渋谷区ふれあい植物センターさんの園芸日記
  • トップ
  • そだレポ
  • 写真
  • 園芸日記
  • 参加コミュニティ
  • お気に入り植物
24

いいね!した人

※ゲストでいいね!した人は表示されません。

タコノキのこと

2017/01/29

平成17年4月にふれあい植物センターが開園した時、
ガーデンにはタラヨウとタコノキがシンボルツリーとして
植えられました。
タラヨウは温室の環境に合わないという理由で平成19年に
渋谷の公園の一角に引っ越ししました。
タコノキはその後も成長を続け、
この日記でも花についてや新芽について紹介してきました。
気根を次々と枝から伸ばし、
名前の通り蛸のように樹形をくねらせながら生長していく様は
生命力に満ち溢れていて、
植物センターのガーデンになくてはならない主役の1本になりました。

困ったことに植物センターの温室は、
大きな搬入口がどこにもなくて
タラヨウからバオバブを移植する時にも
車庫の中にある荷物を外に出してから、
ドアを外して搬入するという大騒ぎになりました。
人間だって生まれた時には片手で抱えられるけれど、
いつの間にか見上げるような巨体になったりします。
植物はそれ以上に生長するし、
しかも人間よりも長生きのものも沢山います。
バオバブの樹齢は数百年、今から50年後植物センターは
どうなっているのでしょうか。
バオバブを植物センターに移植し、これから共に仕事をしていく
パートナーとして見つめた時、スタッフ宮内は勝手ながら
自分が居なくなり、そしてこの命になんの責任も持てないことへの
強烈な不安感に襲われたことを今でも強く覚えています。

タコノキは開園13年を迎えて、ついに側面のガラス窓に
葉が擦れるほど生長しました。
枝を剪定して、新梢更新するための作業を何回か行いましたが、
残念な事に新しい枝が1本も芽生えず、
ただただ今ある枝が伸びていくだけ。
しかもタコノキの葉は鋸歯が非常に鋭く、
さっと触ると怪我をする程です。
2階のテラスから手を伸ばせば触れられるほどのところに
枝が来てしまい、いつお客様が怪我をするか
心配にもなってきました。
樹冠が天井へ突っかかる前に何か対策をしたいと
色々工夫してみましたが、
なんの結果も出せないまま今日まできてしまいました。

せめて広い搬出入口さえあれば、少しだけ剪定して抜根し、
どこかへ移植を試みることが出来るのに、
それすら叶わぬまま伐採することを決めました。
数年前にナツツバキを枯死させてしまった時も
「何もしなかった自分が情けない」と日記に書きましたが、
あの時以上の虚無感が漂っています。

人間は何かを作る時、完成形を考えて作ります。
しかし大切なのは完成した後に、どう使うか、どう活かすか、
どう終わらせるかなのではないでしょうか。
これは完全にスタッフ宮内の私感ですが、
人の手無しには生きられない物を思いのままにしようとするなら、
その物の寿命が尽きるところまでに思いが至らなければ
気軽に命に手を伸ばしてはいけないと思います。

ありがとう、タコノキ。
夜、仕事上がりに温室の外から中を覗くと
君のうねるような樹形がシルエットになって、
さながら海中の異形の世界を垣間見るかのようなのを
しばらくの間眺めるのが大好きでした。
君が初めて付けた花をじっくり見たくて
天井の吊り通路の上から身を乗り出した時の高揚感。
園内ガイドで
「海の生物の足に似ているこの樹の名前はなんでしょう?」と
クイズを出して「あー!蛸に似ているね」と
お客様が気付いてくださった時のなにやらくすぐったい喜び。
ありがとう、沢山の事を気付かせてくれてありがとう。

君が居なくなると寂しくなります。
日差しが暖かい1月の終わり、
ガーデンの中誰にも見られないように涙をのみ込みます。

「タコノキのこと」関連カテゴリ

みんなのコメント(12)

