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「京楽焼」が最高 多肉植物栽培応用2018/04/20
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前回の日記に多肉に適してる鉢には「もっと奥がある」と書いた。

また誰かさんに勿体ぶってると言われるのは嫌だから。

はっきり言います。

サボテン・多肉に良い鉢は「京楽焼」の鉢です。

荒い素焼きの陶器の上へ黒い釉薬(ゆうやく)を施したアレ。
(写真1枚目)

主に蘭や万年青(おもと)の栽培に使う。

見た目すっげぇ重そうだが、持ってみるとびっくりするほど軽い。

生地の素焼きはさわってみるとガサガサして肌理(キメ)が荒い。
この内部の素焼き部分は、水に漬けるとジュウジュウ音を立てて吸水する。

もし外側に上薬(うわぐすり;釉薬)が掛かってなくて、植物を植え水やりをしたとしたら、素焼きボディがアッという間に水分を吸収、そして鉢の外面から揮発して短時間のうちに用土が乾いてしまう。

それを外面に塗られた釉薬で蒸発を防いでる。

云われてみれば簡単な仕組みだが、これを思い付いた人は天才だと思う。

世界中に数多(あまた)植木鉢はあるが、こういう構造の鉢はないだろう、たぶん。

内面、外面ともに釉薬が掛かってる いわゆる塗り鉢(化粧鉢)は熱伝導率が良い。
別な言い方をすりゃ保温性がないと云える。

くどいようだがサボテン・多肉は、根が蒸れると腐るし冷やし過ぎると凍えて活動をとめてしまう。

植物の根は動物でいうと胃腸に当る。やはり細胞環境の「恒常性」が求められる。
温度も幅が小さいほどいいし、湿度・PHも変動しない方がいい。

楽焼鉢は釉薬によって鉢の外面からの水の蒸発をストップされるので、気化熱が奪われる「冷え」はなくなる。

「冬に外側の釉薬の層が冷やされるから素焼き部分も冷やされるんじゃね?」

でも大丈夫。素焼きの層にどっぷり水が満たされていれば確かにそうだが、実際はそうはならない。

たとえば、用土に水をやるとする。

その水はまず用土全体に拡散する。

用土に透水して、余った水は下部の鉢穴から流れ出る。

その時点で用土にはグッショリ水が含まれてる。

その濡れた用土からさらに素焼き層が吸水する。

その時の素焼き層が水を吸った状態は、あたかも濡れた雑巾にスポンジを押し当てたような感じ。

水分の粒と気泡の層が混在した状態、そしてその気泡が断熱材の役目を果たす。

つまり用土は、素焼き層に水分を吸い取られる分、適度な湿り気に落ち着く。
腰水でもしない限りズブズブにはならない、という寸法。

外面からの蒸発も抑えられているから「適湿状態」が長く続くわけだ。

「でも夏場は表面が黒いから日光で熱されて用土が蒸れるだろ?」

これも大丈夫、例の素焼き部分の気泡が断熱材の役目を果たすから。

でも、それでも気になると云うなら白い楽焼鉢もある。

さらに錦絵や染め付け・山水画や九谷焼のような柄物もある、機能性と装飾性を併せ持つ鉢なのだ(写真2)


ラン用の楽焼鉢は一般的に写真1のように深鉢なのだが、これは根が長いハオルチア・ガステリア用に使える。
比較的根の浅いエケベリアやサボテン類には深すぎると思う時は、胴の短い「富貴蘭(ふうきらん)」鉢がある(写真3)


みなさんも一度お試しあれ。

難しい種類も案外すんなり栽培できるかもよ。



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どんな鉢が多肉には向いてるか?2018/04/04
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もちろん多肉つっても千差万別、産地も世界中あちこちに散らばり その性質もいろいろ、この鉢がいいとは一概にゃ言えない。

現代の多肉植物の世界は、昔のようにサボテンのオマケのような位置に甘んじてはいない。
いわゆる「多肉女子」と呼ばれる多肉好きの(比較的若い)女性たちが徐々に増え、今や静かなブームと云われるまでになった。

ミニサボテンや「かわいい」多肉植物を部屋に飾り、あたかもインテリアかオブジェの如くそれを楽しんでる。

業者もこのチャンスは指をくわえて見逃しはしない。
世界中のありとあらゆる多肉をかき集め、彼女らの需要に応えるべく市場へ大量に送り出してる。

かつては図鑑でしか見た事のない珍種が園芸店の店頭に並んでるのを見かけて大いに驚くこともしばしばである。


かつてセントポーリアがブームになったのを覚えておられようか?

あの当時も女性(老いも若きも)がセントポーリアを室内に置いて楽しんでた。
中にゃ室内にビニール製のミニ温室を設え、あの淡い紫色の「植物育成用蛍光灯」を点けて栽培してる本格派もいた。

しかし、今やセントポーリアを栽培してる一般の人はひとりも見掛けない。

願わくは、今度の多肉ブームはあの一時的なセントポーリア流行の二の舞いを演じてもらいたくない。
ブームが冷えて、捨てられたり忘れ去られて枯れてゆく植物が不憫ではないか。

とくに多肉は一見水やりなどの手間が省けて世話がかからないと思いがちだが、実際はけっしてそうではない事は読者諸姉・諸兄はよく御存知だろう。

そりゃたしかに剛健な種は、軒下に周年ほったらかしにしてても成長もし花も咲く。
しかし、「かわいい」と思って通勤帰りに駅ビルの花屋の店頭で衝動買いした多肉がすべて強い性質の多肉ばかりとは限らない。

たいていの多肉女子は、目の前の鉢植えがどんな栽培法が適してるかをネットで調べようともしない。
只々カワイイか可愛くないかが彼女らの唯一の価値基準、栽培法などせいぜい買う時に花屋の店員にひと言聞くぐらいだ。

店員だって知るもんか、膨大な種類がある多肉植物のそれぞれの栽培法なんて把握してるはずもない。
第一その植物の種名さえ知らなさそうな受け答えをしてる店員も結構いる。

横で聞いてると吹き出しそうになることがある。
だが、余計なくちばしを挟むと「キモいおじさん」と見なされるのがオチだから私は黙ってる。
買われてゆく多肉には気の毒だが。


憎まれ口はさておき、鉢の話をします。

私は常日頃「多肉に向く鉢は?」と聞かれると「朱温鉢(しゅおんばち)」と答えることにしてる。

このサイトの多肉コミュニティの相談にもそう答えてる。

しかし、本当はもっと奥がある。まぁそれについては次の機会に譲るとする。

それを明かす前に、多肉栽培に用いられる鉢の種類についてチョと分類しておこう。
なにも勿体ぶってるんじゃない、ほかの種類を知らないと私の言うことが理解できないだろうから、である。


まず御存知プラ鉢。

業者をはじめ大量にコレクションしてる重症のマニアなどは、軽くて色も形もサイズも多いプラスチック鉢は重宝する。

通販でもその軽さゆえにいちいち「抜き苗」にしなくても、ティッシュなどで鉢土がこぼれないようにして発送できる。
これによって根も乾燥によって傷まなくて済む。
それに、鉢が軽いから送料も安く宅配員も持ち運ぶのに楽だ。

しかし栽培面でいうと長所・短所は相半ばする。もちろんそれは他の鉢にも云える事だが。

当たり前だがプラ鉢の壁に通気性はない。

だが、これは短所でもあり長所でもある。

欠点としては、通気性(透過)がないから水をやると水分が鉢の壁から水蒸気として発散されないので、鉢穴から流れ出る余分な水以外は鉢内に留まる。
つまり加湿になりやすく、根の吸水が旺盛な生育期以外には常に根腐れの危険が付きまとう。

真夏の強烈な日射に照らされてプラスチックの側面は、さわるとヤケドしそうなくらい熱くなる。

とくに最近は黒い色の鉢が多く利用されてる。

黒い色は太陽光の熱線である赤外線が透過し鉢自体熱をもつ。

冬は鉢内が温まって良いが、夏は鉢壁に張り付いてる根が煮えてしまう。
動物だと熱いと手足を引っ込めることも出来ようが植物の場合そうもいかない。
その根は死んで腐るしかない運命だ。

だが寒い時期にゃ逆に鉢は暖まった方が良い。
サボテンをはじめ多くの多肉植物は根を凍えさせない方がいいに決まってる。

だから春の植え替え時は、来たるべき夏に備えて白い色の鉢に替えた方がいいだろう。
さいわい最近は、ありとあらゆる色の鉢が売られてる。
季節に合わせて使い分ければプラ鉢はいわゆるコスパが良好な鉢と云える。


次に、候補で思いつくのは素焼き鉢(写真1枚目)

広い意味での「素焼き鉢」には、駄温鉢・朱温鉢・テラコッタも含まれるが、ふつう園芸の分野じゃ素焼き鉢といえば、釉薬(ゆうやく;うわぐすり)のかかってないあの白っぽい黄土色の目の粗い陶器を指す。

古代の土器と同じで焼きが甘く(700℃~900℃)、水をかけると吸い込み、試しに耳を当ててみるとジュウジュウと音をたてて水分を吸い込む様がよくわかる。

こういう鉢は、用土を入れ水やりをすると鉢内の表面から急速に水分を吸収し、また鉢の外側から蒸発させ急速に乾いてゆく。

ふつう植物の根は土中で放射状に拡がる。とうぜん鉢の内側の壁に向かって伸びてゆく。
根が鉢の内面にたどり着いた際、そこが乾燥してたら水分を吸収できない。

素焼き鉢の場合そういうことが起きる可能性がある、あまりにも乾燥が急だから。
気孔が密にあり かつ大きいのであろう。目には見えないが。

一般に、サボテン・多肉植物の根は蘭と似ていて空気の流通がないと窒息してしまう、とされている。
しかし、たとえそうであっても水分を吸収するメカニズムは普通の植物と変わらない。

吸水の現場は細根の尖端の根毛の部分で、根内部の浸透圧で周囲の土の表面の水分を吸収している。
そこが極度に乾燥して根の周囲の土に水分がなくなれば根毛は萎縮し枯れる。

