【特選の玉扇・満足の万象 🐘】ハオルチア部 コミュニティ

トピックテーマ

特選の玉扇・満足の万象 🐘

2019/02/11
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我が万象コレクション、前半玉扇コレクション。

“持ち株自慢”が鼻につくなら謝ります。勘弁。

https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_fh_album&target_c_album_id=24561
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コメント

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1 2018/09/10
湯島臥牛
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【 写真・左 】
ハオルチア 玉扇「條紋実生玉扇」

「條(条:じょう)」とは「 すじ。すじ状のもの」
白線状の紋様を指してるんだろう。

玉扇・万象の「紋」はベタ紋・島のほか、すじ状の紋は白線紋・緑紋・黒紋・紫紋などが作り出されてる。
突然変異・変わり紋を育てあげ固定する、その苦労は大変なもの。
玉扇・万象は成長がごく遅い。


昔は、ことさらに「すじ状」と名付けたのはその当時珍しかったのだ。

万象や玉扇は日本じゃ戦前から栽培されてる。
最初来日した物は無紋だったのだろう。

窓に白線のある物が作られた時、世間が驚いたに違いない。
だから銘になった。


【 写真・中 】【 写真・右 】

玉扇「ブリザード」

メッセージが同封してあった。

「長野の◯◯カクタスで昔購入した際、名前が付いておらず命名を依頼、”ブリザード”とされた思い出深い苗”」

たしかに白い雲状の”紋”は極寒の地に吹き荒れる地吹雪(じふぶき)を連想させる。

この名を瞬時に思い付くなんざぁなかなかの学じゃねぇの。
これだけを見ても生半可な業者じゃねぇってのが判らぁ。

たくましい葉の立ち上がり、良い株だ。

もちろんこれらは南アフリカ原産、地球の裏側の日本たぁ縁もゆかりもねぇ。

しかしどうですか、和風を感じませんか?
万年青(おもと)・東洋らん・エビネにもどこか一脈通ずる「落ち着き」を漂わす。

もっともキョービの日本人は、戦後 生活習慣はおろか心情までアメリカナイズされて来て、行動はバタバタと落ち着きがなく行き当たりばったり。
物事の上 っ面ばかりに目がゆき、その内面奥底に潜む本質を感得しようともしない。

文化面においても万事がそうで、色彩・形状の好みも昔とは変わり、眼がハレーションでチカチカするような派手さを好み、ダイナミックと云えば聞こえは良いが、どこか過剰な取り止めのない動きを芸術と勘違い、頽廃・狂騒的な文物に傾倒してゆく。

しかし世の中皮肉なもので、これら世界の果ての辺境にひっそりと息づく下草のようなハオルチアに和風を見出すとは。

造形の神はどうやら剽軽な性格らしい。


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2 2018/09/22
湯島臥牛
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【 写真1 】
ハオルチア 玉扇「名札落ち : 銘不明」🕎


荒々しい窓の形状。🌊

前の写真の株に比べ イカつい印象を受ける。👹

窓の紋様は素晴らしく、稲妻紋と共に雲(霞紋)も広がり「島」も散りばめられてる。⛈⚡️🐉

🏺✨当時としては銘品だったろうが「札落ち」と云う事で幸運にも安く購入出来た。

👏😌 しかしこの業者もテキトーに銘を入れれば高く売れたものを、なんて真摯な販売の姿勢なんだろう。拍手に値する。

🤔 思うに、ハオルチア栽培業者は商売本位の「売らんかな主義」ばかりじゃなく、こういう様に己が作出栽培品に誇りを持ち、購入者に対して真面目な態度を取る者が多い。

🤭これはけっしてマニアの欲目じゃなく、小生長年の業者・アマ栽培家との付き合いの経験から言える事。

🔨ネットオークションの場合は売り手に当たりハズレあり。タマにひでぇのが出品してる時がある、ご用心。


【 写真2 】

天空へ向かって何か叫んでる様に見える。

男性オペラ歌手が己が歌声を披露してるような、そんな晴々しい感じじゃない。
もっと地面から突き上げるような雄叫びが聞こえるような。

その声には悲愴感が込められてる。
声なき慟哭が響き渡る。
草一本、木ひとつ生えぬ荒野に。

😌 実際は灌木があちらこちらに生え、草むらはそこら中生い茂る。
サボテンはたしかに砂漠・荒れ野に生えてるが、ハオルチアの棲む南ア連邦の郊外の草原には北アメリカ南部の荒涼たる乾燥地帯の雰囲気はない。