一人の人間の持ち時間を考えさせられますね。「自然」といっても地球上の大部分は人間の手が加えられたものですし。1億年もすれば地球上に人類が生存しているかは疑問ですし、一人の人間にとっては、わずかな時間をこの地球上にお借りしているといった感じでしょうか。
私事ですが、うちの敷地にあった木が大木になってしまい伐採されてしまいました。私個人は残してもと思ったのですが、周りに支障をきたす可能性があるとなると、致し方ないです。敷地が狭いのがいけないのですが、大きくなる木を植えるには広大な敷地が必要ですね。
伐採された後には、こっそり花木を植えておきました。私が生きているうちに花を咲かせてくれると嬉しいのですが。

返信する

こちらの植物園のタコノキは天上まで余裕があります。
まもなく開園20周年を迎えますが、
一度も花を咲かせることも無い熱帯花木が数種、
ひたすらに生長~今のうちに切り詰めたら?なんて冷や汗
私と友人の素人が見上げています。
タビビトノキのような草本は天上に届いてバッサリと美容院美容院
明るくなった空間で「ここには何があったっけ?」
存在が無くなっても気付かず…
町中のビルが消えた空き地にも、以前あった商店も思い出せず…

老化?かしらと、冗談を言い合いますが。
それだけでは無いように…時間が過ぎていく気がします。
上京の度に変わっている町の風景。
せめて都会のオアシス「渋谷ふれあい植物センター」だけは、
変わらぬ姿であり続けて欲しいと願う一人です。

返信する

こんにちは。

大自然の中に自生するものと違って、人の管理が必要なものは悩みますね。
うちの畑にもカイノキがありますが、どんどん成長していってます。秋の紅葉がみごとな木ですが、娘の代になって、この土地を売るとかになったら、これをどーする?なんて思ってしまいます。

木にも命があり、簡単に伐採とはいかない。でも、そうしないといけないときもある。辛いことです。

だれかを傷つけないために、仕方のないことですね。

・・・で、歯はどうなりました?

返信する

こんにちは。

そうですか。
10年経つと温室に入れないのですね。
枝が出ないのですか。葉っぱのあるところで切ってもダメですか。
難しい木ですね。

天井を突き破るのは、困りますからね。
仕方無いですね。
さようならですね。

返信する

こんにちは。

お寂しいでしょうね。

熱帯の木は成長も早いのですね。。。私も残念です。

地球上の熱帯雨林も年々減っているそうですね。
植物園ならではのそんな景観を失くしてしまうのは、
なんだかやるせない気持ちになります。

そう言えば、失恋した時の気持ちに似ている。?
とんでもなく~昔です。

昨年にそちらに行った時の写真です。
https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_image_slideshow&...

返す返すも~残念です。
この写真が好きでした。。。ありがとう~(T_T)

返信する

こんばんは。

去年、伺った時に私もこのタコノキを観ていたのでしょう。
立派な木、できればこのままずっとふれあいセンター様の
シンボルツリーとして子々孫々と残っていって欲しかったですね…。

「人の手無しには生きられない物を思いのままにしようとするなら、
その物の寿命が尽きるところまでに思いが至らなければ
気軽に命に手を伸ばしてはいけないと思います。」
引用させて頂いたこの部分、まったくもってその通り、
だと思います。
命を育て愛でるということは、辛いけれど最期を見届ける、
その「覚悟」を持つことですね。それがなければ、
動物も植物も生き物全て…全て安易に育てたい、飼いたいなどと
努々、思ってはならない、と。

こんなにも早く、別れの春が…。涙

返信する

そうですか、あのタコノキをね。
ついにその時が来てしまったのですね。
残念です・・・。
まだ枯死したのなら、反省と共に諦めもつきますが。
寂しくなりますね。。。

返信する

寂しいですね。

30年ほど前実家が引っ越しの時に、小さい樹木は新しい家に植え替えたけど、大きい樹木はそのままでした。
実家があった場所は一部隣の会社に売り、一部は貸してるんだけど、売ったところの樹木はみんな切られて駐車場に、貸してる部分の松などは残ってるけど、元気がなさそうで、それを見るたび父は悲しそうでした。
父の心残りは今の家の庭の植物じゃなくって、ずーっとあそこの松や杉の木だったみたいです。

