十数年前、花が少なくなる冬、何か楽しみがないものか、いつも考えていました。そうした頃、クレマチスの育種家として知られた小沢一薫さんに話を聞く機会が訪れました(残念ながら小沢さんはその後、2003年に亡くなられました)。当然、小沢さんが育種したクレマチスの話題になり、そして冬に咲くカリシナ‘日枝’の話に及びました。‘日枝’ は小沢さんが作出した花です。
当時、冬に咲くクレマチスは常緑のアンスンエンシスくらいしか知らなかったこともあり、カリシナとはどんな花なのか、育てやすいのか、どこで入手できるのか等々、それこそ根掘り葉掘り聞いたものでした。そのときが常緑の冬咲きクレマチスのカリシナとシルホサを知った瞬間でした。写真を見て、ベル型の可愛らしい花と、どこか奥ゆかしい雰囲気に心惹かれたことを覚えています(クレマチスのコレクションで有名な育種家、及川辰幸氏によると、カリシナはシルホサの変種バレアリカ C. cirrhosa var. balearica の古い学名なのだそうです)。
さて、わが家にやって来たカリシナ‘日枝’のそだレポです。庭の日当たりを選び、ふかふかの植え床をつくって植えたところ、よく茂り、その後、晩秋から春先にかけて可愛らしい花をたくさん咲かせました。病害虫もなく育てやすいクレマチスでしたが、10年ほど経った頃、突然、枯れてしまいました。原因は不明です。挿し木で殖やしておけばよかった、と後悔しましたが、手遅れでした。
クリーム色に濃赤色の模様が入ったベル型の花が北風に揺れる風情……、カリシナ‘日枝’は冬の庭によく似合いました。今でも公園や園芸ショップで見かけると、つい足を止めて花を眺めてしまいます。
追記
2月23日(放送)・27日(再放送)「趣味の園芸」は「早春に咲く小さな花のクレマチス」(講師:金子明人さん)です。テキストとあわせてお楽しみください。
写真左 クレマチス・カリシナ
写真中 クレマチス・シルホサ
写真右 わが家で咲いた小沢一薫さんのクレマチス・カリシナ‘日枝’
(元『趣味の園芸』編集長 原田)
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<2月3日メールマガジンにて配信>
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編集部様
返信するログイン後、どれくらいでログアウトになるのでしょうか。
ログインして、そのままにしてほかのサイトを見ていると、ログアウトになっています。
また、パスワードなどを記憶するサイトもありますが、そういう機能はないのでしょうか。
菊次郎様
返信する通常、ログイン状態は、数時間程度は保たれるようになっておりますが、お使いのブラウザのクッキー(cookie)の設定は有効になっておりますでしょうか。
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いつも楽しく拝読しています。
返信するクレマチス。冬ににあう、楚々とした愛らしい花ですね。原田様宅にやってきた「日枝」のエピソード、大切に大切に植えて、毎年楽しまれていたご様子に、ほっこりしました。 突然枯れてしまって残念でした…。
松子様
返信する冬咲きクレマチスは、花が白く、どこか清楚な感じがして好きです。白い花がクリスマスの情景や冬の情景によく似合うような気がします。‘日枝’ は、とりわけ花弁内側の濃紅色がきれいで、いつも楽しく眺めていました。
再び育てようと株を探していますが、ついつい最初の株と比べてしまいます。不思議なものですね。
(原田)
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