無機質に光る窓ガラスや青白いタイルを橙色の光が染め上げていく。
ああ、私の背中越しに夜が明ける。
白々しい街灯に
向かい側の席に並んだ乗客の顔が重なって、
誰も誰もが、意味がない。
新宿を滑り出して代々木原宿渋谷に恵比寿。
流れるアナウンスにも意味がない。
ねぇ日の光よ、私の頬をその光で染め上げて。
皮下に流れているはずの、紅い血潮を光らせて。
車窓に嵌め込まれた青い硝子の内側で、
逃げ込む影が見つからず、怯える私を晒して。
鉄の翼に乗って、島国へ。
夏に挿した蔓の葉が、まだ青いまま生きていた。
自分の手が為た仕事が、形になっていた事に安堵する。
「もう駄目だ」と何度も思う。
「もうやめよう」とも何度も思う。
それでも、まだやめられないのは、
私以外の命の輝きを、こうして目の当たりにするからだ。
生きるとはなんなのだろう。
命を繋ぐとはどのような事なのだろう。
呼吸して、瞬いて、それだけでは生きていると言えぬ、
このしがらみをどうしてやろう。
明けぬ夜はないと、他人には簡単に言えるけれど
私は私にその言葉をかけられない。
夜明けなんか見たくない。
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