返信する

あお@岐阜県様
大きな樹があると喜んでくれる方あり、
苦情をいう方あり・・・・。
共存しているはずなのに難しいですね。

自分に与えられた時間を
自分にとっても自分に関わる他の存在にとっても
有意義に過ごせたらいいなと思います。
あおさんのお宅の花木が咲きますように。
コメントありがとうございました。
スタッフ宮内 拝

hanura様
温室の中の植物は外に出すと温度が足りずに
生き延びられないので、
寒い地方ではなおさら頭を抱える問題だと思います。
そちらでもきっと大変でしょうね。
植物園で最も恐れている事件の一つが
「植物が伸びすぎちゃってガラス窓割られちゃった」です。

せっかく渋谷に生まれた植物園ですから、
出来ることなら長いこと存続してほしいと
私も思います。
年を重ねてから「この木はね私が若い頃に植えたのよ」って
言いたいです。
コメントありがとうございました。
スタッフ宮内 拝

返信する

しまくじら様
歯はね・・・・・・・・・。まだ悩み中!
他にも虫歯が見付かっちゃって、それの治療が先で
ウズウズと悩み続けています。
この日記を読んだ方からアドバイスのお電話まで
ちょうだいしちゃって、情けないやあらありがたいやら。
とりあえず・・・・真面目に歯磨きします。

土地の悩みは自分だけで解決できないから
なかなか重たいですよね。
しまくじらさんの悩みも軽くて済みますように。
コメントありがとうございました。
スタッフ宮内 拝

花好きかんちゃん様
何回か剪定してみたのですが、全く効果がありませんでした。
今回伐採後に、枝を見てみたら、
下から見上げて確認出来ていた以上に徒長していて
やはり時間の問題だったなと思いました。
かんちゃんご夫婦が来て下さった時も
タコノキの下へご案内しましたね。
良い思い出を作らせてもらえました。感謝です。
コメントありがとうございました。
スタッフ宮内 拝

返信する

Sakurasou様
写真があまりにも良い写真だったので、
また涙ぐんでしまいました・・・・。
良い写真を撮ってくださってありがとうございました。

昨年シンガポールを訪れた時、
市街地の一角に残された熱帯雨林へ行きました。
しばらく歩いて、熱帯雨林の樹冠に出てそこから
街を眺めると、森がポツリと取り残された存在である事を
如実に感じて、あまりにも寂しくて
涙が零れました。
(同行した友人たちにはドン引きされました!)
一人ぼっちの寂しさって味わいたくないものですね。
今から失恋の痛みは辛いなァ。味わいたくないです。
もう傷付いたら立ち直れない気がする。
「東京たられば娘」に血を吐きそうなお年頃です。

良い写真を本当にありがとうございました。
スタッフ宮内 拝

ゆうき@Team.T様
命は恐ろしく軽くて重いですね。
心して生きていきましょうね。
生きることはお別れの連続なのだということが
やっと理解できてきた今日この頃です。
ゆうきさんの時間も有意義でありますように。
コメントありがとうございました。
スタッフ宮内 拝

返信する

kiko様
あのタコノキです。
最初に皆さんと見て頂いてから、もう数年経ちましたね。
早いなぁ!
日記に書いて、こんなにコメントをいただけて
共に残念に感じて下さる方が居られて
ちょっとほっとしています。
共有してくださってありがとうございました。
スタッフ宮内 拝

ひかるり様
共に過ごした存在というのは、やはり大きな存在ですよね。
お父上にとっても家族の一員みたいな存在だったのかも
しれませんね。


家族とか書いたらまた悲しくなっちゃう。
よし次の事考えます!
コメントありがとうございました。
スタッフ宮内 拝

返信する
みんなの趣味の園芸にログイン/登録する

※コメントの書き込みには会員登録が必要です。

会員登録がお済みの方は

会員登録をすると、園芸日記、そだレポ、アルバム、コミュニティ、マイページなどのサービスを無料でご利用いただくことができます。

ガーデニングのあとは

スッキリ&らくらく 快適キッチン術

キッチンを快適に使いこなす方法を紹介! 抽選で10名様に本格・軽量の剪定バサミも当たります。

詳しくはこちら
ピックアップ
テキストこぼれ話

趣味の園芸 12月号こぼれ話

奥深いランの世界。
富山昌克さんにランについて聞いてみた!

投稿募集中 from テキスト編集部
見て見て!お気に入りの花

見て見て!お気に入りの花
自慢の植物・庭の写真を募集中!

みんなのマルシェ

みんなのマルシェ
自慢の畑・野菜の写真を募集中!