柔らかい産毛の生えた肉に歯をたてれば、
液体が溢れだし、頬を濡らし腕を滴る。
じゅるりずるりと音をたてながら、ひたすら咀嚼する。
ここは、生暖かい空気のこもった暗い部屋の中。
鬼子母神は、
己の子供を愛しながら人の子を攫って喰って、罰せられた。
割れた傷口のような柘榴の実を食べて、
血の滴る肉への欲求を満たした。
私は?
己を愛せないから、他人を傷つけて、
誰かに罰せられることを夢見ている一匹の鬼だ。
自分を切り裂くことを夢想しながら、
流しの上に突っ立って、桃の果肉をすすっている。
ゴトンと鈍い音がして、
大きな種が一つくすんだ流し台の中に転がった。
あの隣に、私の首も落ちないかしら。
嗚呼、大変美味しゅう御座いました。
鬼だ。鬼だ。鬼が居るよ。
後15分したら、顔に白粉はたいて、
人の皮被って、街へと出掛けるよ。
友人が、故郷から送ってくれた美しい白桃を食べて、
しばらく命を繋ぐ。
嗚呼、今年も暑い夏の日だ。
こんにちは~
返信する自分を愛せない・・・は、幼少期に回りから愛されてない
他人を傷つけるのは、自分が傷つけられてきたから・・・
傷つけられたことがなければ・・・傷つけ方なんて知らない
もの・・・
猫は、いいですか~?結局、自立してると思っていても、ご主人さまの手のひらの中・・・
淑女さんの文章は、私には悲しすぎる…精神的に苦しくって悲しかった、若いころを思い出す
、
男の人に愛されて、愛する人の子供を産んで、全力で、わが子を育てると、人の愛し方、愛され方もわかってきます・・・こんなに鋭く切れ込む文章が書ける淑女さんですから・・・肩の力を抜いて、本当に自分が望んでいるものは何か・・・今ならまだ間に合うのでは・・・人生の折り返しを過ぎてからでは・・・手遅れになるかも・・・ですよ
幸せになってほしいな・・・
20代の頃の私は「あめふらし」に出て来る
返信する千里眼のお姫様のようでした。
「ああ、早く誰か私を騙してここから連れ出してくれないだろうか」といつも思っていました。
今の主人に騙されて18年。
長女はあの頃の私にそっくりになりました。
そして私は主人の嘘に気づいてしまいました。
幸せでないことが不幸であるとは限らないのですよ。
紫咲様
返信する心溢れるお言葉をありがとうございます。
苦しくさせてしまって、ごめんなさい。
社会の中で走り続ける自分と
雑踏の中を上手く歩けない自分の、
バランスを保つために書いているのが、
この「日々」のカテゴリーの文章群なので、
どうも、天秤が振れると、ただならぬ様相になります。
「好物の桃を頂戴して美味しかった」と
書けばいいだけなのにねぇ。
肩の力を抜いて・・・・。
そう、それが上手く出来ればどれほど楽になれるのか、
薄氷を敷き詰めて道を作ろうとしているのですが、
まだ半ばです。
植物の話題など一切出さない、このような頁に
足を止めて下さる方が居られる事を
大変驚き、ありがたく感じております。
自分の手の上にあるはずの幸せを、
しっかり見てみようと思います。
本当にありがとうございました。
桃は、紫咲さんの居られる場所のからの特産品でした。
これも何かの巡り合わせでしょうか。
風葉子様
返信する夏休みからおかえりなさいませ。
かえってこられて、よかった。
そうですね。あまり己の不出来ばかりをみていると
自ら盲いてしまうかもしれませんね。
きっと誰もが、千里眼の王女なのかもしれません。
求婚者だけではなくて、自分も串刺しにして
99人の犠牲を眺めて過ごしながら、100人目を待ちわびている。
でも風葉子さんが、私にとって狐の事もあるから
私は知恵を授けられてあめふらしになれます。
いつも、窓を開けて見て下さるから
私は想像もつかなかった優しい言葉に、ほっとします。
ありがとうございます。
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