京都府立植物園さんの園芸日記

シマサルスベリ(2018.8.2)

2018/08/02
シマサルスベリ(2018.8.2) 拡大 写真1 シマサルスベリ(2018.8.2) 拡大 写真2 シマサルスベリ(2018.8.2) 拡大 写真3

 今日はもう1つ書きます。
 早朝、北山門から植物園に入りそのまま南に歩いてくると、シマサルスベリの木が1本。青空に映えた赤い花のサルスベリは夏の到来を思わせるが、シマサルスベリも夏に咲きます。サルスベリの花よりずーと小ぶりで、花弁も白い。しかしなぜかこの植物が好きである。
 京都府立植物園では、子供たちへの教育プログラムとして「私の好きな木」が開催されています。子供たちが好きな木を1本選び、1年をかけて自分の選んだ木を五感を通して観察し、気づいたことをスケッチや言葉でまとめていくというものです。その狙いは、「時間をかけて子供たちが自分の力で気づくことで、つながりのある知識を導いて、考える力を育てること」とか。私ならシマサルスベリは候補の1本です。
 シマサルスベリは中国原産、その花の最大の特徴は、(4〜)6枚の花弁基部に細長い柄(爪)があり、しかも花弁本体がはげしく波打っている点です。これだけの特徴で、ミソハギ科31属(650種)のなかで、ミソハギ属(55種)が区別されてしまう(ミソハギ属固有の特徴は果実の構造や種子の形態にもあります)。以前書いたエゾミソハギと違い、(サルスベリ属の全種に)蜜腺がない、当然蜜もない、にもかかわらず西洋ミツバチがやってくる。1本の雌しべに対して、雄しべが15-30本もある。雄しべが多過ぎる、って? いいえ、幼虫を花粉で育てるミツバチに対して、必要十分な花粉量と、受粉にも必要な花粉量をつくるために、もともと(4〜)6本の雄しべのそれぞれが3〜5本に枝分かれしているのです。
 ミソハギ科31属のDNAの比較研究によれば、サルスベリ属は東南アジアのドゥアバンガ属(2種)にもっとも近い。そのドゥアバンガ属、花が大きく、シマサルスベリの10倍以上、蜜も出す。枝分かれした雄しべの総数が50本以上にも達し、コウモリがやってくる。花が重すぎるのか、名前はシダレオオサルスベリ。少し長くなりました。

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