味のないサボテンだが小生の渋好みにすこぶる合っておる

昔 輸入球を数株栽培しておったが 転居の際同好の知り合いに進呈したのが悔やまれてならぬ

古くなると数頭に群生する 前記の株もそのようであった
今になるまで所有しておれば さぞ自慢の所蔵品になったであろう 残念~!!

この苗は愛知の業者から購入したもので径2㌢であった
ごく矮生種4㌢前後ですでに成球 単球5~6㌢にはなる
成長が遅いので昔はよく接木されたようだが やはり正木物は風格があっていいものである

現在 山掘りの輸入は厳に戒められておるようだ
原産地では乱獲のため絶滅が危惧されておるので小生などは無念なのだがこれは致し方なかろう

 やはり野に置け 蓮華草 

一般に実生物は日本の気候に慣れてるせいか原産地輸入株に比べ丈夫な物が多いと云われる
この苗をよく眺めてみても輸入球と比べ草姿に遜色はない
そうであるなら丈夫なのに越したことはなかろう

ただ小生の脳裏に浮かぶのは荒涼たるメキシコの高地 抜けるように晴れた空 
ひどく乾燥した斜面の岩陰 吹きすさぶ細かい砂混じりの乾いた風 ひっそりとうずくまる多頭の花籠 ウ~ン ロマンですなぁ

サボテン園芸書ではせいぜい株よりひと回り大きい鉢に植え込むべきことと書かれてある
径3.7㌢であれば通常 適するとされるのは2寸鉢

しかし小生はもうひとつ大きめの鉢に植えた
なぜなら2寸鉢では乾燥が速過ぎ管理が大変難しいのだ
 
寄せ植えも考えたが花籠は現在このひと株しか持たず違う種類では性質が違うのでどちらかが犠牲になる

1本植えにした場合 植物体に比較して鉢の容積が大きすぎると用土が過湿になり兼ねない

だがここでも「さび砂利」が威力を発揮する

鉢をもうひと回り大きくする代り 透水の良い中粒のさび砂利を3割用いた

花籠は全サボテン中 最も成長の遅い種といわれておる

移植時 根をみてもその出方が貧弱でその生長の鈍さが窺える
ゆえにあわてずのんびりと栽培する必要がある

それには さび砂利のようにクラストが出来ず長期に団粒構造が維持出来るような水捌けの良い用土が最適なのである

セオリーに囚われて小さい鉢を採用すると以降適湿管理に苦労し干物にする懸念に苛まれる破目になる

いつでも状況に応じ発想を転換することも大切なのだ

ちなみに配合割合は

         さび砂利 ・・・ 3

         赤玉土  ・・・ 2

         日向土  ・・・ 2

         鹿沼土  ・・・ 1

         籾殻燻炭 ・・・ 1

         腐葉土  ・・・ 1   


上部層に混和するマグアンプK ・・少量を根の尖端から離して添加 

         鉢底ガラ ・・・  省略

         置き肥  ・・・・ ごく薄い窒素・加里の置き肥を生長季中盤以降に少量用土表層の隅に置く

以前述べたように窒素・加里分は鉢内を容易に移動するが燐酸は施肥部分からほとんど移動しない

このような用土を乾燥気味に保ちながら栽培するサボテン類に強い化学肥料などは禁忌である

施す時 相当薄めたつもりでも用土が乾燥してくると濃度が予想以上に濃くなってゆくものだ

大事にしておる高価な株を良かれと思って施した肥料で枯らしてしまっては何をやってるかわからんではないか

特にこの花籠の如く根が貧相で弱く生育速度の鈍い物は簡単に肥え負けしてしまう
長期間に亘ってジワジワ効いてくる緩効性の物をごく少量施せば充分であろう
〈但しアズテキウム属は高山性とは云っても生育期には水切れさせない方が良いらしい〉   

肥料成分を吸収する根のメカニズムはいずれ詳説するつもりである






「余計なあとがき」

勘の良い読者はピンと来ただろうが、この記事は10年前にあるブログに書き込んだもの。
とうぜん今より若かったけど、ワザとに年寄り臭い文章で書いた。

こちとら団塊世代より歳は下で彼らは先輩なのだが、尊敬に値しない連中も多くいて「その個人個人で人はそれぞれ、世代で断じるのはナンセンス」とは云いながらついつい批判が口をついて出る。

もちろんすべてに完全な人はいない。
おいらにしたって至らないところはたくさんある。

が、それにしてもあれだけ大流行した学生運動、ゲバ棒を振り回してデモして暴れ回った左翼学生が忽然と消えた。

全員が赤軍派みたく国外脱出したのか?

そんな筈はあるめぇよ、実態は卒業と共に口を拭って就職したんだろうぜ。

そして大企業・官公庁で定年まで勤め上げ多額の退職金を受け取り、現在最高額の年金をもらってるんだろうな。

しかし、バレずに社会に溶け込み、資本家の走狗となってがむしゃらに働いたことで過去がゆるされるんだろうか?
あるいは自分たちのやった悪行は「もう済んだ事」時効だとでも思っているのか。

その後 自己批判したのか? 彼らの云う「総括」は?

まぁこいつぁ園芸とは関係ねぇことだが、そんな連中が今は楽隠居して豪邸に住み庭をいじり盆栽を栽培してる。
こちとら どうもそれが納得できねぇんだ。

かつてやった事の自己懺悔は要るんじゃね?





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