湯島臥牛さんの園芸日記
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湯島臥牛さん  東京都
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2020年01月
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続・ウルルンよりハードかよっ 🌴💦

2020/01/23
続・ウルルンよりハードかよっ 🌴💦 拡大 写真1 続・ウルルンよりハードかよっ 🌴💦 拡大 写真2 続・ウルルンよりハードかよっ 🌴💦 拡大 写真3

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前日記よりの続き




           ◇





朝 船のエンジン音で目が覚めた

部屋の中を見回すと6畳間くらいで一応ツイン 古さが俺好み

壁や床は板張りで ベランダが海に突き出て景色はいい

トイレはユニットバス
部屋の入り口は脱衣場兼用 
コンセントは220ボルト 

シャワーの出は良くない

屋根はわら葺 ひと棟四部屋 

快適とまでは云えないが まあ料金相応だろう


朝食はラウンジで ネグロス島を眺めながらで 絶景といっていい

女性スタッフは4人
ミ○以外現地人で住み込み 3人とも若い 

この村出身でいずれも二十歳前だと言う

若いということは素晴らしい あさ黒い肌がまぶしいなあ


朝めしを喰って一服するとダイビング

一日3本 バンガーボートで近くのポイントを攻める

近くに初回のフィリピンツアーの時潜ったスミロン島がある

まあこの辺りの海中も同じような風景で かなり流れるが その分魚影も濃くサンゴも豊富で不満はない

ミ○によると 季節によってはマンタやジンベエも出るそうで 水はきれいだし マクタン周辺のようにゴミも浮いてなく 水温も高い


陸上は日陰にいる時はシーブリーズがソヨソヨと肌に心地よいが 日向はさすがに暑く35度はイってる感じ



ミ○のダイビング・ガイドはソツがなくほどがいい

おいらのダイビングスタイルはマイペースで 先導されるのを嫌がる 

小物はあまり興味はなく地形を楽しむ方で いちいち魚を見せるために呼ばれるとうんざりする

ミ○もすぐそれを飲み込んだようで 適当に着いて来ている


エギジット地点でボートが待っててくれて 船へ上がるとリゾートまで戻るピストン運行 
午後3時には 三本終わった


リゾートはオレの貸し切り状態
スタッフ全員が俺のためだけに動いてくれている
王様気分ってヤツだ


夕方ラウンジでビールを飲みながら海を見て一服していると ボートマンのサムエルという色の黒い男が横へ来て坐った

「 エイゴ ダイジョブ 」と はにかんで云った

19歳だという

対岸のネグロスの出身で ここでは住み込みで働いてる

ビールとタバコを勧めて 何が好きかと聞いたらカラオケが好きだとさ

「今晩連れてけ」というと 野郎ガッツポーズをして喜んだ

友達もいいかと聞くのでOKと言ったら すぐどこかへ消えた



晩飯まで時間があるので村を散歩することにした

ミ○にそれを告げるとお供を付けるという  

治安はいいが 万一のためだそうだ

お供はエドナというやせたスタッフの女の子

やはりこの子も近くの出身で村人は全員顔見知りみたいだ

とんだデートになったが悪い気はしない

この子はセブ市で声をかけてくる女とは違い素朴で初々しい

当時村にはまだ電話もなくメインストリートにヨロズ屋(サリサリストアという)が4〜5軒あるだけで他の店はなんにもなかった

道路は一応コンクリで舗装してあるのだが 一歩横道に入ると 泥道に水溜りがあちこちにあり ニワトリやブタが飼ってたりしてのどかな風景だ

メインストリートは30mほどで 路肩にはぺディカブ(トライシクル)という幌付きの原付バイクのサイドカーがあちこちに停めてあって客を待ってるのか 目つきの悪い運転手どもが物珍しそうに俺たちをジロジロ見る


