公園の整備工事も順調にすすんでいるようです。暖かさと寒さが交互に訪れるこの時期ですが、昨日も今日も公園はにぎわっています。地元のタウン誌マインズの2月16日号に掲載されたものを転載させていただきます。
大池公園はなだより 「てんとうばえ」の楽しみ 花学校 深川 由紀子
昔、姑は庭で水引草(ミズヒキソウ)を見つけると、「今年も、てんとうばえで咲いとうよ!」とうれしそうに言っていました。初めてその言葉を聞いたときは意味がわからなかったのですが、種が風に乗り、鳥や虫に運ばれ、自然に生えた植物を指す九州の言葉だそうです。公園で花壇の手入れをしていると、ノースポール、黄花コスモス、忘れなぐさ等、こぼれ種が芽を出しているのを見つけるのは珍しいことではありません。普通は挿し木や株分けで殖やす宿根草や花木、ハーブなども種から芽を出します。ときには、何故こんな所に?と首を傾げたくなるような所にさまざまな植物が姿を表すのですが、不思議なことに、それらが花壇をより自然で味わい深い風景にしてくれるのです。いつの間にか種を落とし、健気に芽生えてきた植物をみつけると、「ラッキー!これで今年は種まきをしないで済みそうだわ」と掘り上げて移植することもあれば、「悪いけど、ここは困るのよ。ごめんね」と抜いてしまうこともあります。酷暑、厳冬、干ばつ等、きびしい天候をくぐり抜けた翌年は、こぼれ種が例年よりもたくさん芽を出すようです。枯れたり弱ったりした親株のそばに寄り添うように芽生えた小さな緑からは生命をつないでいこうとする強い意志のようなものが伝わってきます。昨年も公園の西側「ふるさとの庭」の一隅には、水引草が秋遅くまで小さな赤い花を付けていました。戦争の足音が近づいていた昭和15年、わずか2才で旅立った男の子がいたことを知る人はもうほとんどいません。仏壇に花とお菓子を供えて、手を合わせていた姑にどんな思い出があったのか聞くことはありませんでした。「てんとうばえ」は、漢字で「天道生え」と書くそうです。一雨毎に暖かさの増していく春、お天道様の気まぐれで出て来た幼芽を前に、心はいつもハムレット。抜くべきか、抜かざるべきか?
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