母にあげると「わあ、」と言って喜ぶので、図に乗って沢山ばらを作っていたころ。毎日まいにち、くる日もくる日も庭でばらのお世話ばっかりしていました。
ばらが咲くと嬉しいし、元気な葉っぱが出て来るのも大変嬉しい。そんで、いつしか歳月は流れて、私がとうとうバラを嫌いだと気が付くまで十年もかかった。
それでも、植物というものは賢いもので、(あたし、アンタのこと、キライなの)と思っているとそれを察知するのです。本当です。うちにいた沢山のばらさんのなかでも、うんと好き、けっこう好き、あんまし好きじゃない、といろいろな段階があって、うーーーんとキライがっていたのから、ちゃんと枯れた。
本当に、本当に、植物って賢い。
だから、今うちに生き残っているばら、(がんばったのね、アンタ)と褒めてやったほうがいいかな。
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