花咲く季節。
「◯◯が咲くと△△をする」とか、
「◯◯が咲くと◎◎を思い出す」ということ、
皆さんにもおありと思います。
日々の暮らしで繰り返され、育まれていくのが「文化」。
その植物版が「園芸文化」
私はそう定義づけています。
(※あくまでも個人的な解釈です)
ここを通るたびに亡き父を思い出し、
「ありがとう」とか「ゴメンね」とつい声を掛けてしまう、
思い入れのある花が、今年も見頃を迎えました。
それは、家から最寄駅までの途中にある、シバザクラです。
花壇一面を濃ピンクの花が覆っています。
家からここまでは、私の足なら5分とかからないのですが、
緩やかな上り坂が続くため、杖をつきながらゆっくりゆっくり歩く父にはしんどく、
このシバザクラ花壇が、父の小休止場所でした。
しかし春になると、ご覧の通り花で覆われるため、腰掛ける場所もないのですが、
「ゴメンね。ちょっと失礼するよ」
と、花をめくりあげ、レンガの縁に腰掛けていました。
ここを通る度、父がちょこんと腰掛けていた姿を思い出します。
「今年も無事咲いてくれてありがとう。ゴメンね」
…今朝も声を掛けてきました。
仕事に向かう朝は「行ってらっしゃい」と元気づけ、
仕事を終えて帰る夜は「おかえりなさい」と迎えてくれるシバザクラ。
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