花火大会が各地で行われています。漆黒の夜空に打ち上げられ、光り輝く花火を見物していると、夏の風情が満喫できます。
この打ち上げ花火には「玉名」という花火の名前が付いていることをお気づきでしょうか。花火大会のプログラムにある、たとえば「昇小花八重芯変化菊(のぼり/こばな/やえしん/へんかぎく)」といった表現が玉名です。前半は「花火がどう打ち上げられ」、後半は「どう花開くか」を表しています。この玉名の場合、「上昇する途中で小さな花が開き」、発火するときは「二重の芯をもった丸い花火が開いて、やがて色が変化する」花火であることを示しています。
花火を製造・販売する企業で構成された日本煙火協会によると、打ち上げ花火の基本形は「菊」と「牡丹」――夜空で火の花が丸く開き、尾を引いて広がっていくのが「菊」、一方、最初から彩りある火の花がぱっと開くのが「牡丹」なのだそうです。(なぜ、「菊」あるいは「牡丹」と呼ばれるようになったかは不明だそうです。)
我々が見ている打ち上げ花火のルーツは徳川8代将軍・吉宗のときの「両国川開き花火」に遡り、「玉屋(タマヤーッ!)」、「鍵屋(カギヤーッ!)」はその頃、活躍した花火師だそうです。当時は黒色火薬が主だったことから、炭火色(すみびいろ/橙色)の強弱を楽しんでいたのですが、明治期、西欧から新しい火薬が導入され、花火はカラフルになったようです。
最近、打ち上げ花火はさらに多様になり、撫子(ナデシコ)や向日葵(ヒマワリ)などもあるとのこと。真夏の夜空にどんな大輪の花が咲くのか、玉名を見ながらあれこれ想像する花火見物も面白そうです。
日本煙火協会 http://www.hanabi-jpa.jp/
(写真左)打ち上げ花火の三重芯菊。菊タイプは開いた花火の先端が尾を引くように広がっていく(写真提供:日本煙火協会)
(写真右)打ち上げ花火の八重芯牡丹。牡丹タイプは最初から花火がぱっと開いて輝く(写真提供:日本煙火協会)
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<8月11日メールマガジンにて配信>
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菊とボタンですね。
返信する解りました。
有難うございます。
花火は良いですね。
coron 様
返信するコメントをお寄せくださり、ありがとうございます。今回、改めてボタンやキクの花の写真と花火の写真を見比べてみました。たしかに、花火が展開している様子は、それぞれ花の姿を反映していると思いました。
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