4月13日の2つの日記
(1)
https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_mo_diary_detail&target_c_diary_id=557343
(2)
https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_mo_diary_detail&target_c_diary_id=557344
に書いていた実験の続き。
「もう少し暖かくならないと何とも言えない」としつつも、自分なりの予想をしていましたが、大 ハ ズ レ でした。でも、決して「残念な結果」ではありません。
一番「それはない」と思っていた結果に。4月時点での傾向は、暖かくなっても、そのまんまです。画像の各グラフは5月末までの結果です。
画像1のバンダのグラフ、緑の線と赤の線とが完全に一致!!
コラペが窒素源として無効だと仮定すると、昨年末頃から今年5月末まで窒素肥料無しで栽培したことになります。だとすると、これだけ長期にわたって、化学肥料を与えていた時と全く同じように成長するのは、ちょっと考えにくいのではないでしょうか。
なので、コラペが窒素源として「有効」だと判定しても、そろそろいいのではないかと思うのです。
「空振りかホームランかのどっちかで、普通のヒットにはならないだろう」と予想していたのに、見事なまでに普通~のヒット。
まあ、それでも十分に有用な発見には違いないのですが。
植物体の平均的な元素組成(質量比)は窒素1に対して炭素30程度ですが、コラペは窒素1に対して炭素 2.5 程度を持ち込むはずなので、窒素の全需要をコラペで賄うと結果的に炭素の同化量が 8% も増えるのだから、その効果は顕著に表れるはずだと予想していたのです(2019/11/9 炭素/窒素の含有比率の見積もりを修正)。が、それほどでもないようです。
ただ、新しい葉の成長に即座には響いていないように見えているのは、元々が赤字経営の株だからであって、もっと長い目で見ないと本当の効果は分からないのかもしれません。現時点で結論を下すのは早計だとも思います。
レナンセラ(画像2)については、途中棄権です。
根も葉もない茎だけの部分が間伸びした不格好な形になっていたので、「観葉植物」だからなおのこと、いい加減直したいと前から思っていたのです。それで、4月26日に仕立て直しを強行しました。株の下部をバッサリ切り落として、根が10分の1とは言いませんが8分の1くらいに減ってしまったので、成長は鈍っています。
ただ、それも実験のうちで、こういうことをやっても、その後順調に回復に向かうかどうかを見たいわけです。黒い×印が植替え後のデータで、最初は「1」だった成長量が「5」になる時もあるようになり、あれだけ根切られたのにしては順調な回復ぶりと言えます。
その仕立て直しの前(4月25日まで)の記録から描いた赤の線は、バンダと同様、緑の線とほぼ一致しています。
ブルームーン(画像3)は相変わらず絶好調です。
ブルームーンが他とは違う傾向を示す理由として、4月時点では「低温に対する耐性の違い」だと考えていました。でも、暖かくなっても同じ傾向が続いたことで、その説は否定されました。
その結果を受けて、現時点では、もっとシンプルな理由のような気がしています。「去年と今年とでは、今年の方が元気」だから。昨年秋の時点では、全員が病み上がり状態だったのです。そこからの立ち直りが、元々がそこそこ元気だったブルームーンだけ、早かったのではないかということです。(4月の投稿でも書いていた通り、照明下での栽培で日照時間は15時間で一定です。)
ブルームーンがこれだけ調子良く育っているのだから、それと同じ肥料を他の株にやっていても間違いはないでしょうし、他の株もいずれはついて来るものと信じることにします。
1日 2 mm ペースでの成長は、以前使っていて良かったぶんの蘭屋さん推奨の液肥(腐り易いので使用継続を断念)に並ぶもので、目標の水準にようやく到達できました。
コラペを唯一の窒素源にする実験は、7月末頃までは継続する予定です。その後は、実用版の方法として、化学肥料との併用を始めようと考えています。(後日追記:ブルームーンについては8月以降も実験を継続することにしました。)
前の日記の3つめの写真に登場した Phal. pulchra の低芽は、開花までコラペを唯一の窒素源とする栽培を継続しようと考えています。この状態から開花株まで育てることができたら説得力があると思います。(あと、犠牲にしてもいい株ですし。)
先述の通りまだ結論を下すのは早過ぎるとは思いますが、それは細かい解釈についての話です。コラペの窒素源としての有効性という大局については、かなり高い確度で「有効」と言ってもいいと思います。その程度についてはやや不本意ではあるにせよ、化学肥料と同等にでも効果があるのであれば、十分に有用な発見だとは思うのです。
というのも、一般的な配合液肥がすっぽんぽん栽培に不向きな大きな理由の一つが、「窒素が少な過ぎる・効かな過ぎる」という点にあるからです。
かと言って、窒素の単肥を加えれば済むという簡単な問題ではありません。
燐安や硫安は燐酸や硫酸を窒素よりも多く持ち込むので本末転倒です。尿素は土中の微生物による分解が前提なのですっぽんぽん栽培には不向きです。
硝安は窒素だけを増やすのに理想的な素材ですが、扱いを誤るとこんな無慈悲なことになります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BE%8D%E5%B7%9D%E9%A7%85%E5%88%97%E8%BB%8A%E7%88%86%E7%99%BA%E4%BA%8B%E6%95%85
なので、そこいらではまず売っていません。
余計な抱き合わせ(窒素・炭素・酸素・水素以外の元素)なしに窒素を増やしたいのに、その方法がなかったのです。
この問題がコラペの活用で解決できれば、すっぽんぽん栽培に使える肥料の選択肢は大きく広がるはずです。
まだ 100% 有効だとの確信はないのですが、70% くらいまでは来たと思います。これからが本当の成長シーズン、ますます楽しみになってきました。
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私はグラフの内容は把握出来ませんが、
返信するグラフで管理してしてるのですね!
なんかすごいですね^_^
中身読んでないでしょう~?(笑)
普通の管理ではここまではしませんが、これは実験なのですよ。一般的な肥料が効きにくい「すっぽんぽん栽培」の植物に、変わった物を肥料として与えてみて効果を試しているところです。
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