普通の植物の場合、根が枯れたら本体(地上部)も枯れる。
しかし多肉植物は体に水分を蓄える貯水組織を持ち、本体は枯死をまぬがれる事ができる。
そしてその蓄えた水分で光合成など、最低限の生命維持活動を続けていられる。
そしてやがて降雨が訪れ新しい細根を出すか干からびた根が復活して吸水を始める。

サボテン・多肉植物の根は適度な湿り具合い(適湿)でないと根からの水分吸収が円滑に行われない。

あまりビショビショでもいけないし、反対にカラッカラに乾いててもとうぜん水分吸収は無理。

素焼き鉢は、適湿時間がその急激な水分発散であまりにも短く、多肉植物の栽培には向かないと言わざるを得ない。
しかしフウランのような着生ランのミズゴケ栽培じゃ使えるかも知れない。

また冬場には、鉢の外側から水分の蒸散により気化熱が奪われ鉢全体が冷えるきらいがある。

サボテン・多肉は根が冷えるのを嫌う。(真夏は多少冷えた方がいいが)
彼らの自生してる砂漠・荒野は日照のある昼間は炎熱地獄だが、夜間は急速に冷え込み明け方には氷点下近くまで気温が下がる所が少なくない。
しかし乾燥した土壌は保温性があり、地上の寒暖差を地中で和らげる働きをする。

そういう土中の環境に慣らされてるサボ・多肉の根が、あたかもラジエーターのような作用をする素焼き鉢に植え込まれると、日本の冬のように冷え込む際に万一凍ったりでもすれば根を傷めるのは当然であろう。

というわけで素焼き鉢はカニバ・シャコバサボテン、月下美人などの孔雀サボテン類のミズゴケ栽培において、冬場に室内に取り込むなどの処置を条件に使用できる程度という結論になる。


ほかに「駄温鉢」という種類がある(写真2枚目)

素焼き鉢より硬く焼いてあり(1,000℃~1,200℃)、ボディは薄いが鉢の縁に帯状の釉薬のかかった部分がある。
この帯状の部分を桟(さん)というが、素焼き鉢とは上薬のかかってないのを云うが、一部でもかかっているのはこの駄温鉢だけだ。

駄温鉢は素焼き鉢より高い焼成温度で焼かれているので通気性・通水性は2/3程度くらいということだ。

逆に云うと、それだけ鉢内が加湿になりやすいとも云えるので、多肉の種類や大きさにもよるが、5号鉢(直経15cm)以上の鉢に植え込む場合は、用土を粗めにするか水やりの頻度に注意が必要だろう。

側面が薄いので軽いと思いがちだが、駄温鉢は意外と重く衝撃による破損しやすいという欠点もあるし、その薄さゆえに断熱・保温という点で他の素焼き鉢に劣る。
だが、サイズに留意すれば多肉栽培にはそれなりに重宝するかも知れない。


このほかに「朱温鉢(しゅおんばち)」というのがある(写真3枚目)

これが私のおすすめの鉢だ。

素焼き鉢とフォルムは同じだが、駄温鉢と同じくらいの焼成温度で硬く焼いてあるので素焼き鉢のような急激な乾燥からは免れる。

それに駄温鉢より厚めだから保温という点で寒暖の影響を受けにくいという長所があり、気孔も細かいのが無数にあるから穏やかに乾燥してゆきサボテン・多肉の根の生育に良い影響を与えると思われる。

重いのが欠点だが、地上部の重量のある多肉サボテンを安定させて、風などで倒れにくい。厚さもあるので割れにくいというのもある。


イタリア製のテラコッタは、鉢の側面が厚く朱温鉢より少し焼きが甘いキメで、素焼き鉢と朱温鉢の中間くらいの手触り。
西洋風の透かし彫りが施されてあったりして、サボテン多肉の異国情緒と雰囲気が似合うという事もあって最近急速に普及して来た。

ウチにもテラコッタにしては珍しい小型の3号鉢に植え込んだ株が何個かあるが、口が朱温鉢より少し開いた形で、栽培した感じでは朱温鉢より用土が早く乾くようだ。
同じサイズの朱温鉢・駄温鉢より全体的に厚ぼったい感じで、柱サボテンやユーフォルビアなどに似合う気がする。


ほかに、朱温鉢に似た色の植木鉢に「常滑焼(とこなめやき)」などが有名な「朱泥鉢(しゅでいばち)」があり、植木鉢のほかに湯飲み・急須・皿などが昔から作られて来た。
紛らわしいが、さわってみると朱温鉢との違いが肌触りでわかるはずだ。

この朱泥鉢は釉薬(ゆうやく)を掛けずに焼いたもので、外見は(広い意味の)素焼き鉢だが肌のキメはさらに細かくなめらかで、素朴な朱色が装飾性を醸し出してる。

昔はよく盆栽の鉢に利用され、朱色だけじゃなくくすんだ灰褐色のシブい「烏泥鉢」や緑がかった「緑泥」「梨皮(りひ)」などの種類がある。

もちろん湯飲みや急須もあるくらいだから吸水・透水性はまったくなく、釉薬の掛かった塗り鉢(化粧鉢)と共に装飾鉢として使われて来た。

しかし、塗り鉢は釉薬をかけて高焼成温で「二度焼き」してるせいで生地が緻密になり熱の伝導率が高い物が多い。
とくに透明感のある釉薬は日光の赤外線をよく透過して鉢の深部まで発熱する。

このように塗り鉢は釉薬で夏に熱せられたり冬に冷やされてリして、植物の根にあまり良いとは云えないが、現代人の洋風の部屋に飾るのには雰囲気が合う鉢が売られており、植物はやはり見て楽しむものだから「根に良い物だけにしろ」とばかりも言えないだろう。

最近では、奇妙な形をした「作家物」の鉢・受け皿のセット(ポット&ソーサー)が、容貌怪奇なサボテン多肉植物のムードに合うとかで、ネットのカタログで紹介され、工芸品として高値で販売されてる。

受け皿は水やりの余分な水が溜まり、小まめに捨ててゆかないと鉢内がいつまでも過湿な状態が続き根腐れの恐れがあるので、サボ多肉にはおすすめ出来ないが、植物と鉢を一体の装飾品として考えた場合、機能性ばかりを喧しく言うのは野暮というもの。

とにかく、そうした植木鉢の欠点は栽培技術で補うくらいのスキルを身につけたいものだ。






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初めまして。品種が分からなかったので質問します。2018/03/30
初めまして。つちやといます。ホームセンターでハオルチアのディスコングシーという品種を買ってきました。ところがネットで調べるとハオルチアではなく、アロエ ディスコイングシーとして出てきます。これはほんとにハオルチアですか。教えてください。
紫色の花の名前がわかりません!2018/03/30
初めまして
昨年の5月頃にカフェの庭で見つけて以来、この季節に入り気になってお電話して見ましたが名前はわからないとのこと、草丈15センチで紫色の花が咲いてました。
お花の名前わかりましたら宜しくお願いします☺️
花崗岩のマサ2018/03/19
湯島さん

今晩は、充電させてください。
先月鉱物採集で再度訪ねた花崗岩露頭です、今日のアドバイス大変参考になりました、今月また茨城県雪入の鉱山に行きますがここも花崗岩露頭がありますが、ヤッパ持って帰ります、今1人で居りますが晩酌飲みすぎてどうしても湯島さんにまさの露頭の写真見ていただきたいと書きました、ここの露頭は花崗岩に希土類鉱物が含まれる場所で偶然見つけた所ですが私のブログに記事で訪れる人が多くすっかり荒らされてましたが近くの沢には沢山のマサが有りました、ごめんなさい何しろ晩酌の後に投稿するのでヨッパライはしょうがない。
ハオルチア栽培の基礎2018/03/17
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【 ハオルチア栽培の基礎 】

まず始めに、ハオルチアとはどんな植物か。


何科だとか何属だとかはこの際どうでもいい、要は「栽培の実際」、どのように栄えさせるか だ。
いくら能書きを暗記しても、枯らしてたんじゃどぉしようもねぇ。

でも逆にいくら「実地の腕がモノを言う」つっても基礎知識がゼロじゃ心もとない。


まず、ひと言で云うと「ハオルチアは半日陰に生えてる」ってこと。

原産地じゃ岩陰・岩の割れ目や草の根元、背丈の低い灌木の下にうずくまるように生えてる。

灌木や叢(くさむら)の葉ッパで強烈な日差しは弱められ、軟らかい光線となりハオルチアの上へやさしく降り注ぐ。

ただしそれは雨季での話で、さしもの乾季にゃ日陰を提供してくれてた草やブッシュの葉が枯れ、季節が移り日差しの角度が変わるので冬にゃ差し込まない岩陰にも日差しが入り込んで来る。

遮蔽してくれる植物の葉が枯れ落ちてハオルチアは強烈な日差しに晒される。
ハオルチアは赤茶けて日焼けし、とうぜんそうなると生育を停止する【写真①】

しかし日本で栽培するのに なにもわざわざ直射日光を当てて日焼けさせることはない。
ネット上じゃ「紅葉させる」などと言って真っ赤にさせてる画像を見かけるが、日本の植物が秋に紅葉するのとは根本的にちがう。

もちろんハオルチアにとって ひでぇストレスとなる。
そのまま赤黒く萎縮して枯れてしまう事もある。

だから大切なポイントのひとつは、ハオルチアにゃ周年遮光が必要ってこと。

もちろん品種によってその度合いはちがうが、スプリング系など6,000ルクス以上の光線下じゃまともに育たない難物もある。

一般的に云うと、窓のない硬葉系は有窓の軟葉系より日焼けしやすく厚い遮光が必要とされる。

だが品種により大きく差があり、株によって個体差がある。
硬葉系でも 直射日光が平気な剛健種も存在する。【写真②】

結局はその株をよく観察しなきゃ適量の光線量は分からないってこった。

なお、ハオルチアは日陰に置いとくと徒長して見苦しい株になる。
その人の価値観にもよるが、おいらなどは徒長を最も栽培家の恥と思ってる。

徒長させるくらいなら日焼けしてた方がまだマシだ。
日焼けは取り返しが利くが、ひとたび徒長した葉は元にゃ戻らねぇ。
新葉が出て下へ回り込むまで何年も間延びした醜い葉を見せ付けられる。