しかし、温暖湿潤な土地というのでもない。
他の多肉植物が棲息する土地と同様、乾季と雨季がはっきり分かれてる。

南半球でもあるので夏・冬で区分するとややこしくなるが、低温な時季に雨が降り、反対に乾季を迎える頃に暖かくなる。

また、日本のような寒い冬はなく、蒸し暑い熱帯夜もない。

そのせいか日本じゃ盛夏と真冬に休眠する。
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3 2018/10/05
湯島臥牛
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ハオルチア「玉扇1-S421 FST-2」

🌁💦 写真がボヤけてる。

🕎✨それでも紋様が素晴らしい。
窓の紋が白線で編み込まれてるいわゆる「白紋系」

白線が密に交錯、あたかも落雷の瞬間の「稲光り」⚡️✨

💀✨先祖は良紋系。
これが数十年前なら銘品だったろう 💴✨

😔だが、これだけの良紋なのに「銘」が無いんだ。
納品書にゃ無味乾燥な「在庫整理番号」があるのみ。
カタログにゃ「1-S421 FST-2 親株」とだけ表示。

まぁこれだけの良紋、元の先祖は銘があったのだろうが、あっちこちへ売買を繰り返してるうち「札落ち」してしまったのだろう。

💹 市場やネットオークションじゃ札落ち株は骨董品の箱の無いのと同じで値段が下がる。

掘り出し物として入札が殺到する。
上は「次の写真」の株の子苗 👶🏻
これがウチのフレームにある株🍀

真ん中の3枚の新葉の窓の紋様は、前掲の親株の良紋を受け継いでるのが窺われる。

👶🏻💧まだごく小苗なので窓が丸っこく小さいが、成長に従い「縦長窓」になってゆくのだろう。

何枚か前に掲げた「玉扇ストロング」でも判るように、極小苗の時は窓が無紋なのがほとんどなのだが、本株はこんな小さいうちからもうすでに白線紋が浮き出てる。

🕵🏻‍♂️ こいつぁかなり期待できるね。

前ページでも書いたが、「銘」が無いのが文字通り「玉にキズ」なんだが、べつに転売するわけじゃなし、おいらさえ気に入ってりゃ何の問題もあるめぇさ。

😤 憚(はばか)りながらこちとら玉扇万象と付き合って三十有余年、紋の鑑定にゃ自信があらぁ。
銘が有ろうが無かろうが良紋は良紋、窓の形だって素ン晴らしい。

🤭自画自賛は見苦しい?ごめん

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4 2018/10/11
湯島臥牛
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ハオルチア玉扇「駿府(すんぷ)」

これは古くからの銘品。
年季の入った玉扇コレクターにゃ周知のビッグネーム。

こいつぁ小苗なんだが、成長するに従って白線の紋が現れ、葉・窓の形が「奇怪なM字型」と化し、葉と葉が相対して扇型というよりも「[ ]型」を形成する。

なぜ「駿府」と称するのか。
静岡市で作出された品種なのか。
それならなぜ古地名を名付けたのか。
なぜ駿河(するが)じゃなく駿府(すんぷ)なのか。

ネットで調べてみたが、駿府玉扇の記事はあるんだが銘の由来などはない。
経緯を知ってる古老(?)は皆すでに物故して誰もいねぇのか。

何十年か知らねぇが昔に作出され、それが絶滅せずに今ウチのフレームにある。
何とも言えない感慨がある。

ハオルチアの中でも万象と並んで我が国へ初めて渡来した玉扇。

戦前から熱烈な愛好家が連綿と栽培し続けて来た旧来型。
そんな「古・玉扇」の代表格。
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5 2018/10/15
湯島臥牛
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ハオルチア 玉扇「ストロング」【写真左・中】

