世界らん展のレポートの最後は、奇跡のカトレヤです。
世界らん展は今年で30回を迎えました。
その30周年記念の特別展示が、世界初のカトレア交配種C. Dominiana(カトレヤ ドミニアーナ)でした。
現在、約4万種以上とも言われるカトレヤの交配種の起源ともなった花です。
C. Dominiana(写真左の上段)は、イギリスの園芸業者「ヴィーチ商会(注1)」のJohn Dominy(ジョン・ドミニー)(注2)が、ブラジル原産の原種C. intermedia(インターメディア)(写真左の下段左)とエクアドル原産のC.maxima(マキシマ)(写真左の下段右)を交配し、1859年に開花させた花で、世界初のカトレヤの交配種です。
C. Dominianaを見たとき、数年前に見た花を思い出し、
PCの画像データを探してみました。
2013年1月20日 JOGAらん展で見た須和田農園さんの出品花が、その花でした。
C. Dominiana ‘Blie Phoenix’ (写真中央)
トリラベロ(ペタルがリップ化した花)が面白く、リップの色彩が花菖蒲を思わせ、和風の雰囲気も漂った美しい花でした。
須和田さんが交配した新しいカトレヤだと思い、
「良い花ですね」と宗一さんに言うと、「昔の交配ですよ」と言われました。
恥かしながら、その時は、C. Dominianaの事を知らず、聞き流してしまいましたが、世界らん展の展示で「昔の交配」の意味がやっと判りました。
160年前の交配だったとは…。
須和田さんの交配(C.intermedia×C.maxima)は、素晴らしい結果を残していました。
翌年の2014年1月25日 JOGAらん展で 農林水産大臣賞に輝いたのが、C. Dominiana(1859)‘Neo Classic’ (写真右)でした。
トリラベロの希少性はないものの、両親の良いところが引き出され、リップの美しさが際立っていました。
160年前の交配でも、今の良い花を使って交配すれば、現在でも古さを感じさせず、魅力的な花を作り出すことができるのだと感銘を受けた花でした。
(注1):ヴィーチ商会は、スコットランド出身のジョン・ヴィーチが1808年頃に創立したイギリスの園芸業者です。
世界各地にプラントハンターを派遣し、世界中の珍しい植物を集めて栽培し、第一次世界大戦までに、新種の植物や新たに交配した植物1281種(うち、ランは232種)を栽培しています。
(注2)ジョン・ドミニー(John Dominy1816年~1891)は、イギリスの園芸家で、ヴィーチ商会で長く働き、園芸植物の交配を行った事で知られています。
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