現地じゃ冬が雨季で温度の低い季節に雨が降りハオルチアは成長する。
つまりハオルチアは夏の乾季は休眠してる いわゆる冬型(日本じゃ春秋型)の植物。


日本じゃ秋〜春と春〜初夏・梅雨期に成長させる。
なぜならハオルチアは昼夜の温度差がある程度ねぇと成長が鈍くなるから。

だからハオの日本の栽培環境はフレームか温室が望ましい。
真冬でも日中かなりの高温が作り出せるからだ。

しかしここで勘違いしてもらいたくねぇのは、現地じゃハオルチアは「夏で気温が高くなる」から休眠するのじゃなく、乾季になって水切れするから否応なく休眠するってこと。

ところが日本の夏は蒸し暑く熱帯夜になったりして明け方の最低気温が高くなり昼夜の温度差が現地ほどじゃなくなる。
だから(種にもよるが)半休眠状態になり一時的に生育を止める。

また、真冬も氷点下近くになっても もちろん生育を止める。

つまり日本の環境じゃ、温度に反応して(半)休眠に入るわけだ。

そもそもハオルチアの原産地は日本のような極端な寒暖はなく、夏の蒸し暑さもなきゃ雪が積もったり霜が降りることもないそうだ。

この原産地と日本の環境のギャップが解ってねぇとハオルチア栽培を極めることは出来ねぇ。

ただしここで云う温度差は気温じゃなく「葉面の温度」であり「根元の表土の温度」のこと。
問題は「空中の気温」じゃなく「植物体の表面温度」なのだ。

気温がそれほど高くなくったって日照により多肉の表面が煮えることだってある。

また裏ワザで、蒸し暑い真夏の熱帯夜に冷蔵庫へ入れる手もあるが、実際にゃ実行し難い。
鉢数もさることながら衛生面でも家族の猛反対に遭う。

専用の冷蔵庫を用意すりゃいいようなものだが、その品種によって最適の低温が違うから温度設定に悩む羽目になる。

また庫内の通風も問題になる。
内部にファンがある機種もあるがそれだと乾燥し過ぎる。
濡れた新聞紙にくるむ方法もあるがそこまで出来るクレージーなマニアは少ないだろう。

熱帯夜に一晩中クーラーの効いた部屋へ収容するのがより実際的だが、毎晩となると大変だ。
また、空中湿度の高いのを好むハオルチアにクーラーの送風はどうかな。


このように、ハオルチアの特性を頭に入れときゃ応用が利く。

あとは本人の工夫次第。

原産地の南アから遠く離れた日本での栽培だ、完全な環境作りなどあり得ねぇ。
それぞれの家庭によって創意工夫が必要。

「そこまでしてハオルチアなんか持ちたくねぇワ」

そうおっしゃるなら、仕方ねぇし。




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植物に紫外線は必要か?2018/03/01
小生の日記を見てない人に再掲します。

       ◆


植物に紫外線がはたして必要か?

必要ならどの程度必要か。照射時間は。
あるいは無くったっていいのか。

結論を先に書くとあとは読んでくんないから勿体つけて最後に書くぜ。

いや、こう予告すると途中を読み飛ばすのがいるから結論の個所は意地悪して明かさねぇよ。
ちゃんと全文読んでくれる人にだけ教えちゃう。
(結構しんどい思いして書いたから斜め読みされちゃぁかなわねぇし)



まず、紫外線にゃ種類がある。
UV-A(紫外線A波)・UV-B(紫外線B波)・UV-C(紫外線C波)の3種類。

このうちUV-Cはオゾン層に吸収されるから除外するとして、ふつうにゃUV-AとUV-Bの2種が人体に影響する。
(UV-Cは生物の細胞に対しての破壊力が凄まじい。つまりオゾン層の破壊されてる南極地帯は相当にヤバいことになる)

地表に降り注ぐ紫外線の約99%をを占めるのがUV-A。
波長が長く、雲や家の中・車の窓ガラスも透過して肌にも到達するため「生活紫外線」とも呼ばれる。
UV-Aを浴びると肌はゆっくりと黒くなりシワやたるみを引き起こす。

次に波長が短いのがUV-B。
屋外での日焼けの主な原因となるため「レジャー紫外線」とも呼ばれ、多量に浴びてしまうと皮膚に赤い炎症を起こしメラニンを生じさせシミや色素沈着の原因になる。


昔は「夏場に日光浴して肌を焼いておくと冬になって風邪に対する抵抗力が備わる」とか云われてた。
しかしこれは俗説で、今どきこんなことを言う学者・医療関係者はいねぇ。

たしかに、古来紫外線は人体に必要不可欠とされて来た。
昔の衛生学なんかにゃ「紫外線は皮膚におけるビタミンDの生成に必要」って書かれてあった。

あるアメちゃん学者は、UVB照射時間が短いことがビタミンDの欠乏を起こし合衆国で何万もの死者が生じていると主張してる。
実際に米国では日照の少ない緯度の高い地域での大腸癌、乳癌、卵巣癌、多発性硬化症が多発してるらしい。

また、ビタミンD欠乏は骨軟化症(くる病;いわゆる背ムシ)を生じさせる。
現に、北欧へ移住した黒人の子供たちがくる病を発症してる例が多いそうだ。
皮膚の活性化したメラニン色素が紫外線吸収を阻害してる症例だろう。

だけど、必要なビタミンDを得る日光浴の時間はごく少なくて良い。
緯度によって違うけれど、夏場で云うと10~20分で十分でそれ以上、たとえば1時間以上浴び続けると皮膚にとっては有害でしかない。

紫外線は波長が長いほど皮膚の深部にまで到達する。
UV-Aは真皮にまで届き活性酸素をつくり、皮膚に弾力を持たせてるコラーゲン繊維をズタズタにしてシワ・弛みを生じさせる。
いわゆる「紫外線老化」だ。

UV-Bは波長が短く皮膚の表皮部分で止まるが、その有害性は紫外線Aの100~1000倍強く、美容に悪いだけでなく免疫力の低下、皮膚がん、白内障など引き起こす。

余談だが、蛍光灯は水銀蒸気をイオン化することにより紫外線を作り出す。
蛍光管の内側の蛍光物質は、紫外線を吸収しそれを可視光線に変える。

ところが水銀蒸気の放射する紫外線はUVC領域で、蛍光物質を塗られてねぇ水銀アーク灯から皮膚や目に受けることは非常に危険。

一般的な蛍光灯のガラスはUVC領域の透過性の悪いガラスが使われているため蛍光物質が部分的に剥がれても危険は生じないが殺菌灯は透過率が極めて優れた石英ガラスが使用されているため直視することは大変危険。
水銀灯の光はまた水銀灯やメタルハライドランプも発光管に石英ガラスが使われており外側のバルブが破損状態で点灯しているのもUVCが強力に放射されているため直視は極めて危険で死亡者も出る。

ちなみに、カバは赤い(ピンク色)汗をかくことで有名だが、この赤い汗にゃ紫外線や細菌から身を守る働きがあるので、カバは紫外線に対する抵抗がバカに強い動物だといわれてる。


ここで本題に入るとする。

「植物に紫外線が必要か」

植物に光が必要なのは誰でも知ってる。
だがその光というのは「可視光線」で眼に見える光のこと。
紫外線はとうぜん眼に見えないものを云う。

紫外線は可視光域に近い方から、UV-A(315〜400nm)・UV-B(290〜315nm)・UV-C(波長280nm未満)と分類される。

上にも書いたように紫外線は動物では概ね波長が短いほど有害とされ、波長の短い光のうち特にUV-Cの光は細胞のDNAにダメージを与え、細胞が死んだり突然変異を起こす。
UV-Cの光が細胞に有害であることは植物も動物と同じ。

だがここで肝腎なのが、紫外線は植物にとって動物以上に有益な面も多いってこと。

専門用語を省いて結論を云うとだね、まずUV-Aは、植物のバヤイかならずしも有害ばかりじゃねぇ。

実験室でUV-AやUV-Bなどのある特定の波長の光だけが植物に当るような実験条件にして調べた結果、光受容体と思われる器官がUV-Aの光を受け取り茎の徒長を抑える働きをすることが実験でわかってる。

また、この光受容体の一種がUV-Aの光を受け取り、花芽の形成を促進したりアントシアンという赤紫色の色素の合成を促進することがある。

もうひとつのUV-Bの光の効果は植物ではまだそれほどに解明が進んでおらず、光受容体も明らかになっていねぇ。
しかし、遠赤色光受容体による徒長抑制の働きを促進する効果があるらしい。

つまり植物の茎や葉の徒長を抑える働きがあるので、UV-Bの光はかならずしも有害というばかりではない。

また読者諸姉・諸兄の最も知りたいのは、窓ガラスにフィルムを貼って太陽光のうちのある程度の紫外線をカットしたとき室内の植物や観葉植物に影響があるかどうか。
また逆に細胞にダメージを与えるかどうか、成長を阻害するかどうか、だろう。

一般的には、ある程度のUV-Aに相当する光があったほうが、葉の伸展(葉がイキイキと広がること)や徒長抑制(しっかりした株に育つ)には有効ってこった。

ただし、UV-Aがカットされてもより長い波長域の青色光が十分な強度であれば多くの植物じゃ正常に成長が調節されるので、必ずしもUV-AあるいはUV-Bの光がなければ植物は正常に成長しないということではないらしい。

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ハオルチア、名前表記のアルファベットについて2018/02/19
ハオルチアの品種などを見ていると、よく分からないことがあります。

