祖母と蘭

写真1

写真は、最近５００円ほどで購入したバニラの苗です。
購入時、バニラが蘭の仲間であることを初めて知りました。
バニラといえばバニラビーンズのイメージがあったのですが、調べると10メートルほどまで育ってから花をつける、と。花は一日しかもたないそうですね。いつか見られたらいいですが、さすがにそこまで長くなるまで育てられるかわかりません、まず枯らさないよう気をつけたいです。

本題。長くなりました。
今年から小型の着生蘭を育てはじめ、気付けば半年で２０種くらいの洋蘭が部屋にあります。
社会人になりしばらく、やっと蘭を育てられる余裕が出てきた反動かもしれません。
自分の蘭好きは、実家の祖母がきっかけです。

祖母は、蘭含め、草花が大好きなひとです。
昔からシンビジュームを１０鉢以上沢山育てていて、赤白黄色ピンクなど、毎年とりどりに咲かせています。
シンビジュームの蜜が甘いのを教えてくれたのは祖母でした。
本当に花の中では蘭が好きなひとで、シンビジュームをはじめ、家の庭には大株のデンドロビウム・キンギアナムやシランなどが植わっており毎年綺麗に花を咲かせます。
もちろん他の花も好きで、アイリスや極楽鳥花、牡丹、芍薬、薔薇、紫陽花など様々な草花を育てています。
そんな祖母ですが、蘭好きなのに日々が忙しく勉強をする時間はなかったようで、ほぼ天性の勘と経験で初めて見る種類の蘭を上手に育てていたりします。こういうとき、蘭について知識としては祖母より詳しいはずの自分なのに、敵わないなぁと思います。
今年は春にカトレアの株をいくつかとデンドロビウム・イエローキャンディ＆ファイヤーバードを贈ったのですが、沢山花を咲かせ、半年で新しいバルブやシースがどんどん伸びているそうです。さすが祖母。

学生の頃、祖母に連れられて行った東京ドームの世界らん展で、祖母がいつもより目をキラキラさせて喜んでいたのを覚えています。自分も当時、ここは夢の国か！と思いました。血は争えません。
今はコロナ禍で、ここ数年は外出することもかなわず、祖母はもう８０歳近い高齢者です。加えて、祖母自身の選択とはいえ、寝たきりになった祖父を毎日老々介護して、ただでさえ少ない外出の機会が更に限れています。
毎日そんな生活では、まいってしまうだろうと、今年の秋にある洋ラン展に一緒にどうかと誘っていますが、果たしてどうなるやら。
出先で祖母の好きそうな蘭を見つけて贈ったりして、蘭が好きな祖母だから、蘭を育てているうちはなんとか呆けないように、とひっそり願掛けしています。

余談ですが、今夏に祖母に暇つぶしと称して「ときめくラン図鑑」「洋ラン大全」の本を送りました。
これで知識としてはお互いイーブンになったはず。
(多分一生祖母には敵わないのでしょうが)

祖母と蘭の話、おわり。