まだ子苗
👉親株 👩‍👦✨【写真左】

🏋️‍♀️✨「ストロング」なんて、銘が野暮って云うかダセぇなって思ったが、親株の紋様を見たら「なるヘソ」って納得。

こんな子苗の無紋から、成長するに従って次ページの親株のようなものスゲぇ紋に成んのか。😳💧

もしそうならその過程もそだレポで記録しなきゃ🖌😕

📓💧そう云う記録は過去にもあっただろうが、ネットで「万象」で検索しても出て来ない。

こいつぁ(おいらも含めてだが)玉・万マニアとしちゃぁ怠慢と言われても仕方ねぇな。😔

👶🏻⏩👦🏻⏩👱🏻‍♂️ 万象・玉扇は成長による新葉の出現のたびにその紋様は複雑化してゆく。
子苗の時は無紋でも、成苗になるに従い紋様が出て来る。

でもこれはあくまで遺伝で、元々無紋の物は無紋のまま。
昔は無紋が多かったが今は少ない。
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6 2018/10/21
湯島臥牛
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この株はタネを蒔いて育てた苗じゃない。
それなら「実生(みしょう)」とカタログ記載があるはず🌱

前掲の親株に吹いた子株を切り離した物(掻き子)で、型崩れが無いのでごく小さい苗を掻いてから何年か栽培されてたのを窺わせる。

📄カタログ上の銘は無く納品書にゃ整理番号のみだが、親株の良紋からすると嘗(かつ)ては銘があったと思われる。

買った時は「札落ち株だから安価」と云う事はなく、どうやらこの業者は銘・無銘はあまり頓着しないスタイルらしく、その部分は多少の不満はあるが、その心を忖度するに「名ではなく株自体を見て評価して欲しい」と云う事じゃないだろうか。

もちろんこちとら転売する気もねぇし銘だけで株を評価する者でもねぇが、もし品に伝わる歴史なり”箔”と云うものがあるなら教えてもらいたいもの。

☸️ハオルチアの紋様は遺伝が大きく物を言う。
🤨作落ちさせず精進するのみ。

🍀✨前の苗と見分けが付かないかも知れないが、さらに白線が太く”網”の広がりが豪快な株。

この画像はカタログに載ってた「親苗」👪【写真右】

⚡️☁️「稲光状白線」の背後に「靄(もや)」か掛かってる。
これがまたイイのさ 👍
その範囲も広がらず狭からず。

💭 近年の流行紋の一つに窓の背景は白雲、中心から放射状の白線(カミナリ紋)⚡️
😳見事とは思うが、ちと派手さが鼻に付く感じが残る。

この親株の白紋はその点ほどが良く、「羽紋・雷紋」と云うより「粗めの網目紋」と云うべき不規則な白線紋が素晴らしく、次に掲げる子苗に期待が膨らむ😌💭

🌿💦親株の葉数が少ないのが気になるが、それについちゃぁ栽培面での自分なりの推測があるが、業者にもそれぞれ事情があり断定的な品評はやめとこう。

🤔要は子株をどのように良株に育て上げるか。
あれこれ昔を思い出しながら世話をしてる今日この頃。
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7 2018/10/24
湯島臥牛
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【 写真・左 】