例えば、ハオルチア・シャンデリアを探しているとします。そうすると、シャンデリアBとかシャンデリアDなどというアルファベット表記が出てくるのです。

これはどういう意味なのでしょう?
名前が知りたいです2018/02/14
初めまして、我が家で20年程育てているサボテンの名前が知りたくて参加させて頂きました。
知人から譲り受けたもので、その方も名前が分からないそうです。
何となくお世話をしていたので状態が良くないのですが、20年以上育てているので急になんというものなのか気になり調べてはみたのですが、自力では判別出来ませんでした。
どうぞ宜しくお願いします。
こんにちは…あ、こんばんは でした。2018/01/30
管理人さんがおもしろそうな方でしたので、来てみました。

お言葉に甘えて、突然ですが多肉植物の水栽培について何か情報を教えていただければうれしいです。
ネットで探したりはしているのですが、寒冷地で水栽培している方がなかなか見つかりませんでした。

家の多肉植物について書きます。
カットした枝?や芽?を何日か乾かして、発根したら容器に水を入れ根の先がつくかつかないかくらいにしました。
根っこがぐんぐん延びるので、それに合わせて水を減らし、根っこが水に3分の1くらい浸かる感じにしています。
置いてある場所は出窓です。夏場は薄いカーテン越しの光、窓の両脇を開けて風を入れていました。

何とか夏を乗りきり、先月から部屋に暖房を入れています。
薄いカーテンは開けた方がいいんでしょうか…
ずっと肥料はあげていなかったです。それが悪かったのかも…

あ、種類ごとに違うかもしれませんね。
セダム・エケベリア・ハオルチア・フォーカリア…あと、他にもあります。
特にハオルチアはぷっくりしていた葉が、真ん中のところがへこんできて心配です。
🌵💦 思い込みの多肉栽培2018/01/25
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この際 敢えて云わせてもらう  
多肉植物栽培家の多くは総じて視野が狭すぎる

これこそが 多くの関係書籍 多肉ブログを拝見しての小生の偽らざる感想である 

サボテン・多肉植物=乾燥に耐える植物  この定義はその通りだが これに囚われて特別な生物という思い込みが 意識の上で一般の草花の栽培法との乖離を生じさせて 他の園芸植物の栽培法に対し無視乃至は軽視に結び付いているように思えてならぬ

「いいえ 私は山野草も好きだし 季節の花で毎日ガーデニングを楽しんでるわよ
部屋は観葉植物で埋まってるし 家族が閉口するほどバルコニーは鉢でいっぱい」

それは確かにそのとおりだろう 

多肉植物だけを収集して他の植物は一切興味がないので買ったこともないという人は少数派で 大半の趣味家はほかに何らかの園芸植物も併せ持っているものだ

だが小生が指摘しているのは 果たして相互に栽培法を応用し合ってるか ということだ

多肉植物に対しては どこか「特殊な植物」という意識が働き 用土の選択にしても 水捌けばかりに頭が行き保水の重要性などは一顧だにしない

根腐れを恐れるの余り生長季に灌水を控え過ぎて樹幹を萎縮させ 葉や根を枯らせて枯死をさせはしないにしても 見るも無残な貧弱で醜悪な鉢植えに仕上げている

葉が萎びるのを見て大慌てで連日びしょびしょにして返って根を腐らせてしまう

「灌水の過不足は初心者の浅はかさ 仕方がない」と云ってしまえばそれまでだが 従来の誤った意識を変革することで より高次の技術を会得することも重要だと思う

謙遜のつもりかも知れないが 3年5年も多肉を栽培しておいて未だ技術が進歩せず「わたしは初心者だから」を連発しておるブロガーをよく見掛けるが こんな主人を持った植物は ほんとうに気の毒である

犬猫などのペットならば腹が減れば訴えてくることも出来ようが 悲しいかな植物たる者にそれは無理で 欲求を栽培者が敏感に汲み取ってやるしかない

まさか虐待するため栽培しておることもなかろうが 結果的にそうなっておるのではないか

当の本人に悪気はなくとも「無神経」というものはすべからく周りに迷惑なものである

小生の表現がキツ過ぎると云われるなら謝っても良いが 趣旨は理解していただけたと思う

初心者に限らず 自他共に上級栽培者と認める蒐集家にもハウォルチア 小型アロエ ガステリアなどユリ科の植物の栽培を意外に苦手にしている人が多いようだ

生齧り故に これらは半日陰で栽培しなければならぬという先入観が先に発ってしまい 成長期に半陰どころか全くの日陰に放置して軟弱徒長させ 愚かにも早春になってからやっと気付いてあわてふためいて日光にさらし 美しい葉を無残に日焼けさせてしまう

小型温室 フレームに於いては強光に当たると 早春といえども意外と高温になり 徐々に慣らした苗ならともかく いきなりでは悲惨な結果になっても仕方がない

園芸書の解説も良くない

「半日陰」という表現では どうしても誤解を生みやすい と小生などには思える

これでは読者に「ジャングルの下草の環境」を連想されても文句は言えまい

「遮光を適宜に」とか「弱光から少しずつ慣れさせて」というように せめて著者にも少しは文章に工夫を施してもらいたいものである
「サボテン多肉植物は沙漠の植物」という中途半端な常識も啓蒙しなければならない

たしかに 南北アメリカ 南アフリカの沙漠は多肉植物の宝庫
一般に信じられている「サボテンに水は要らぬ」という常識が蔓延しても無理はない

だが沙漠といっても サハラ ゴビなどの雨がほとんど降らぬ流砂の砂漠と違ってあちこちに灌木も生えていて 雨季には青々とした草も敷き詰められ花も咲き乱れる

沙漠といわず「半沙漠」或いは「乾季にかなり乾燥する荒野」とでも表現してはどうか

園芸に全く興味のない賢明なる国民にも少しはピンと来るのではないだろうか 

多肉植物と観葉植物 乾燥に耐える植物とそうでないものとの境界はかなり曖昧である

丸型サボテンはともかく 森林性サボテンや多くの多肉植物は 生長季には相当水を欲しがり 甚だ砂漠的でない性質を示す


現にサンセベリア ミセバヤ マンネン草のように観葉植物として扱われているものもあれば 反対に花物のゼラニウムのように鉢土を乾燥気味にした方が良いものもある

孔雀サボテンや月下美人のように 着生蘭や万年青の栽培法を参考にした方がうまく作れる種類もある

前述のハウォルチア ガステリア 小型アロエなどはこれの範疇に入るのではないか

すなわち 土の過湿を避け空中湿度を高く保って高温期には遮光を適度に施す集団

他にも 若い栽培家には古くさい後れたものとして見向きもされない日本古来よりの園芸手法の中にも 現在普及した多肉植物に充分応用できるものは多い

東洋蘭 万年青 棕櫚観音竹 イワヒバ 苔 シダ植物など枚挙に暇ない

多肉・サボテンというような狭い概念に囚われず先人の歴史ある貴重な「手練手管」を積極果敢に取り入れることをしないと とても栽培の上達など望めはしないであろう 
 

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最も成長の遅いサボテン2018/01/21
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忘却とは忘れ去ることなり 忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ

この台詞を憶えておられる読者は多分結構な御歳でござろうな

前々回「時と場合に依りけり 」の記事で肝腎な「花籠」の性質・栽培法を書き忘れてしまっておった

最近物事を矢鱈忘れるのは毎晩の晩酌の焼酎のせいばかりではなかろう

個人差もあるが一般的に大脳皮質の厚みは80歳では約半分に縮小するそうだ
それはあたかも下手糞な栽培家がサボテンを乾かしすぎて萎縮させてしまうのに似ている

憂世の嫌な事は忘れて良いが しょっちゅう大事な事を忘れるのにはいささか閉口する
小生もそのうち忘れた事すらも忘れるようになるであろうヨ

昔 アズテキウム属・花籠は一属一種と云われておったが1990年に新種ヒントニ-が発見されて全二種となるが その生育遅鈍なことで特異な存在である事に変わりはない

原産地では断崖にコケのようにへばり付いて自生している由
実際コケ栽培のように乾かし過ぎぬのが栽培のコツのようであるが いつも用土を過湿にすると失敗する
盛夏には日焼けしやすいので適宜遮光した方が良い

ヒントニーと共に比較的丈夫な部類に属するが 根が弱いのであまりナメてると枯らしてしまう

前述のごとく平成5年絶滅危惧種保護法に指定されたくらいであるから山掘りの輸入球は稀少で現在国内で流通する若苗はほとんど実生物 
今後大切に育ててゆきたいものである

学名などどうでも良いが一応「君の名は」Aztekium ritteri〈ドイツ人植物学者リッテル博士の という意味〉メキシコ・ヌエボレオン州産  

球体はカッチカチに硬く蛇腹のごとく無数の横襞がある
春~初夏 頭頂部に薄桃色の小さな花が咲く

高地性と云っても 自生地では断崖や岩の斜面にしがみ付いて生えてるので他の高地性のサボテンのストロンボカクタス属 ツルビニカルプス属や難物と云われるスクレロカクタス エキノマスタス ナバジョア トウメア属などと同列に栽培法を語ることは出来ぬであろう

花籠の栽培については多くの研究家が乾燥し過ぎない事と夏季の遮光を推奨しておる
つまりは逆をやって結果しくじった訳だ 先人達も結構失敗を繰り返したのであろう 
要は彼らと同じ轍を踏まぬことである 

日本国内の栽培環境では 空中湿度はともかく 総体的に穏やかな環境を好むのではないだろうか

何にせよ動きの少ない種なのでせっかちな栽培家は持たない方が良い

どうせ碌な扱いをしないだろうから

ここ数年「団塊の世代」が次々と職場で定年を迎えておる

この世代は戦後間もなく生まれて幼少期を廃墟復興の煮えたぎる坩堝〈るつぼ〉の中で送った

敗戦の物資欠乏で物質には恵まれなかったが その苦労が反って生活全般に工夫力を培い戦前教育を受けた

親から授けられた躾(しつけ)と根性で 戦後の経済復興と精神文化をそれなりに担ってきた

思想的には昭和初期~敗戦までの軍国主義の反動からか極端な反戦主義の者が多く その事から敷衍して戦前の全てを古臭く野蛮なものと否定し 世情の流行もあってか労働闘争や左翼運動に心情的に同情する傾向があり ことさら過剰とも云える自由と平等を主張する事に異様なこだわりを示す

