怪しげなネオンが照らす道玄坂を足早に横切る。
客引きの声を無視しながら、人ごみをかき分けていると、
強いビル風が吹いた。
背中で海鳴りが聞こえる。
嗚呼、今、私は海中に居るんだ。
私の吐息が気泡となって、舞い上がり、砕けて、消えていく。
着物の裾をおさえて笑うのは、波乗りの人だろう。
ビルの上まで舞い上がったケヤキの葉が街灯に照らされて、
キラキラと輝く瞬間を見ながら、
幼い頃に何度も通った、海岸を思い出した。
渋谷の地下に埋められた川から東京湾へ。
東京湾から太平洋へ。
帰郷の旅券が懐の中で、落ち葉と同じ音をたてた。
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