最初の2カットは、先ほどアップしたヴィスコサとナマクエンシスの種間交雑種です。もちろん、私の交配です。最後はフリズルシズル(Frizzle Sizzle)と呼ぶオランダ生まれの品種です。
アルブカやゲチルスなど、南アフリカ原産の球根植物にはらせん状に伸びる葉をもつ種類が幾つもあります。ユリ科、キジカクシ科、アヤメ科など、異なる分類群によじれる葉っぱをもつものがありますから、それは系統に関係なく、何らかの環境に適応した形態とみられます。
それはどんな環境に適応したものでしょうか。いずれも冬生育型の球根植物に見られます。自生地は南アフリカ西部からナミビアにかけてです。その地方は、乾燥地で、大西洋に近く、冬には風速20mを超える風が吹くことがあるといいます。乾燥地は空気が乾いているために紫外線を含む強い光が地面に届きます。また、標高によっては朝方、うっすらと霜が降りるほどに冷え込み、日中は15℃を超えるほどに気温が上昇します。ほどほどの耐寒性があり、0℃前後の寒さに耐えます。また気温の日較差が大きいということは日中かなり空気が乾き、冬の過湿は苦手です。
そのような自生地の環境から、いろいろ考えてみました。最初は強い風に耐えるとか、くるくるにして空気を停留させて気温の上昇を早める、等々と考えましたが、強い光をモロに浴びないための工夫だろうと今は考えています。強い光を避けるためだけなら、葉を立てるだけで対応できますが、風が強い土地では葉を立てたまま維持するのは不可能です(イネ科のように群生すれば可能)。その点、葉を捻れば、光を真正面に受ける面積が少なくなります。
以上、長くなりましたね
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