職業的知識に優れ技術力は高く我が国の高度成長期の後半から経済大国にのし上がる時期を支えた事は確かであることを認めねばなるまい

問題は ここ数年来の理不尽なリストラの犠牲になり 当然ながら身に付けた技術を次世代に申し送ることをせずして中途退職 転職して行ったり 定年を迎えた者でも世代断絶への絶望も相まってかこのような貴重なる財産をそのまま封印して第一線を退いて行かざるを得なかったことである                                
高度な技術力を相続するべき後継者たる若者の方でも 理由なき反発から聞く耳を持たず 甘やかされたことも手伝って自立の道を自ら閉ざし社会生活上不可欠な生活能力獲得を怠ってきた
100万を超えるとも云われるニートの多くは団塊の世代を親に持つ若者である

これは断じて小生の偏見などではない 現在一般的に人口に膾炙しておるところである

これら団塊ジュニアと呼ばれる世代は総体的に自己判断で物事を処理することが苦手で 融通が利かず マニュアルがないと困惑し状況に応じた適切な行動が出来ない者が多いように思う

自分の子供時代の窮乏生活を味わわせたくないという親心から何でも買い与え 感謝の心を植え付けず親たる者の絶対的義務である社会報恩教育を怠ってきた

辛抱することも知らず すぐカッとなって破壊的な言動を行い反省心もない若者のなんと多いことよ

それと多肉植物栽培が何の関係があるのかと若い衆に怒鳴られそうだが まぁ聞いて給れ 皆の衆

サボテン・多肉植物の植え付けは用土の過湿を避けるため小さめの鉢で行うのが常である

特に乾燥気味の用土を好む種類は植物体に比較して同体積くらいの鉢を用いる場合が多い

初心者にとって「マニュアル本」に相当する園芸書にもそのように奨めておる

たしかに大きい鉢では通気が悪く灌水後用土の乾燥が遅く季節によっては根腐れの危険がある

「根腐れのメカニズム/ウェントの霧箱」で述べた如く大半の植物の根は新鮮な空気を呼吸することを求めておる

ある程度根の乾燥を必要とする多肉植物 なかんずく高地性サボテンはその傾向が顕著である

ただこれは配合用土の性質 鉢の種類 設置場所 季節 日照量に左右され一概には論ぜられぬ

また生長季に吸水性の甚だしい種と四季を通じて根の活動が鈍い成長の遅い種とは区別せねばならぬ

保水の良い用土と通気性のある素焼き・駄温・朱泥鉢の関係は相互に反比例する

すなわち 小さい素焼き鉢には保水性の高い赤玉土 鹿沼土 荒木田土などを多用した用土
堅焼きの朱泥鉢には大粒の軽石 砂利 川砂を主体とした用土という具合に組み合わせる〈朱泥鉢にも焼きの甘い物と 堅焼きの物が出回っておる〉
これにその植物の性質 生長・休眠の時季 個体差などの要素が加味されるべきである

またさらに 地域較差 気候の年較差というものが影響する場合もあるであろう

ただひたすらに園芸書にこう書いてあったからこうしなければならないと云うような頑なで硬直した固定観念的な栽培法は早晩破綻の憂き目に遭うだろう

機に臨んで応変す〈臨機応変〉ケース・バイ・ケース
何ごとも柔軟な思考でゆこうではないか

写真は高地性サボテンの部類に属すると云われておる アズテキウム属リッテリー・ 和名「花籠」

難物とまでは云えぬが 成長が非常に遅く短期に肥大させるような性急な栽培法は合わぬ代表格

嫌になるほど地味で面白味のないサボテンだが小生の渋好みにすこぶる合っておる

昔 輸入球を数株栽培しておったが 転居の際同好の知り合いに進呈したのが悔やまれてならぬ

古くなると数頭に群生する 前記の株もそのようであった
今になるまで所有しておれば さぞ自慢の所蔵品になったであろう 残念~!!

この苗は愛知の業者から購入したもので径2㌢であった
ごく矮生種4㌢前後ですでに成球 単球5~6㌢にはなる
成長が遅いので昔はよく接木されたようだが やはり正木物は風格があっていいものである

現在 山掘りの輸入は厳に戒められておるようだ
原産地では乱獲のため絶滅が危惧されておるので小生などは無念なのだがこれは致し方なかろう

 やはり野に置け 蓮華草 

一般に実生物は日本の気候に慣れてるせいか原産地輸入株に比べ丈夫な物が多いと云われる
この苗をよく眺めてみても輸入球と比べ草姿に遜色はない
そうであるなら丈夫なのに越したことはなかろう

ただ小生の脳裏に浮かぶのは荒涼たるメキシコの高地 抜けるように晴れた空 
ひどく乾燥した斜面の岩陰 吹きすさぶ細かい砂混じりの乾いた風 ひっそりとうずくまる多頭の花籠 ウ~ン ロマンですなぁ

サボテン園芸書ではせいぜい株よりひと回り大きい鉢に植え込むべきことと書かれてある
径3.7㌢であれば通常 適するとされるのは2寸鉢

しかし小生はもうひとつ大きめの鉢に植えた
なぜなら2寸鉢では乾燥が速過ぎ管理が大変難しいのだ
 
寄せ植えも考えたが花籠は現在このひと株しか持たず違う種類では性質が違うのでどちらかが犠牲になる

1本植えにした場合 植物体に比較して鉢の容積が大きすぎると用土が過湿になり兼ねない

だがここでも「さび砂利」が威力を発揮する

鉢をもうひと回り大きくする代り 透水の良い中粒のさび砂利を3割用いた

花籠は全サボテン中 最も成長の遅い種といわれておる

移植時 根をみてもその出方が貧弱でその生長の鈍さが窺える
ゆえにあわてずのんびりと栽培する必要がある

それには さび砂利のようにクラストが出来ず長期に団粒構造が維持出来るような水捌けの良い用土が最適なのである

セオリーに囚われて小さい鉢を採用すると以降適湿管理に苦労し干物にする懸念に苛まれる破目になる

いつでも状況に応じ発想を転換することも大切なのだ

ちなみに配合割合は

         さび砂利 ・・・ 3

         赤玉土  ・・・ 2

         日向土  ・・・ 2

         鹿沼土  ・・・ 1

         籾殻燻炭 ・・・ 1

         腐葉土  ・・・ 1   


上部層に混和するマグアンプK ・・少量を根の尖端から離して添加 

         鉢底ガラ ・・・  省略

         置き肥  ・・・・ ごく薄い窒素・加里の置き肥を生長季中盤以降に少量用土表層の隅に置く

以前述べたように窒素・加里分は鉢内を容易に移動するが燐酸は施肥部分からほとんど移動しない

このような用土を乾燥気味に保ちながら栽培するサボテン類に強い化学肥料などは禁忌である

施す時 相当薄めたつもりでも用土が乾燥してくると濃度が予想以上に濃くなってゆくものだ

大事にしておる高価な株を良かれと思って施した肥料で枯らしてしまっては何をやってるかわからんではないか

特にこの花籠の如く根が貧相で弱く生育速度の鈍い物は簡単に肥え負けしてしまう
長期間に亘ってジワジワ効いてくる緩効性の物をごく少量施せば充分であろう
〈但しアズテキウム属は高山性とは云っても生育期には水切れさせない方が良いらしい〉   

肥料成分を吸収する根のメカニズムはいずれ詳説するつもりである






「余計なあとがき」

勘の良い読者はピンと来ただろうが、この記事は10年前にあるブログに書き込んだもの。
とうぜん今より若かったけど、ワザとに年寄り臭い文章で書いた。

こちとら団塊世代より歳は下で彼らは先輩なのだが、尊敬に値しない連中も多くいて「その個人個人で人はそれぞれ、世代で断じるのはナンセンス」とは云いながらついつい批判が口をついて出る。

もちろんすべてに完全な人はいない。
おいらにしたって至らないところはたくさんある。

が、それにしてもあれだけ大流行した学生運動、ゲバ棒を振り回してデモして暴れ回った左翼学生が忽然と消えた。

全員が赤軍派みたく国外脱出したのか?

そんな筈はあるめぇよ、実態は卒業と共に口を拭って就職したんだろうぜ。

そして大企業・官公庁で定年まで勤め上げ多額の退職金を受け取り、現在最高額の年金をもらってるんだろうな。

しかし、バレずに社会に溶け込み、資本家の走狗となってがむしゃらに働いたことで過去がゆるされるんだろうか?
あるいは自分たちのやった悪行は「もう済んだ事」時効だとでも思っているのか。

その後 自己批判したのか? 彼らの云う「総括」は?

まぁこいつぁ園芸とは関係ねぇことだが、そんな連中が今は楽隠居して豪邸に住み庭をいじり盆栽を栽培してる。
こちとら どうもそれが納得できねぇんだ。

かつてやった事の自己懺悔は要るんじゃね?





