いらっしゃい、イネ科さん。
幅が18㌢という立派な綴化(てっか)サボテン。
分割するのはもったいない気もしますが、お写真を拝見したところ、両側の"山"が中央の山を左右から挟んで圧迫していて、将来を考えるとやはり今のうちに切り離した方が良いと思います。
※著作権の問題がありますが、プレゼンの為に貴方のお写真を編集・使用させていただきました。
読者の中にゃ"無断使用"だと通報する人がいるかも知れませんので悪しからず(笑
【写真1】のように、まず水色の線で切り離しますが、接ぎ穂は黄色の線のごとく上面と切断面を平行に揃えます。
そうしないと、挿し木で発根を待つにせよ接ぎ木にするにせよ、傾いた不格好な接ぎ穂になりますので。
「エキノプシス属」の綴化種は正木(しょうき;自根で生育する株)でも作れます。
ご存知のように、「短毛丸」の綴化種は『聚楽冠(じゅらくかん)』と云い、一般に元種より根が弱いとされてます。
まずは、挿し木にして発根を待つか、接ぎ木にして活着させるか二者択一ですね。
小生は綴化種を地降ろししたり接ぎ木にした経験はありませんので、発根の遅速は断言できませんが、ウチの庭のノーマル短毛丸がまだ発育が始まってないので、綴化種の場合も胴切り・挿し木の時期は5月以降の方が無難でしょう。
接ぎ木の場合も、多くの台木が『温暖季生育型』なので、あったかくなってからが良いと思います。
切り離した穂先は【写真2】のように「角(かど)を落として」ください。
1⃣ 接ぎ木の場合は、切断して迅速に接ぎ木台木の維管束に合わせて接ぎ穂を乗せ「糸掛け」をします。
("仮留め用"にセロテープを使用すると便利です)
この際、切断面を乾かせちゃダメ。
あらかじめ切断面の面積に合う台木を切断して準備をしておきます。
せっかちに切ってから台木や糸など用意するような『泥縄式』は最もドジなやり方です。
段取りをちゃんとしてから作業に入りましょう。
「接ぎ木の極意」は説明するのは大変なので、ネット上のいろんな記事を参考にして下さい。スンマソン
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https://plaza.rakuten.co.jp/korobou/diary/?ctgy=8
2⃣ 挿し木で発根を待つ場合はやはり【写真2】のように角を取って切断面を日陰の風通しの良い場所で乾燥させます。
切断面に発根剤を塗る人がいますが、小生は食品に同封されてる乾燥剤の消石灰の粉を塗って乾かします。
2~3日で切断面が乾いたら「挿し床」へ置きますが、挿し木の用土は無肥料の赤玉土や鹿沼土、ゼオライト・バーミキュライト川砂など単用が良いでしょう。
発根を確認したらそのまま根を傷めないよう慎重に用土へ植え直します。
なお、昔から「接ぎ木ウィルス」なる感染症の予防のため、使用のカッターやハサミはやはりあらかじめ百円ライターで炙って滅菌して下さい。
そして、3分割した中央の株は4月に入ったら植え替えると良いですが、鉢から抜いて根を整理して新しい用土へ植え込みます。
綴化種は元種に比べ根が弱いので、慎重を期すならば根を切らずに土を着けたままの状態で鉢へスッポリ入れて新しい用土を周囲に入れて鉢をコンクリへトントンと軽く打ち付け土を均(なら)します。
なお我が日記をご覧になったと思うんですが、植え込みの際はあらかじめ用土に霧吹きをして湿らせてから植え込んで下さい。
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https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_mo_diary_detail&target_c_diary_id=782373#dc_2937962
3⃣ 用土の配合例
赤玉土4:鹿沼土3:完熟腐葉土又はピートモス1:籾殻燻炭1:バーミキュライト1
用土は弱酸性が良いのでピートモス(弱酸性)、赤玉土(微酸性)、鹿沼土(中酸性)を選ぶのが良いです。
ちなみに、昔は川砂主体に腐葉土や綿滓ピートを配合し、酸性を中和する目的で「牡蠣粉(かきがら)」や卵の殻を細かく砕いて入れましたが、これは明らかな間違い。
サボテン多肉にアルカリ性の用土はダメです。
「南米病」の原因になります。
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