玉扇 「実生玉扇A」銘不明 9頭立て

紋様の分類じゃ「白紋系」になるのだろうが、ハオルチア専門書・図鑑に載ってるような銘品とは云えねぇ。

ひと昔ふた昔なら良紋で通るが、今や「派手派手紋」が次々に作出・選抜され、マニア御用達のオークションに出品しても大した入札値は付かないだろう。

本来ならば、気に入った紋様の株をじっくり年月を掛けて育て、次第に現われて来る「窓の中の小宇宙」を堪能する。

孤独な、今で云やぁマニアックとでも評するのかな、自分だけの楽しみに浸る。

それが、いつの頃からか全てが変容してしまった。
あらゆる多肉植物のカラー図鑑が溢れ、その結果比較でしかその株を眺められなくなった。

これは不幸なことかも知れない。

多肉は骨董品じゃない。品物でもない。
1個の生き物だ。

ヒトと同じく呼吸もし、栄養も摂取し、繁殖し子孫を残す。
人間の価値観などと関係なく。

【 写真・右 】

「実生玉扇A」横から。

徒長もなく綺麗な葉の立ち上がり。

流行りの「黒紋」「緑紋」あるいは派手な「島」などの装飾はないが、ひとり晩酌をしながらジッと眺めてると、窓の中の世界へ引き込まれてゆく。

「鑑賞」と云うには大袈裟だが、遠い辺境の灌木の根元にひっそりと自生する「究極のハオルチア」の姿が脳裏に浮かぶ。

もっとも、ごく限られた原産地の野生株は乱獲され、ほぼ絶滅。
現在世界中に出回ってる玉扇のほとんどは人の手により繁殖された園芸品種。

そんな”温室栽培の権化”のような植物に、自生地の風景を勝手に思い浮かべて悦に入る滑稽さ。
当の玉扇本人にゃ何のことやら解るまいに。

野性種はもっと葉の幅が狭く窓の紋様など無い。

それに近い草姿の株もある。
まぁそれはそれでなかなか味がある。
次回あたりUPします。

興味の無い人にゃどれも同じに見えるに違いない。
ま、そいつぁ当然かもね。
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8 2018/10/31
湯島臥牛
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金子氏「実生玉扇」真上から撮影 📸【 写真・ 左 】

ひと昔前なら「上紋」と云うことになるだろう。
複雑緻密な網目模様、稲妻型の白線紋🌩⚡️✨

まぁ、なにせこちとら玉扇コレクターとは云いながら、最先端マニアやハオルチア団体の動向についてはずっと無頓着。
その分、鑑賞眼の古いオールドマニア。
キョービのハオルチアマニアに掛かれば「古くさい」と蔑まれるに違げぇねぇ😓
おいらの蒐集した玉扇など往年の希少性は無くなっただうね。

あとは、株を如何に徒長させず姿良く作るか。
いくら良紋だろうと、だらしなく間延びした玉扇など見るに耐えない。
💪🏻🤨 栽培技術は、結局は経験がモノを云う。
いくらネットを駆け巡り参考書・図鑑を読み漁ったところで、実践にゃ敵わねぇ。

栽培の実際はやって見なけりゃ身に付かない。
いくら人の技術をパクっても実技が着いていかない。

特に成長の遅い品種の万象玉扇は難しい。


「金子氏実生玉扇」横から撮影 【 写真・右 】

人それぞれ審美眼は多様であって良いはず。
たとえそれが見るも無残に徒長した株であっても作り手が「これでいいのだ」と納得しているのならば余人がつべこべ口を挟む事はあるめぇよ。

「多肉徒長防止条例」でも制定されれば話は別だが「たかが園芸植物。
そんなに真剣にならなくっても良くね?」と嘲笑う者もいる。

「何をそんなにシャカリキになってんの?」とからかう人も多い。
しょせん交わる事のねぇ人たち、何を言っても無駄だろうな。

自分の栽培してる株を徒長してると自覚できる御人はまだマシ、園芸のセンスが残ってる。
それすら解らない人はどうしようもねぇ、根本的に一から修行のやり直し。

たしかに、業者でもあるまいに朝から晩まで栽培に関ずり合ってる人間は少ないだろう。
みんな仕事があるんだから。

でもその少ない時間の中でベストを尽くす。
それが多肉への愛情と思う。
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9 2018/11/25
湯島臥牛
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「玉扇G-09」銘・不明