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保護責任者遺棄致死2018/01/12
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不穏当なタイトルで申し訳ねぇ。
でも記事の内容からイメージするとこれしきゃ浮かばなかった。

以下の文は昔からおいらが感じてた意見で、かなり辛口のコラムだからここ(「みんなの趣味の園芸」の書き込み)へコピペするのは不適当かとも思ったがせっかくの場だから書くことにした。

こいつぁ10年前にあるブログに書いたやつで、一杯機嫌で揚げたポンコツ文。
気分を害した向きにゃご勘弁を願いやす。


          ※


2008/6/7(土) 午後 2:03 「消耗品と化した園芸植物 」
 

「 納得の行く出来映え 」と小生は序文の最後で記した

そんなものは個人々々の美意識で価値基準を定めること自体 意味がなかろうと反論する向きもあるだろう

日本国内で繁殖育成されている多肉植物は原産地のそれに比較してはるかにみずみずしく美しい

それは当然のことで自生地では植物体は強光風雨に晒され虫に齧られようが樹々・木の葉に覆われようが護ってくれる者は居ない

砂嵐で砂礫が飛んできたり旱魃が長期間続きせっかく張った細根が全滅することも現地では再々あるであろう

昔 輸入された多肉植物の肌を見てみると数々の傷があった

遠い距離を輸送されてくるのでそのとき付いた傷もあるだろうが 明らかに現地で出来たと思われる古くて深いものも散見されたもの

程度にもよろうが それをば野生の風格とみるかマイナス要素とみるか である

良心的な輸入販売業者のカタログには『キズ大あり』『整形前古傷有』という注釈がよく記載されていたものである

営利業者と いわゆるマニアと呼ばれる収集家の美意識が相違することもあるだろう 

骨董品 服飾などと違って多肉植物はあくまで生物 呼吸 新陳代謝し成長もする

ケースに入れてホルマリンでも放り込んどけばそれで大丈夫というものではない

であるからこそ 購入時点より立派に育てるか 見るも無惨な株に成り果てるかは栽培者の理念 手腕 努力の継続にかかっていると云える

そのとき描く将来像によってそれぞれ栽培法の道筋が分かれるだろう

出来る限り強光にあて 通風に留意し灌水を控え目にして小さく堅作りに育てるか 温室で蒸し作りにして植物体を究極まで肥大させ 一般的な見映えを良くするか

云うまでもなく自生地の環境に近いのは前者である

繰り返すがそれは所有者個人の自由であり他人の価値観に左右されるべきではない

インテリアの一部と割り切って部屋に飾り徒長させたり葉枯れ落葉させたとしても非難される筋合いのものではない筈である
 
ただ理屈は別としてこのような植物を見掛けると小生などは胸が痛むのも事実だ

ちゃんと水をやれとか 胴切りして株を更新した方がいいだとか腹中では思っても最近は口にしない事にしている

どうせそういう所有者は栽培法の研究など論外なのであろう

金儲けや他の遊びに忙しく 鉢植えなぞに構ってはいられないに違いない

もの言えば 唇さむし である



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根腐れのメカニズム/ 「ウェントの霧箱」2017/12/25
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「ウェントの霧箱の実験」というのをご存知か

アメリカの植物生理学者ウェントは暗くした箱に数本のトマトの根を横に並べて垂らし片方の端の横壁に穴を開けて定期的に水を噴霧して一定期間栽培した

すると 噴霧孔に近いトマトほど生育が悪く根の伸張度が著しく貧弱であった

この実験から解ることは 植物の根は表面が始終水分の膜で覆われているとその機能に支障を来たす ということである

これは根が酸素を吸収するのを水分の膜が阻害するためで 根は吸水が役目だが同時に酸素も吸収しないと植物体自体の生長に障害を起こすことがわかる

この際 根は最初 水の膜に溶けた酸素を吸収するのだが やがてそれでは追い着かず空気中の酸素を求めるが 水膜がそれをシャットアウトするので酸欠状態を来たしこれが長時間続くと根は死んでしまう

これが いわゆる「根腐れ」である

ご存知のように水に溶ける酸素は水温が高ければ高いほど少なくなる
高温期に培養土を過湿にすると腐死する植物が出てくるのはこの理由による

もちろん植物の種類によってこの度合いが違うのは周知の通り

乾燥した土壌に生えてる多肉植物はこの生理が著しく 特に乾燥の激しい地帯に自生する玉型メセン 小型クラッスラなどの高度多肉質のものは高温季の過湿に弱い

しかし何ごとも例外というものがあるもので ハス ガマ イネなどの水中の土に根を張って生長する いわゆる沼生植物と呼ばれるグループは葉や茎で酸素を吸収しそれを根に輸送して根部の酸欠を防いでいる

昔のサボテン・多肉植物の栽培のベテランは長い経験でこの辺りの按配をカラダで覚えていて 用土も種類に合わせて選び 水遣りの手加減も適宜に調節できていた

初心者は(これは無理もないことだが)その辺の機微が理解できず 用土選びもトンチンカンで 灌水も不適切で 数年のうちに多くの植物をあの世へ送る

サボテン・多肉植物の培養土に水はけの良い粗めのものを使うのは根にすばやく酸素を供給し土中の過湿状態をできるだけ回避するためである



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タマにゃ水苔で植え付けてみたら?2017/12/16

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ご存知だろうが 一部の多肉植物は水苔で栽培できる

それも 一般に想像されておるより多肉植物は意外に良好に育つ

但しこれは砂や土での栽培とは 植え付けにしろ水遣りにしろ 全てが感覚的に違うのである程度コツを飲み込んでから掛からないと失敗する


しかし植物の種類によっては 土による栽培より成績が好く 一度味を占めるとやめられなくなる

だが多分こんなことを書いても 殆んどの多肉愛好家は試そうとはしないに違いない

頭の中でいろいろ想像はしてみても 結局今のままが一番良いという結論に辿り着く


一般に多肉植物愛好家は 小生も含めて こと栽培法や植物に関する考え方が 極めて臆病で 保守・排他的である

法廷の尋問のように厳密な根拠を追及されると困るが 小生なりの対人経験からそう思う

実生活において 世間が眼を剥くような冒険的な行動をする人でも 多肉園芸に関しては あたかも信仰に敬虔な牧師の如く 過去の慣習・教えに忠実に栽培を行う


若い命を賭けバイクで暴走したり 見ず知らずのオッサンと密室で自由恋愛をするような度胸のある者が こと新しい栽培法を試すことに対しては すこぶる恐怖を覚えるようだ

高級ブランドやパチンコ軍資金に躊躇なく何万円も注ぎ込む有閑主婦が 高々数千円の植物の栽培に失敗じることに まるで狼に出会った子羊のように恐れおののく

不思議なことに彼らは このような矛盾撞着には自ら気付こうともしない

まずこれらの方々は 「植物は土に生えてる」という先入観が先に来る

植物たる者すべからくそうあらねばならぬと 観念的に妄信して なんら自らを省みない

もちろん着生植物や浮き草の存在くらいは知っておるが そんなものはごく特殊な植物で自分の趣味には「そんなの関係ねぇ おぱぴ」と思っている

蘭 万年青の表土に敷かれてるのを見ても 乾燥を防ぐだけの目的でそうしているのだと勝手に納得し 水苔自体を培養土の代わりに使用してるなどとは夢にも思わない

ブログで「多肉植物に対する情熱だけは誰にも負けない」と広言して憚らぬ自称愛好家が 初心の頃買った只一冊の解説書の記述を 何の疑問も持たず 十年一日の如く墨守する

何の検証もなく自分の栽培法だけは絶対正しいという信念だけは それこそ誰にも負けない


憎まれ口はさて置き 水苔の講釈に戻ると...

水苔は蘚苔類という分類に属するコケ植物の一種で 他の高等植物と違って茎 葉 根の区別が明確でなく 気孔や根ではなく体表面で直接水分を出し入れしてるので あまり

乾燥した環境は苦手で 一般にジメジメした場所に生えてるのは周知の通りである

淡水魚飼育でお馴染みのアナカリス(大カナダ藻)のように 蔓性の繊維が長く伸びて一尺以上にも達する

今は国産のものは入手し難く 乾燥して売られてるものはニュージーランドやチリからの舶来もので 繊維の長さによりAA~AAAA級というようにグレード分けされている

細胞表面はスポンジ状で水を含み栄養素の移動が容易で 水素イオンと他の微量元素とをイオン交換するので これで植え込むと鉢内はかなりの酸性を示す

水苔が長年月堆積した産物であるピートモスが 腐らずに現在みるような繊維で残ったのは この酸性の為せる所以である

「強い酸性度」などと云うと またぞろ無益な心配をする栽培家が大勢おられるだろうが その必要は全くないことを 念を押しておく

繰り返すが 多肉植物は土壌の酸性の領域には広い許容範囲を示すが アルカリ性方向にほんの少し針が振れただけでも ホウ素欠乏などの生育障害を引き起こす可能性が生じる

まして今の水道水は弱アルカリ性を示す場合が多い

灌水によってさらにアルカリ性を増長する可能性も出てくる

多肉栽培は 他の植物に比べ用土を乾燥させるので なおさらである

まぁ悪いことは云わない 用土は弱酸性のものにした方がよい

酸性が強いといっても 蘭 万年青 食虫植物などの幼苗の根を 直接くるんで育てていて何ら支障がないのだ  なんの恐れることがあるものか   

もういい加減 「酸性恐怖症」を克服した方がよいぞえ  皆の衆



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超・地味ハオルチア2017/10/15
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シブいでしょう・・・。

これが噂のコエルマニオルム haworthia.koelmaniorum
             (写真1・2)


最近のタニッキー(多肉女子)にはあまり人気がないようです。

「肌のブツブツが爬虫類っぽくてキモい 」

「色が暗めで可愛くない 」

まぁたしかに、そう感じるのは解る気がするけどね。

でも本来、多肉趣味の輩は「変わった物」「珍奇な植物」が好きでこの世界に入ったんじゃないんですか。
「キモかわいい」と母性をくすぐるんじゃね?

そりゃぁ多肉の中にゃ少々グロテスクな外観の物もあります。

しかしこの面構えこそがコイツらの生きて来た環境にふさわしい。


想像してください。


            ◇



南アの岩のゴロゴロした荒野

奇妙な形に屹立した磐山の亀裂に生える灌木

乾季の真っただ中なのだろう にぶい光が降り注ぐ薄曇りの空へ葉のない弱々しい枝が力なく伸びる

その根元には イバラのように枯れ枝が絡みつく


眼を凝らしてその中心を透かし視ると 暗緑色の塊りが灰色の土にめり込んだままうずくまっている

その黒いロゼットはザラザラの葉が伸び悩むようにらせん状に開いている


鉛色の空には まるでスリガラスの向こうの電灯のように鈍い光を放つ太陽が浮かんでる

時折り乾いた風が土ぼこりを巻き上げながら 猛々しいサイの群れのように荒々しく駆け抜けてゆく


寂寞たる大地に 身を隠すように伏せ過ぎ去る日々

やがて訪れる雨季をじっと待ちながら



            

            ◇




コエルは肌色も地味で昔から鑑賞という点で人気がない。

その肌上の突起も多くのマニアに敬遠されて来た。

でも錦帯橋(H. venosa × H. koelmaniorum)をはじめいろんな交配種の親株として採用されて来たのはなぜだろう。


そだレポにも書いたウチのスーパーストリエルも(H.リミフォリア=ギガンティア×コエルマニオルム)×H.リミフォリア=ストリアータ
という系譜なのだ。

成長するとこんな風になる。(写真3枚目)

開花が頻繁でほかの種との交配の機会に恵まれやすいってのもあるのか?

