クンシラン　冬支度

写真1

写真2

屋外栽培していたクンシランを徐々に室内へ移動している。
昨日、室内に入れた株は実がついていたり、新葉の枚数が少なくて来期開花が見込めない株、実生苗。

最低気温が１０度近くまで下がってきている。
来週以降は１０度を切りそう。
軽く寒さに当てると室内栽培で冬も成長させることができる。
自己流の促成栽培である。　

問題は来春、開花予定株の低温処理である。
クンシランは最低気温１０℃以下の環境に３０~４５日間置かないと花芽の休眠を打破できない。

花が咲かないのは秋から冬にかけてしっかり低温にあてずに室内に取り込んだり、一年中室内栽培しているためである。
クンシランは霜や雪に当てなければ０度近くまで耐える植物である。

開花予定株はおんぼろサンルームに移動した。
霜よけ・風よけになるのでぎりぎりまで低温にあてる予定。
まだ雪虫が飛んでいないので初雪が昨年より遅いことを願っている。

花がない時期も交配を考えている。
いろいろな法則があるし、花色を出す組み合わせには制約があるのでパズルを解くようだ。
クンシランの交配について書かれた書籍はなく、ネット上でも情報はごく少ない。
詳しい方に教わったがまだまだ勉強が足りない、なにより経験が足りない素人である。

自分で考えた交配からもうじき種が採れそうだが、
Ｆ２までやらないと結果は出ない交配ばかりだから先は長い。

交配１代目で結果を出すには同じ劣性遺伝を持った親をそろえることが大切。
ピンクや黄色、多弁系は劣性遺伝だから同じ遺伝子を持った者同士で交配しないと基本種に戻ってしまう。
しかし、２世代目で劣性遺伝を表面に出すことを前提にすると、異なるグループを掛け合わせることができる。

たとえばクリスマスローズのＳＳ・ゴールドをダブルにしたいとする。
シングルのゴールドに他の色のダブルをかけると、次の世代はいろいろな色のシングルやセミダブルが出現するがゴールドの特徴は消えてしまう。

ゴールドは劣性だから花色やそのほかの特徴は隠れてしまうのだが、ダブルは不完全な劣性遺伝なのでセミダブルが出ることもある。
(まれにダブルが出る強い遺伝を持つ個体も存在する)

そのセミダブルをセルフするとダブルの出現率が上がり、さらに劣性遺伝のゴールドは４分の１の確率でホモになるので表面に出てくる。

たくさん播けば葉色や茎のつけ根にゴールドの特徴が出た個体が見つかるはずだから選抜して開花させる。
ゴールドのように花以外にも特徴が出る系統は選抜しやすい。
そうではないと咲くまでわからない…生みの苦しみが待っている。

画像に写っている実は
ミレイから出たピンクとクリームの花を親にした交配。
異なるグループのピンクをかけており花首に巻きつけた白ビニールテープにマジックで記号をふってある。

異なるグループをかけて出たオレンジ花をセルフしたり、同じくミレイがかかっている者同士を交配すると劣性遺伝が表面に出る。
これはピンクの増幅とダルマ系を狙った交配です。

既に室内はクンシランだらけ、１１月には追加で移動してきます。
たいへんだ～

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