観覧温室内にて開催中のフクシア展、約200品種250鉢を展示されています(5月5日まで)(写真左)。アカバナ科の1属で、南米起源です。野生種は108種知られていますが、そのほとんどが中南米(ニュージーランドに3種)に成育し、日本には分布していません。花が鮮やかでかたちもよく、そのため園芸用・観賞用植物として世界中でみられるようになりました。夏、カナダのナイアガラの滝へ出かけたことのある方は、近隣の住宅の窓からフクシアの花があふれているのを見かけたことがあるかも知れません。
花は4数性で、4枚の萼片、4枚の花弁、8本(4+4)の雄しべ、1本(子房の中は4室)をもち、赤、紫、ピンク、白を組み合わせた花が特徴です(写真中央)。子房が花の一番下(子房下位)にあり、その上に花筒(萼片と花弁が合着したもの)があります。種によって花筒の長さが違い、5ミリ程度のものから長いものでは5センチを超えるものまであります。もっとも、花の大きさもさまざまです。長さ5ミリ程度のものから、7,8センチに達するものまで。
花は豊富な蜜を出すため、中南米ではハチドリが、ニュージーランドではミツスイ(bellbird)などの小型の鳥のほか、ハナバチやマルハナバチも訪花する例が知られています。赤い色は鳥が識別する一方、ハナバチは赤い色が分かりません。長い筒をもつ赤い花(写真右)では、鳥はその中に嘴を突き入れて蜜を吸います。
植物園内の観賞用の交配種をみると、花全体が赤いものや、花の一部が赤いもの、例えば、萼片、花弁、あるいは雄しべの花糸、あるいは雌しべの花柱、ときには柱頭まで赤いのです。花のどこか一部が赤いものがほとんどですが、中には花全体が白いものもあります。どこにも赤い部分がないという花は、たぶん掟破りです。野生種の中に、花全体が白い種があるかどうか分かりません。
温室内には訪花動物がいませんので、人の手助けがなければ果実は出来ません。温室植物の宿命です。のはずですが、どうみても果実をつけた株もあります。どうしてできたのか、本当に正常な種子ができるのか、わかりません。しかしもし出来たとすれば、小さな赤黒いグミのようなものができます。柔らかい果肉に包まれた小さな種子には厚い皮があり、果肉を求める鳥が種子を運ぶようです。種の中には人が食べておいしい果実もあるとか。
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