セントラルパークの端っこの
回転木馬のゲートは閉まっていた。
小雨の降るマンハッタンの真ん中で
私は雲に飲み込まれた摩天楼を眺めながら、
私の中心に突き刺さった心棒のことを考えた。
ぐるぐる回っている。ずっと同じところだ。
時々ちょっと動いたような気がして
自分も変わったかなと思うけど、
よく見てみれば心臓には昆虫を整足板に刺すように鋭くて冷たい針が刺さっているから、
ずっと同じところにいる。
跨った自分の身体に振り落とされないように、
しがみついている。
踏ん張った足が痺れてきているのに気付いているけど、
機械を止めて貰うわけにはいかないし、
自ら降りることは出来ない。
降りるとはもう言い出せないんだ。
自分で乗って、自分で御して、
行き先も決めて
走り出すと思ってたら偽物だった。
私のは生きてるやつじゃなかった。
回転木馬に乗るなんて思ってもなかった。
いつの間に、
公園の向こう側で元気に嘶いて居るあの黒毛のじゃなくて
耳の端が欠けたこの木製で桃色に塗られたのに乗ってしまったんだろうか。
ぐるぐるぐるぐる。
今日もメリーゴーランドが止まらない。
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