かたつむり。さんの園芸日記

ナゴランの植え方について

2021/05/04
ナゴランの植え方について 拡大 写真1 ナゴランの植え方について 拡大 写真2 ナゴランの植え方について 拡大 写真3

 
 前の日記に登場したナゴランですが、独特な植え方をしているので、その方法について記録しておきます。
 (ところで、【画像1】が元の画像よりも画質が悪いのが気になったので 2021/6/19 に差替えてみましたが、やっぱり変わりません。ここは画像をアップロードすると画質が落とされるのでしょうか? ここの仕様に合わせるために、アップロードする前にわざわざピクセル数を 600×600 以内に収めています。それでも、アップロード後の画像は、ピクセル数は変わらないのに画質が落ちています。)


 【画像1】は模式図。
 猫脚が付いた縦長の鉢に、ドーム形の鉢底網と筒形にした鉢底網とを合体させた物を設置し、鉢の中心部に風が通るようにする。
 鉢の中には日向土(等の粒状の植込材)を詰める。日向土は表層部に藻が発生して緑色に変色し易いので、それが気になる場合は表層部だけバークでマルチングする。(全部バークでも問題ないが、ナゴランはバークのアクにやや弱いようなので、使用前に改めて自分でアク抜きした方が無難。その辺の手間を軽減するために日向土を用いている。)
 日向土はほとんど劣化しないので、ゴミを取り除いて同じものを何年も繰り返し使い続けてOK。(置場所や水質などにもよる。)
 中心の網筒は日向土の層よりも上に突出させ、突出部はミズゴケで覆う。(ミズゴケはコバエがわくので室内栽培ではあまり使いたくないが、この突出部だけならすぐ乾くので、コバエも滅多に発生しない。)

 【画像2】は材料と組合せ方。(現在入手可能な材料に置き換えてある。)
 (1)「立体型鉢底アミ」という商品名で売られているドーム形の鉢底網を用意。鉢底に合うように外周部分を切除。中心部分も風通しを良くするために切除。(裏側の突起も邪魔なら切除。)
 (2) 普通の鉢底網を用意。適当なサイズに切り、針金で縫い合わせて筒状にする。(網筒の中に伸び出してしまった根は植替の時には切るしかない。本当は根の太さよりも目の粗い網が使いたいが、それでは筒状にしにくいので目の細かい網で妥協。)
 【後日追記】
 写真では網の端を2枚重ねにして一針で2枚とも貫通する縫い方をしているが、この材料でこの縫い方は難しい。網を重ねずに、左右交互にらせん状に針金を通して縫う方が楽。
 より簡単に済ませるには、筒全体に針金をらせん状に巻き付けるという方法もある。強度はやや劣るものの、実用上問題ない。

 (3) (1)(2)を針金で合体させる。画像左下は底側から見た写真。
 (4) 画像右半分は設置後の模式図。

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 コツ1:植替のタイミング
 あくまで自分の栽培環境では、の話ですが…。

 ナゴランは冬~春先に多数の新根が一斉に生え始め、梅雨時にかけて鉢の外に勢い良く伸び出します。
 そして、梅雨が明けて急にカラっとした暑さが来ると(日本の夏は人間にとっちゃ十分ムシムシしてますがランにとっちゃあれでもカラカラなんです)、その鉢の外に伸び出した根の成長がみるみる鈍り、ついには成長がほとんど止まってしまいます。(根の先端のみずみずしい緑色をした部分が縮小し、なくなります。)この根の成長停止は一時的なもので、暑さに慣れてくるとすぐに成長を再開します。
 この梅雨明け後の成長停止のタイミング(大抵は7月下旬~8月頃)で植替えてやると、植替によるダメージを最小限にできます。

 一般には、ランの植替は根が成長し始める頃にするのが良しとされます。ところが、根が成長し始めたタイミングで植替えると、成長中の根の先端は傷付き易いので、せっかく始まったばかりの成長が植替によってまた止まってしまいます。
 かと言って、根の成長が止まっている休眠状態で植替えるのがいいのかと言えば、それは危険ですよね。休眠状態では植替による損傷から回復する力がなく、傷口からのバイキンの侵入に抵抗する力もないからです。(球根や種子のように徹底的に休眠に特化した状態でもない限り。)
 だから結局、いつ植替えても、それなりのダメージは避けられないわけです。
 理想的には、根の成長が「今は止まってるけど明日には再開しそう」なタイミングで植替えた方がいいんです。でも、そのタイミングを正確に見極めるのは至難の業ですよね。だから現実的な妥協策として、根が育ち始めた頃合いが推奨されがちなわけです。

 その点、(うちの)ナゴランは、鉢の外に伸び出した新根の成長が、梅雨明け後に一時停止して、暑さに慣れるとすぐ再開するので、理想のタイミングが非常に分かり易いのです。

 私は基本的に毎年植替えています。下記のそだレポでいう「切り株」も取ろうと思えば毎年取れます。


 コツ2:あえて縦長の鉢を使う理由

 着生蘭のぶっとい根は、植替の時にどうしてもポキポキと折れてしまいます。そうした時に、外層が裂けても芯がつながっていれば平気な種類と、外層が裂けただけでそこから先が枯れたり弱ったりしてしまい易い種類とがあります。
 ナゴランは後者の傾向がやや強いのに加え、枝根が出にくいので、植替の際に狭い鉢に根を押し込むと、ダメになってしまう根が多いようなのです。
 そこで、根を極力折らずに済むように、縦長の鉢を使うのです。
 でも、縦長の鉢は、乾きにくいのが難点ですよね。そこで編み出したのが上記の植え方だったのです。
 (素焼鉢なら素材自体に通気性があって側面からも水分が蒸発するのですが、私は室内に置きたいので、衛生的に素焼鉢はあまり使いたくないのです。)

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 多株植えに向けての工夫

 ナゴランの増やし方について実験しています。
 詳しくは以下のそだレポ:
2020年版(まだ試行錯誤中)
https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_r_detail&target_report_id=16886
2021年版(こちらが決定版)
https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_r_detail&target_report_id=20619
 結果、増やし過ぎて始末に困る状況になりつつあります。そこで、上記の「猫脚が付いた縦長の鉢に一株植え」以外の植え方、特に、一鉢に多数の株を植えるのに適した方法も考えているところです。

 【画像3】がその案。
 (1) こちらも「立体型鉢底アミ」を用意。鉢底に合うように外周部分を切除。(裏側の突起も邪魔なら切除。)
 (2) 粗目の鉢底網を用意。適当なサイズに切る。(1)に噛ませるためのトゲを鉢底側に付ける。
 (3) (1)を底に、(2)2枚を側面に設置。(大きな鉢では、植込材の重圧で(2)が鉢の内壁に押し付けられてしまうことが考えられるので、割箸などを間に突っ込んで網がたわまないようにする。)
 (4) 画像右半分が設置後の模式図。

 これも、上の部分はミズゴケを盛ろうと考えています。板かまぼこを斜めにしたような形のスロープを作り、手前に向かって花茎を垂らす恰好にしたいのですが、想像通りに上手くできるかどうか。

「ナゴランの植え方について」関連カテゴリ

みんなのコメント(1)

こんにちは(^o^)
昨日は、ありがとうございましたm(__)m
今日の日記もとても分り易いです~~

先ほど植え替えました。
時期も早いし、植え替え途中で葉がまた一枚落ちてしまいましたが…元気になるのは、もうこの方法しか考えられないので、やるしかなかったデス!

もし元気になって花咲くまでになったら、かたつむり。さんに報告しますネ(*^^*)

返信お気遣いなく、ありがとうございました(^_^)/

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