ことしは、5月5日にはじめて2輪咲いた。
「愛のかんざし」。
もう少し、いい名前はなかったのだろうか。
流通業者が販売しやすいようにつけた名前のようだ。
言うのが気恥ずかしい名前である。
花がいくらかわいいからと言って、
軽々しくなんにでもアイ(愛)をつけると、「愛」がすり減ってしまう。
見た目がエリカに似ているので、別名エリカモドキの名があるが「もどき」はよくない。
カタバミ目クノニア科エリカモドキ属で
オーストラリア東部原産ということになっている。
さて、呼び名はともかく、わたしの苔庭にはなくてはならない存在である。
灌木で、大きくならず、葉は米粒より細かく、
小さな花は薄紫色で下向きに咲き、その姿はたしかに愛らしい。
ネットの「栽培の手引き」によると、「上級者向け植物愛のかんざしは暑さや過湿が苦手で日本のジメジメとした暑い夏を越すのは一苦労。また寒さに強いとはいえ、5度を下回ると根を痛めて枯れてしまう為、日本での栽培は難しい」とある。
しかし、苔庭に植えたまま、何もしないで育って、毎年花も咲く。
夏の高温多湿に弱いとある。確かに夏は元気がなくなる。
冬は枯れたようになるが、ちゃんと生きている。
花が終わって伸びすぎた枝の選定は必要だ。
しかし、それ以外に夏の暑さ、冬の寒さ対策は何もしていない。
水やりは、苔庭の植物同様、乾いたら適当にやっている。
肥料は、他の苔庭の植物同様、全くやらない。
肥料と言えば、庭に遊びに来るスズメやキジバトのフン程度だ。
苔庭の花は、園芸店のように大量に咲かせる必要はない。
苔庭に溶け込んで、自然な形でいくつか咲けば十分である。
良く茂る枝ぶり、細かい葉、秋から冬の黄葉、5月の小さな花。
わたしの苔庭にとって申し分のない植物である。
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