こうして机の上に置いて眺めていると格別の魅力に気付かされる。

濃ゆい緑の窓に微かな透明感。

あくまでも控え目な草姿に、ずっしりと秘めた頑固さを漂わせてじっと蹲る姿は、ある種の生命のしたたかさを漂わせている。


この、渋い味わいのH.コエルマニオルム

褐色葉 ロゼット径15cm程度 南アフリカ共和国トランスバール州原産。

日焼けし易く、赤みを帯びた暗褐色を呈する。
そこが良いというマニアはわざと直射日光に晒して育てるようだが、ただでさえ成長の遅いコエル、こじれさせるとなかなか新葉の展開をしなくなる。

私はそういう栽培はしない。

やはり遮光を強くして黒に近いような艶のある暗緑色の肌に細かい棘突起の縦列を楽しみたい。

この色を見るに、親からこの掻き仔をはずして売りに出した元のオーナーも、親株を遮光の強い栽培環境(半日蔭)で育てて来たと推測できる。


盛夏にゃわずかに休眠期に入るようだ。

高温になる日中は通風を十分にして、夜から明け方にかけての涼しい時間帯には、周囲に散水するなり 鉢土にシリンジするなりして空中湿度を高めてやりたい。

これは、とりもなおさず原産地の夜明け前の霧を再現しているにほかならない。

ガステリア類もそうだが、ハオルチア属は土中の水分よりも葉の周囲の湿度が高いのを好む。

さらにその上で微風が吹いてる環境を欲するというから、日本の太平洋沿岸や瀬戸内ベルト地帯でそれを作り出すのは骨が折れる。

そもそもが、蒸し暑い日本の夏は南アの気候とは温度・湿度ともに掛け離れている。

南半球に位置してるのもそうだし、緯度の上からも、雨季乾季がはっきりしてる事も我が国とは異質な気候となる要因。

それと、沙漠・砂漠と云うが、サハラのような流砂の何もない荒野とは違って、少ないながら雑草も生え灌木もあちらこちらにかたまって叢生し、ハオルチアはそういう草むらの陰や岩の隙間に挟まって自生してる。

とうぜん日射量も限られていて、沙漠とは云いながら意外と昼夜の寒暖差が小さいらしい(寒暖差10℃以内)

南北アメリカ大陸原産のサボテンやエケベリア、アガベ類とは根本的に環境が違うという事を頭に置いて栽培しなければならないと思う。


だがそういう難しさをクリアしながら、それでも新緑色の新しい葉が出て来る様子はうれしいもの。


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和風ハオルチア・スプレンデンス2017/10/01
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「ハオルチアって南アフリカ産じゃないの?」

いや、それはそうなんですがね、私の言ってるのは日本原産っていう意味じゃなく、草姿やその柄の事。

今や多肉植物趣味の分野でも大きなジャンルを占めるハオルチア属。

私がサボテン・多肉を本格的に栽培し始めた頃はユリ科という事だったが今はツルボラン科?

何スか? ツルボランって。知らねぇなぁ。


ま、とにかくハオルチア。

たくさん種類がありますが、和柄ということならどれも和柄に見えない事はない。
江戸小紋の柄にありそうじゃないですか。

たとえば無窓系(この言い方も古い)の有名な「十二の巻」

和名のせいかも知れないが、和柄にあのような柄は珍しいにもかかわらずなんとなく「和」を感じるのは私だけですかね?
デザインの部分部分じゃなく全体の雰囲気としてですよ。

近縁種の「松の雪」や「冬の星座」なんかも和を感じますね、あたしゃ。

これら無窓系(硬葉系)はどちらかというとあまり派手さはなく、なんとなく冷たい感じのするのに対し、どこかホンワカとした温かみを感じる有窓系(軟葉系)の寿・玉扇・万象・宝草・竜鱗など、華やかな和風を感じさせる優品が目白押し。

その中でもこのH.スプレンデンス。

(日焼けさせてなきゃ)若緑色の中に入った金スジが金襴緞子の布地を思わせる、そういう華やかな和風がこの葉に込められてる気がする。

ラテン語の学名スプレンデンスは「光り輝く」って意味だそうだ。
葉に入ったストライプ状の金色のライン(条理)はまさにそんな感じ。

それと、サボ・タニ業界で云う「ダルマ」型。
こじんまりと容姿がまとまって端正なドーム状に育つ。

園芸作出品として見た場合、最上の型ですよね。

もちろんそれは徒長させるようなヘタくそな栽培者じゃないのが条件だけどね。


思えば、昔はこういうのはなかった。

いや、どっかにあったのかも知れないが一般にはお目に掛かれなかった。

昭和から平成にかかる頃のいろいろな種類が紹介される中、図鑑にピクタの一種類と書かれてあったり、種名そのままに「デケナヒー・アルゲンテオマクローサ Haworthia dekenahii var. argenteo-maculosa」として載ってたりしてたのを覚えてる。

「マニフィカ・スプレンデンス」と呼ばれるようになったのは比較的最近のこと。
ちなみに、magnifica var. splendens と書くが、magnifica のgは発音しないから「マグニフィカ」と呼ぶのは間違い。
意味は「素晴らしい」とか「見事」という意味のラテン語。

最初こいつを見た時、一瞬ピクタかコンプトの変種かと思ったが、全体の雰囲気というか漂う華やかさが他の有窓系とはどことなく違う。

「ほぉ~、こいつぁいいな」と内心思ったが、そこがおじさんの保守的なところ、馴染みのない種類はすぐに探しまわる気も起らずここ最近まで手に入れなかった。

いや、手に入れたくてもコイツ結構高価なんですよぉ。

ネットオークションを見てても1万円超えなんてのはザラ、池袋の某百貨店屋上へ見に行ったらちょっと見映えのするのになると2~3万もするんだ。

私のような貧乏栽培家に2万・3万は出し切れない。いや持ってりゃ出してもいいが、その後の女房の攻撃に耐え抜く自信がない。

そんなこんなで気にはなっても無意識にスルーしてここ数年、他のサボテン・多肉にかまけていたんだが、ある夜ネットオークションをパトロールしてると、果たしてこのスプレンデンスが目に留まった。

それはまるで反社会勢力構成員の情婦のように、手を出すのが命懸けの「禁断の木の実」に似て、妖しいまでの魅惑を醸し出して私を誘って来た。
(おい、おい、川上宗薫の世界かよ)

しかし、入手を決意したけど どれもこれもとんでもない値段で競り落とされてゆく。

最初は千円スタートで謙虚にリストに並んでいるが、オークション終盤、あと数分となるとドカドカっと入札が投下、あっという間に1万・1万5千を突破してゆく。

「ダミだ、こりゃ」

日々の晩酌の肴の何百円・何十円差の値段に気を遣う哀れな亭主にはとても手が出ない。
多肉ブームが去ってゆくのを気長く待つか、しかしそれじゃこちとらの寿命が尽きてしまう。

戦後の欠食児童のように指をくわえて見てる日が続いた中、ある夜酔っ払った勢いで冷やかし半分で入札してみた。

それは1枚目の写真のH.スプレンデンス。

1,500円から始まって2,000、2500、3,000円と競ってゆく。
ライバルは私が入札すると間髪を入れず100円を上乗せして入札して来る。

「あ~あ、このサイトのマニアに対抗するなんてしょせん無理だったんだ」

そう自分へ言い聞かせてあきらめようとした時、3,300円を過ぎた頃なんだか競りの相手の勢いが落ちた気がした。
あの闘争心むき出しの入札が途切れ途切れになって来た。

「はは~ん、こいつひょっとしてオレとおんなじで予算不足か?」

そう思って思い切って¥4,000を投入(いい歳のオッサンがセコいね)、相手の(ってか私の)自動入札が¥3,700でピタッととまった。

制限時間が刻一刻と迫る。

最後にあがくかと思ったが予定終了時間を20分オーバーしたところで私の勝利。
BITマークが消えずオークション終了。

ってことで、レベルの低いビンボー競りはついに私の側に軍配が挙がった。


2枚目の写真は、おそろしくすんなり落札。
それもなんと¥1,700で入手。

比べて見てもらえば判りますが、1枚目の¥3,700の奴より優美で女性的。

なんでそんなに安く競り落とせたか今だに不思議。

終了予定時間は日曜日の午後9時。

ふつうなら日曜なんてみんな夕食を終えてくつろいでネットオークションを物色してそうな時間帯。

1,000円スタートの品だが写真から見るとヘタすっと2万円くらい行きそうな美株。

また柳の下のどぜうじゃないけど、酔っ払った勢いで入札。

しかし、写真にウソがなけりゃ見れば見るほど優美な完品、こりゃとても落札は不可能とあきらめようとした時、ライバルの対抗入札がとまった。

おや、なんでだ? 出品者の過去の評価には一点の曇りもないし、発送方法も抜き苗や鉢ごとの選択もできる。

日曜の、ある意味入札のゴールデンタイムにエアポケットに入ったように他の入札者も現れない。

「いったい、何が起こったんだ?」

焼酎のコップを片手にいぶかってるうちにオークション終了。まるでキツネに摘ままれた感じ。

ってことで、藤井四段じゃないけど「僥倖」の故あって入手したのが2枚目の写真。

どぉですか?みなさん。たったの¥1,700で買える株に見えましょうや?

