渋谷区ふれあい植物センター 軟式さんの園芸日記
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渋谷区ふれあい植物センター 軟式さん  東京都
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本当は書きたくないけれど

2014/04/23
本当は書きたくないけれど 拡大 写真1 本当は書きたくないけれど 拡大 写真2 本当は書きたくないけれど 拡大 写真3

書かなければ書かないでいいのかもしれないけれど、
書かずには居られないような気持ちもあるのです。

外花壇に植栽していたナツツバキの株立ちが
枯死してしまいました。
4本の幹が出ていた株立ちだったのですが、
春になっても3本の幹から新芽が吹いてきませんでした。
残り1本はかろうじて残っていますが、
いつまで耐えるか分からない状態です。

ナツツバキの株は、
開園当初から植栽されていた樹木でした。
植物センターの外周で、
表通りに一番近い場所に植えてあり、
初夏には真っ白な花をいくつも付けて
渋谷のうんざりするような熱気を、
少し和らげてくれていました。
でも、土がほんの少ししか入れられない
浅い浅い花壇の中で、アスファルトの反射熱を
もろに浴びて、いつも葉先が焼けていました。

「この場所では厳しいな。」
ナツツバキは本来、
照り返しの厳しい暑い場所には向いていない事を、
なかなか伸びられない新梢を見ながら
重々承知していたのですが、
植物センターには、バックヤードがなくて
種まきしたポットを置く場所すらままならないので、
どうすることも出来ないまま、過ごしていました。

それでも毎年、どうにかこうにか吹いていた新芽が
今年はついに芽吹きませんでした。
固い冬芽が動かないまま、
とうとう春を迎えられませんでした。

ごめんなさい。と心の底から思います。
どうしてやることも出来ないと考えていたけれど、
無理やりにでも掘り上げて、
どこかに移植してやれただろうとも
今更ながら思います。
それでも、何もしてやらなかった事だけが事実です。

この次に、私は何が出来るだろうか。
この次があるならば、私は何をするだろうか。

瞼の裏側に咲く、
真っ白いナツツバキの花の下で項垂れながら
失敗を繰り返してはならないと強く思います。

誰でもそんな事を繰り返しながら、学び頷き心に刻んで、
経験を積み重ねていくのでしょうが、
出来ることならば、
咲かせる為の人ではなくて、
ただ一輪を咲かせて、誰かに喜んでもらえる
植物に成りたかったなぁ。

さよなら、ナツツバキ。
経験の浅い情けない植物園スタッフの懺悔です。

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みんなのコメント(11)

こんにちは。

どんな植物でも、枯らせてしまうと悲しいものですね。それは植物に限らず、犬であれ、ネコであれ、・・・人間であれ・・・もっと何かできたのに、と思ってしまうものです。

でも、生きているあいだにどれだけがんばっても、ダメな場合もある。むしろ、何かやって、逆効果の場合もある、ただ、見守るしかない場合もあるのです。

これからも、だれかのために花を咲かせる人になってください。そして、園を訪れる人を、喜ばせてあげてください。

そしてちょっとおふざけの日記を書いて、私たちを喜ばせてください。失敗も、時には必要です。もっと人を成長させてくれます。ホントにダメなのは、失敗しても反省しない人です。

返信する

植物は生き物で動けないから、あなた任せなところがありますね。植物と対話しながら世話してやるんだけど、神ならぬ身では力及ばぬところがあるのも致し方なしでしょうか。
そういう私も真夏日と熱帯夜が続く自宅でコマクサを栽培したり、氷点下6℃の庭で耐寒性バナナを栽培して四苦八苦してるので身につまされる話です。

返信する

うちもかつて実家の玄関アプローチに亡母が植えた、こちらと
同じような環境のシャラノキを同じように枯らしたことがあるので
そういう環境ではプロでも育てるのが難しいのだと今更ながら
わかって、モヤモヤがとれました。書いて下さってありがとうございました。

返信する

くじら様
ありがとうございます。

ただ見守るしかない。失敗して成長する。
その通りですね。
失敗して反省して、繰り返さないように考えて。
成功しかしなかったら、
何も気付けないままかもしれません。
考えて考えて考えて、失敗を忘れないように。
また花を咲かせたいと思います。

