当園の温室には「ホウガンノキ」・「オオホウカンボク」という木がありますが、漢字を当てると「砲丸の木」・「大宝冠木」となります。ところが、この業界では植物名はカタカナで書くのが原則となっているので、「ホウガン」・「ホウカン」では紛らわしいと感じるときがあります。そのうちの「ホウカン」が咲き始めました。
写真 左: オオホウカンボクの花と蕾
この花が宝冠(ほうかん:宝石で飾った冠のこと)のようだというので、「オオホウカンボク(大宝冠木)」になりました。花の上の方(白丸内)にある固まりが蕾です。信じられないでしょうが、写真に写っている小花(しょうか:いくつもの花が咲いているようにしか見えませんが、植物形態学上ではこれすべてで一つの花なので、本来の意味での「花」と区別するためにこのように称しています。)も咲く前はこの固まり一つの中に全部入っていたのです。
写真中央:オオホウカンボクの新芽
初めて見た人はこれを蕾だと勘違いしてしまうのですが、実はこれは新芽です。しばらくするとこの白い皮の中から写真右に写っているような葉が出てきます。
写真 右: オオホウカンボクの若葉
黄色っぽく見える部分が写真中央に写っているような白い皮から出てきた葉です。信じられないでしょうが、写真中央に写っているような皮一つの中にこの葉全部が入っていたのです。また、しおれているように見えますが、そうではありません。この木の場合は、出たての葉は全部、こういう状態で、ぴんとするまで10日以上かかるのです。
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