オークションは時にこういう奇跡的(ちとオーバーか)な事が起きるんですよ。
だからやめらんねぇや。


いい歳してみみっちい話で汗顔の至りです。

お後がよろしいようで。



(3枚目の写真は、スプレンデンスの自生写真,南アの原産地の一コマ。暗めの場所なのがよくわかる。
しかし、日焼けして萎縮してるようなので、季節によりかなりの強光線を浴びてるようだ。)


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遮光には気を遣うべし2017/09/18
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寒冷紗は かなり値が張る


ゆえに小生 百円ショップにある烏除けのゴミネットで間に合わせておる

一枚当たりの面積は狭いが それがかえって便利なのだ


狭いフレームの中は 強い遮光を必要とする物とそうでない物が並んでいる

強光を嫌う物には 何枚も重ねて使用している  つまり鉢単位で微調整が利く

高価な寒冷紗では 鋏を入れるのに勇気が要る 貧乏人の習性であろう


この秋晴れの時季 大気が澄みきって日差しは相当強烈である

「半日陰」を好む物は勿論 そうでない物でも植え替え直後は遮光が不可欠

いきなり強光に曝しては たとえ日焼けせぬにしても 外見に顕れぬ消耗が生じる場合もある

 
途中で曇ってきた時は 遮光を外してやらないと徒長・間伸びする

半日やそこらでは大差ないが 数日~1週間以上になると影響が出る なにせ九月は生育季の出鼻

秋の深まるのは速い 1日でも疎かにしたくないもの  「秋の日は 釣瓶落とし」と云うではないか

ウカウカしておると 気温の下降とともに すぐに根の活動が低下する


だがそうは云っても 宮仕えの人々は日中留守にするので そんな小まめな管理は無理であろう

遮光をしたまま出勤する以外にない カミさんなどは当てにならぬ


小生 自営で仕事がある以外手が空いておるので 恵まれてるというべきであろう

暇なこの身の境遇に感謝 といったところである



いきなり各論を述べるようだが ユリ科の遮光について


アロエ属の大型に育つ種は概ね遮光は少なくてよいが 中・小型種に強光を嫌う物が多い

千代田錦 綾錦 帝王錦やアルビフローラ ハウォルチオイデスなどは 次記のハウォルチアに準じて

遮光した方が無難であろう

経験で云うと ソマリエンシスは全体的に赤く日焼けしやすい



ハウォルチア属では 有窓系は無窓系のものより遮光を少なめにするべきである

間伸びしたハウォルチアほど見苦しいものはないので 比較的強めの軟光線を用いたい



ガステリア属は 前記のものより日焼けしやすいので やや遮光を増した方が良いであろう

この時季の快晴日と 早春の小型のフレーム・温室は日焼けの危険があるので ゆめ油断は禁物

真夏は誰しも遮光は怠らないが 涼しくなるとせっかちに強光に当てる者が出てくるし たとえ早春でも

意外とフレーム内は高温となる 人体の感じ方とはまるで違うのである 


炎の塔・へレイなどアストロロバ属の物は ガステリアよりもっと日焼けしやすいので注意したい



大雑把に云うと どの属も 南ア・ケープ州産やマダガスカル産の中・小型種は 気を付けたが良い


なお小生は直射光の信者なので 晴れた日はガラス・ビニールは外し ネットのみで陽光に当てている

よく解らぬが 光の波長を変化させない方が 植物にとって良いような気がしてならぬ




                  ◇




写真は 約30年前 池袋・西武の屋上で買ったハウォルチア・「黒ピクタ」


直径は購入時と全く変わらず 何の変哲もない地味なものだが これはこれで それなりに味がある

斑入り・変わり模様など高級品のコレクターは嘲笑うかも知れぬが 小生結構気に入っておる


まぁ なにせ付き合いが長いので 特別な愛着もまた 湧いて来ようというものである





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蒐集欲を煽るだけの栽培書2017/09/03
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多肉植物栽培の初心者の切なる願いは「最善の栽培のノウハウ」披露であろう。

もっとも、そんなものが簡単に判れば苦労はないが、市販の栽培の解説書やオールドファンの口伝は根拠があやふやであったり、先達からの又聞き孫引きの類(たぐい)という場合がままある。

どうせ紹介するなら厳正な「実験栽培」を行った人の声を紹介すべきであろう。
曖昧な推測による「当てずっぽう」ではいかにも情けない。

勿論この世に完璧な栽培法など存在しないといえばそれまでだが、少なくもその時点での科学的に最良と信じるものを発表すべきではないだろうか。

これらの書籍を見ていて感じるのは、初心者に不親切で配慮に欠けると云うことである。

子供時代に朝顔を作ったぐらいの経験しかない「ズブの素人」に、いきなり四季の管理法をみせても戸惑うばかりであろう。

ハンドブック・図鑑も似たようなもので、品種の紹介ばかりで読者の収集欲を煽ることには熱心だが、ほんの基礎から手取り足取りして教えている解説書は少ないと云わざるを得ない。

昨今は各地のホームセンターへでも行けば多肉の苗はいくらでも手に入る。

周知の通り、その中に難物と云われている物も多数紛れ込んでいる。

園芸の初心者がどんどん買い集めても栽培の難しい種を枯らせてしまうのは目に見えている。

それでいいのだ、枯らす経験も大切、安売りされてる普及種は大量生産されているから消耗品として扱うのもやむを得ない、という姿勢では真の愛好家とは云えないと思う。

事は生き物の命に関わる問題、いやしくもナチュラリスト・栽培家を自負するならば、ベテラン・経験者は初心者への啓蒙を怠ってはいけないと思う。

それが不運にも枯れ、死んでゆく植物たちへの鎮魂となるであろう。

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うちのデカい臥牛2017/08/27
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いつ頃からウチのフレームに居るのだろう?

そうね、少なくとも十七年は経ってるな。
ミレニアムの騒ぎの頃だったよ 買って来たの。


ガステリア属 臥牛(がぎゅう); 写真1枚目

戦前からサボテンに交じって栽培されて来た種。
どこか万年青(おもと)や東洋蘭にも通ずる渋い味わいの多肉。

多肉フアンにゃ周知の有名種だけど、サボテン多肉栽培初心者にゃ、めずらしい物かも知れない。

その草姿のシブさから、私のような多肉オールドファンに根強い人気があるけど、ここ最近爆発的に増えたいわゆる「多肉女子(タニッキー)」にキモ~いとか言われそう。

昔から臥牛にゃいろんなタイプが作り出されてるけど、原産地の南アフリカの自生する様子(写真2枚目)を見るに、どうやらウチのデカ臥牛はオーソドックスな原種に近い種だと思われる。

他にも、白点のびっしりついた「スノーホワイト」って銘の入った小型の臥牛もおりますが(写真3枚目)、私などはやっぱ昔のタイプの臥牛に親しみが湧くねぇ。

栽培は、いかめしい面構えの割りにゃまぁまぁ丈夫なので安心して育てられるけど、ポイントは直射日光を当てると日焼けを起し肌色が赤茶けて成長を停止しちゃうから周年遮光は欠かせない。

よく多肉栽培ブログで赤紫色に日焼けして葉まで萎縮した臥牛の写真をUPしてるのを見かけるが、あれは寒さで「紅葉」してるんじゃなく、祖先が原産地じゃ遭遇した事のない強光線や寒気に晒されて生育を止めた姿。
いわば仮死状態になって休眠してるのでござるよ。

仮にそんなところへジャブジャブ灌水(水やり)してごらんなさい、鉢にもよるだろうけど用土はなかなか乾かずいつも過湿状態。
早晩根元から腐って来るのは必然。
いくらガステリア属が丈夫だとは云え、あくまでも乾燥地帯に自生する多肉植物、そんな剛健な観葉植物のような栽培では枯らせてしまうのは当然。

私はもともと若い頃に東洋蘭に凝りまくって、引っ越しを契機に栽培・コレクションに挫折し、「管理に手抜き出来る」という不純な動機からサボテン・多肉へ転向した者。

けしからん男だが、蘭の栽培で培ったノウハウは多肉植物栽培に大いに役立った。

とくに、半日蔭・水はけ・高気湿・通風という栽培環境が似通ってるハオルチア・ガステリア類の管理にどれだけ役立ったか知れない。

               ※

ここで『半日蔭』についてひと言追記しておきます。
半日蔭は日陰とはちがいます。
日陰ですと反射光しか葉に当らないので、苔・蘭・万年青はともかく多肉植物では必ず徒長して弱々しい姿になります。
多肉の場合、半日蔭とは適度に遮光された軟光線の降り注ぐ環境を指します。
寒冷紗・ネット・防虫繊維・和紙・・・最大はスダレで遮光した明るい軟光線、これでないと少なくとも多肉と名の付く植物は十分に光合成を行えません。
ガステリアの場合は盛夏には50%が目安で秋の深まりと共に徐々に減らしてゆきます(パーセンテイジは種類によっても左右されます)
早春の場合はその逆です。

温室・フレーム内では早春に意外とハオ・ガステの日焼け事故が起こります。
それは、寒さを気にするあまり通風をしない状態で遮光の少ない光線を浴びさせた結果です。
ハオルチア・ガステリアの場合、種類にもよりますが、冬場と云えども遮光に気は抜けません。
念のため申し上げました。

                ※

それで、写真1枚目の臥牛。

葉渡り15cmに近い葉の展開、この種にしては大型。

巷間 マニアの間では小型のずんぐりしたいわゆる「ダルマ型」や肌がザラザラしたタイプがもてはやされ、かなり高額な値段で売り買いされているようだが、こういう戦前からの古いタイプの臥牛もなかなか見応えがあっていいものです。我田引水ですかね。

写真3のような白点タイプや班の入った「臥牛錦」もたしかに見映えがしますが、こういうオーソドックスタイプも誰かが繁殖・系統維持しなきゃ種の多様化がなくなってしまう。

このデカ臥牛を眺めながら、そんな気負った気持ちを抱きつつ「多肉な日々」をおくるオヤジでありまする。


くだらない持ち物自慢でした 🙇


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