夏は暑いことと蚊に刺されるのが嫌という理由から園芸作業をせず、咲いている花を見たり、茂っている枝葉を見てあれこれ剪定を考えたりしてしまいます。そんなとき、子どもの頃、庭のオニユリに集まるアゲハを眺めていたことを思い出します。なぜか、子ども心にアゲハが楽しそうに見えたものです。チョウが苦手な方には申し訳ないのですが、バタフライガーデンも園芸の面白さの一つなのかもしれないと、いつの間にか考えるようになりました。
根拠はありませんが、咲いている花にチョウが絡むように飛んでいる光景を見ると、小さな生命の応答を思います。そう思うと幼虫のアオムシがセリやサンショウにいようが、ユズの葉にのっていようが、どこか愛おしく見え、そのままそっとしておきます。
一方、自然の営みは厳しく、幼虫が成虫のチョウになる割合はわずかです。パンジーにいたツマグロヒョウモンの蛹(さなぎ)は羽化しませんでした。また、ある夏の午後、散歩をしていたときのこと、オオミズアオが羽ばたいた瞬間、鳥に食べられ、美しい水色の翅(はね)だけが散り落ちました。生き物の世界の現実を垣間見た瞬間でした。
さて、今年の夏、チョウを確認するための新たな手掛かりになった書籍は、海野和男著『昆虫―里山に飛翔する生き物たち―』(NHK出版から7月刊行)です。アゲハやタテハ、ヒョウモン、シジミ……、美しいチョウの写真を見ながら昆虫少年の気分に浸っていました。
(写真左)アベリアの花にやって来たアオスジアゲハ。青い翅模様が印象的
(写真中央)バタフライガーデンでおなじみのブッドレア。キアゲハがやって来た (撮影:筒井雅之さん)
(写真右)
『昆虫―里山に飛翔する生き物たち―』
https://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=C5010101&webCode=00816462014
amazon
http://www.amazon.co.jp/dp/4140816465
(元『趣味の園芸』編集長 原田)
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<9月1日メールマガジンにて配信>
【園芸LOVE 原田が行く】は、「みんなの趣味の園芸」スタッフであり『趣味の園芸』テキスト元編集長の原田による園芸エッセイです。メールマガジンとFacebookページにも掲載しています。
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