例によって整理番号のみで親株の銘が不明。

手持ちの玉扇の中でいちばん原産地株に近い風貌。

「白線紋」で昔ならば悪くない柄だが、最近流行りの派手紋からすりゃ地味で、会員制オークションにゃ出品しづらい株かも知れねぇ。

数十年来の玉扇オールドファンにゃ評価が高いんじゃね?
おいらは薄手の葉幅が好みじゃねぇんだがね。

自生地の玉扇は、総じて窓の幅が狭く細長い長方形。
コの字・勾玉(まがたま)形の幅広窓は人工的な栽培環境で生じた変異。
自生地の環境に適応するにゃ幅の狭い窓の方が有利なのか。
その方面の研究は進んでないようだ。
今後の解明に期待。

現地写真じゃ大きな石混じりの一見粘土質の土に生えてる。
周囲が写ってないので日陰かどうか判らねぇが、ガンガン陽が射す場所じゃねぇと思う。

自生写真をUP出来ねぇのは残念、最近は著作権だのがうるせぇからね。

上からの写真(おいらよりはるかに撮影上手👏)

こうして見ると悪くない良紋 🕎
☁️葉を横にして眺めると、日本画の白雲が盛り上がってゆく図柄。
さすが元のオーナー、出品苗の長所を知悉なさってる。
やはり新葉の紋・窓の透明感は格別の魅力があるね。

しかし、こんな世界があるなんて皆さん知らなかったでしょ。

かわゆい寄せ植え・部屋のインテリア・窓際の棚の置物としてのプチコレクションのコンセプトのファンからすりゃぁ隠微なミステリアスワールド🧛🏻‍♂️🦇

こういうマニアック趣味は余人にゃ共感しづらいのは百も承知。
一般的にゃ「変哲も無い単なる模様」
そんな物に千金を投ずる蒐集家の怪。

😌所詮は他人の趣味嗜好、価値観を批評したところで不毛の議論。
結局「好きにすればぁ」って事に行き着く。

たしかにマイナーな趣味じゃあるが東洋らん・万年青・イワヒバなど例のない事じゃない。
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10 2019/01/12
湯島臥牛

(ここから”万象コレクション”)


【 ハオルチア万象 】13頭立て

ハオルチア 万象 S-78 13頭立て・大株

例によって記号は整理番号、銘無し・素性は不明。

この業者に譲ってもらった株はいくつかあるが、いずれも寸の詰まった葉で頭数が多く、栽培技術の優れてるのが窺われる。

ハオルチアとひと言で片付ける人がいるが、有窓系でもスプリング系やレース系・シンビ・ベヌスタ系と違い万象・玉扇は光量を強くしないと葉が見苦しく間延び・徒長してしまう。

ただし遮光度が少な過ぎると葉の側面が赤く日焼けし、生理障害が起こるのか成長が停止する。

何ルクスかお教えしたいのだが、個体差が大きく、また直近の栽培環境にも左右されるので一概に数値を提示出来ない。

また暗い環境で栽培された株も徐々に強光に馴らしてゆけばかなりの光量に順化する。
もちろんいきなり強光線に晒せばてきめんで日焼け。

ウチの場合、冬場2万5千ルクス前後・5〜8月2万ルクスくらいに調整してる。

市場に出てる品を見ても、多くてせいぜい8~9頭。
小苗じゃ3~5頭株もけっこう売られてる。

これだけの頭数にまで育てるのに一体何年かかっただろう?

何遍も繰り返すが、万象は全ハオルチア中 最も成長が遅い。
順調に育てたとしても年間に葉が1枚か、せいぜい2枚出りゃいい方だ。


たしかに葉の「紋」は白線がそれほど密にあるわけじゃなく、けっして「極上紋」とまではいかねぇが、窓中央に端正な「放射状紋」が入り、窓の形も「なでしこの花びら」のような細かい切れ込みが可愛く入ってる。