いつも共に喜んでくださって、
共に考えてくださって、ありがとうございます。
スタッフ宮内 拝

返信する

あお@岐阜県様
無理かもしれないと分かっているのに、
それでも挑戦してみたくなるのは、
人間の性なんでしょうかね。
でもやってみなくちゃ分からないし、
やって初めて、何かを得るものですね。
糧にしようと思います。

いつもコメントありがとうございます。
スタッフ宮内 拝

返信する

uesugi様
もやもやが晴れましたか。それは良かったです。
この失敗を書くことで、
私は忘れないようにしようとし、
同時に、枯らして悲しい思いをされている方々が
「また頑張ろうね」と
肩を抱き合えるといいなと思いました。
「こんな事を書いて、恥さらしが」と
言われるかなと思っていたのですが、
uesugiさんのコメントに正直ほっとしています。

ナツツバキは美しいけれど本当に難しい樹木です。
都市部や土の少ない場所では
なかなか美しい姿を保てません。
花がすぐに茶色く痛むのも、焼けが原因です。
失敗を次にいかせるといいですね。
コメントをありがとうございました。
スタッフ宮内 拝

返信する

ああ、ここにも春なのにお別れですか〜るんるんが・・・

でも残り1本の枝は養生しないんですか?
見た目がんばれそうな感じですけど・・・
そうでもないのかな。

都心部はヒートアイランドで暑いですものね。
生い茂る木の裏側に配置するとかできたらよかったかもしれないですが、白壁だとさらに暑かったですよね。
バラやクリロも結構暑さ対策が大変です。
茨城は寒さ対策でしたが・・・。

合掌。

返信する

お早うございます。

枯れましたか。
命あるものは枯れることもありますね。
そうでしょうね。あんな狭いところですものね。大きくなれば、地植えといえどもね。宮内さんの責任じゃないよ。

昨日、赤塚植物園のヒスイカズラが満開になりました。
日記にも書いたので見てね。まだ、蕾もぶら下がってるので、またの楽しみです。

返信する

myoi2様
春なのに~涙がこぼれます~♪

myoi2家のバラちゃんも、悲しいですね。
ナツツバキは、最後の幹が残ってはいますが
灼熱地獄の逃げ場無しは変わらないので、
生き残るのは難しいかなと思っています。
今年の夏を様子見です。

暑ければ暑いでしんどくて
寒けりゃ寒いでしんどくて、
思ったようには行きませんなぁ。
それでも、これ以上人間が原因の異常気象が
悪化しないことを祈るばかりですね。
コメントありがとうございました。
スタッフ宮内 拝

花好きかんちゃん様
そうですね。
命あるものにはいつか終わりがありますね。
そして次の命がつながっていくのかもしれません。
ありがとうございます。

ヒスイカズラが咲きましたか。
いいなぁ。
植物センターの株はどうも今年は仕事をする気が
ないようです。
困ったものです。
コメントありがとうございました。
スタッフ宮内 拝

返信する

失敗は大事ですね〜
失敗しないと成功法さえわからないもんね〜
でも落ち込むっすよね、わかってはいてもがく~(落胆した顔)

成功の後にもより花付きをよくしようとか、更なる実験をすることもあるっすね、、
それがいいことなのかどーかは別として、
欲深い自分を時々振り返り、首をひねりたくはなるっす。。
常々思うに、バランスこそが宇宙だと、死もまたそこに内在すると、ああ、美しい。

なんてことを言いながら、壁紙を貼り替え続け、すっかり趣味園ご無沙汰してーの、りす吉を探せクイズ出したらみんなすぐ見つけてくれた〜〜
そしてわたしは、宮内女史とのコメツーショットが嬉しい〜〜ハートたち(複数ハート)\(^o^)/
いつもは電子版だけど、5月号はブツで購入しまひた〜〜るんるん

返信する

りす吉様
ブツ購入えらい!
ラブラブコメツーショットを、宝物にしましょうね。

死が存在しないと、美しいものは美しさを
失うのかもしれません。
永遠の喜びは喜びではないような。
だから、一瞬を追いかけて人間はあくせくするのでしょうか。
それでも、その儚い瞬間に出会えたら幸せなことですね。
ナツツバキと過ごせた時間に感謝しようと思いました。
コメントありがとうございました!
スタッフ宮内 拝

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