薬局に、買い物に行ってお会計をしていたら
奥の調剤室の中を、
柔らかに何かが羽ばたいていくのが見えた。
はた はた はた と羽ばたくのは淡黄色の蝶々だった。
老夫婦が丸い背中をさらに丸めながら、
鈍く光る銀色のシートの薬剤を梱包する傍らで、
幻のように飛ぶ蝶を、私はひたすら目で追っていた。
玄関のドアを開けようと、鞄の中を探っていたら
白い凹凸のある壁に、
葉のような何かがしがみ付いているのに気付いた。
細長い足が心もとないのはショウジョウバッタだった。
土も水も無い無機質な4階に、
間違ってやってきたのを自覚しているのか
息を殺しているバッタに、
何と声をかければいいのか分からなくて
そっと見ぬふりをした。
約3ヶ月ぶりにベランダへの吐き出し窓を開けると、
誰かが絵の具遊びをしている処だった。
青い空を、卵色に塗って、
その下に昨日流した赤い涙を塗ればぼんやりと、
色の境目が滲み合う。
浮きも沈みも、あるがままに受け入れれば、
傍目からすれば、
飄々と朗らかに歩んでいるように見えるだろうか。
私も同じ小さき者である。
誰かの足元で揺れている。
会員登録をすると、園芸日記、そだレポ、アルバム、コミュニティ、マイページなどのサービスを無料でご利用いただくことができます。
立浪草🌊 2024/04/20 | 今朝のベランダ... 2024/04/20 | 晴天のクルーズ船 2024/04/20 |
晴天のクルーズ船 2024/04/20 | 双子ちゃん😊 2024/04/20 | 実モノ盆栽の花... 2024/04/20 |
※コメントの書き込みには会員登録が必要です。