何よりどこにもキズはなく、まるでプラスチックのおもちゃのような美品に仕上がってる。

葉の立ち上がりも腰が低く、すべてに節制して作られた栽培の成果がうかがわれる。

徒長の痕など微塵も感じさせない完璧さに舌を巻く。


原産地株は枯渇した中、今や貴重種となった万象は「日本国内作出株」の美しさは世界の垂涎の的。

これを世界一珍重する中国じゃ「日本産の株」は文字通り"株価"がうなぎ登り。
何百万円もする品を爆買いする中国人バイヤーの姿がTVで放映された。

まぁあれほど高価なのはいわゆる「斑入り種」で、派手好みで見栄っ張りの中国人のニーズに応えた転売目的の結果。
いくらマニアとは云え、ミリオン以上出せる日本人はごく少ない。


ともあれ、この株はウチの万象軍団の中じゃ"将軍クラス"。
ディープなマニアの前でも堂々と出せる逸品。

前から自慢したくてうずうずしてたのさ。

鼻持ちならねぇのはお赦しあれ。

これを育てた業者は、光量はもちろんの事、辛めの水やり・無肥料(適切な用土調合と定期的な植え替え)・ハオルチアに適切な湿度・季節に応じた通風と、熟達した手加減で四季を乗り切って来たのだろう。
下葉の枯れ・脱落が一切無いのがそれを証明してる、

もちろん丈の詰まった葉を見てもその優れた手練は明らか。

たしかに紋は地味で当節流行の密な網目・雷紋じゃねぇが、葉にも一切キズもなく側面は高級感のある艶消し。
「万象とはこういうもの」と云う標本株。

頭数が13頭とウチの万象軍団の中じゃ最も多い。
栽培に年季の入った大株と言って良いだろう。

葉の縁のギザギザもお洒落。

大株。去年から新葉が出てる。1枚と半分。

万象はハオルチアの中で最も成長が遅い。
1年間に新葉が1枚出りゃいい方だ。

万象・玉扇は光量を強くしないと葉が見苦しく徒長してしまう。
成長が超遅いので徒長しちまうと取り返しがつかない。

日本ハオルシア協会の林雅彦氏は1万ルクス以上での栽培を推奨してる。

でも暗い環境で栽培された株は徐々に強光に馴らしてゆけばかなりの光量に順化する。
もちろん、いきなり強光線に晒せばてきめんで日焼け。葉の側面が赤く日焼けし生理障害から成長が停止。

ウチは冬場2万5千ルクス、5〜8月2万ルクスに調整してる。
辛めの水やり・無肥料・適切な用土調合と定期的な植え替え・適切な空中湿度・季節に応じた通風に徹してる。

自慢になるが、この株は葉丈も約まって低く草姿も端正。
銘は無いが、なかなかの名品だと自賛してる。


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11 2019/02/01
湯島臥牛
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ハオルチア 万象「心模様」

品種名は、窓が普通の万象のように円形じゃなく心臓の形をしてるところから名付けたようだ。(それに”心持ち”を掛けたのだろう)

「大型になる」との注釈があった。
そうだとしてもずいぶん先の話。
なにせ万象は全ハオルチア中最も成長の遅い種。

🇨🇳中国じゃエラい人気があるらしい。
😳2百万円の株をバイヤーが買ってゆく場面がTVで流れてた。
もちろん転売目的。


これは私見だが、もし名品が中国の金持ちの手に渡ったとして、ちゃんとした栽培をしてくれるかどうか心配になる。

中国人は昔から日本人・ドイツ人と並んで手先が器用と云う定評があるが、物作りはともかく、根気の要るハオルチア栽培はどうだろう。

もちろん、中国人とひと言で云っても人口13億人の住む広大な国土で文化・気質もさまざま。
一概にこうだとは論じられないが、良く云えば大陸的大らかな(悪く云えば大雑把)国民性の人々。果たしてキメの細かい管理が出来るかどうか。

単に成金億万長者の珍奇趣味・見せびらかしのためのコレクションだとしたら、名品ハオルチアの行く末は暗い。

願わくは、新オーナーの植物に対する愛情を期待するばかりである。

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