店屋の縁台にエドナと並んで腰掛けコーラを飲んだ

なんと そこには懐かしい風景があった

通りの両側のあちこちに縁台が置いてあり おっさんおばさんがくつろいでいる

その周りを子供達が走り回って遊んでいる

ある子はビー玉 ある子は自転車のリムを回している
こっちの女の子達はケンケン遊びに夢中

時々物売りが通り どっかでニワトリが鳴く     

うっとうしい車なんぞは走ってこない

店では おっかさん達が買い物    

家の軒先で洗濯 物干し 掃き掃除

まさしくそれは昭和30年代の日本の裏町の風景 

まるで50年ばかりタイムスリップしたよう

どこも同じなんだなぁ と思った

カマドの木の焼ける匂いもなつかしいおいらの子供時代の夕方の町のシーン

今やもう日本の都会には どこにも残ってないだろうな



エドナがいるせいか 俺たちの周りに徐々に人だかりが出来てきた 

何人かがエドナに話しかけオレについて尋ねてるようだった  
 
みんな目が合うとニッコリする

表情のオッカない割りにゃフレンドリーな人たちだ


酔っ払いのおっさんがエドナに何か言ってからかっている

セブ語で酔っ払いのことをグリングリンというらしい

そういえば日本でも グデングデンに酔うって云うよなぁ



リゾートへ帰って来て ラウンジでメシを食ってると若者の集団が入り口の門の上から俺に手を振って歓声を上げてる 

サムエルが来て あの連中を一緒にカラオケに連れて行けと言う

ざっと15人はいるな

途端にふところが心配になって来た

いかにフィリピンが物価が安いといえ あれだけ連れて行ったら何万円も掛かるんじゃねえか

支払いが足りなけりゃ こいつらの前で大恥をかく

そうなると日本人の名折れだから セイフティボックスから有り金全部を下ろして持ってく事にした 


リゾートには他に客はいないので 結局ミ○たちスタッフ全員を引き連れていくことになった

おいおい 20人越えちゃったヨ トホホ



リゾートの前で待ち合わせてみんなでゾロゾロ歩いて行くことになった

村はずれにあるカラオケは民家のガレージみたようで ガラ−ンとした部屋に なんとレーザーカラオケが置いてある

「 電話を引くのが先だろ おいっ 」とツッコミを入れて苦笑した

でも このアンバランスがこの国の特徴


奥にゃ先客の家族がいて テーブルでマイクを握ってる

テーブルの上には洗面器の中に氷の固まり

見てると それをブッ掻いてグラスに入れてビールを飲んでる
つまみはなし                    

これがフィリピンスタイルだとミ○が解説

俺たちのテーブルにゃ2リットルのビールビンが林立

フィリピンを代表するサンミゲルというビール ラガー味かな

つまみはピーナッツかカボチャの種しかないという

かぼちゃの種が喰えるのか? 
持って来させて食ってみたがマズい ぺっ ぺっ
 

曲は英語の歌かタガログ語(公用語) ただし古い曲ばかりだ

どの子も歌は抜群にうまいヤ   

日本に来りゃ歌手で十分やっていけるぜ


だんだんみんな酔っ払ってきてディスコのように踊り狂いだした

さすがラテンの血が入っているせいかノリが違う 
(スペイン系の顔がけっこういるのヨ)

見ているだけで飽きない

女の子たちにひきずり出されて踊る羽目になった

てやんでぇ これでも若い頃はディスコに通ったんだぞぉ
ちくしょうめっ


やがて12時を過ぎ お開きになった

若者たちは名残惜しそうにいつまでもマイクを離さない


さあ運命のお勘定だヨ

チェックの紙を見ると800ペソと書いてある

800?

2,000円ってか? ウソだろっ おい 

8,000ペソの間違いじゃねえのか

ミ○に聞いたらそんなもんよ と言う

へえ こりゃ驚いた こんな安けりゃ毎晩来ようぜと言ったら みんなでハイタッチしてやがんの



次の日朝から暑い このぶんだと40℃位いきそうだ

坐ってるだけでもジリジリ汗がにじんでくる

朝食を食べながらクッカーのアナフェという女の子に挨拶のつもりで「 It's  so  hot. 」と言ったら 彼女真っ赤になって俺に謝るじゃないか

そうか 英語では暑いも hot 辛いも hot 

彼女はおいらが訂正する前に行ってしまった 

言葉というものは難しい



その夜もみんなでフィーバー 
しかし何だか人数が増えてねえか?


窓からギャラリーが覗いている 

小汚いおじさんだ 
目が合うとペコッと俺に会釈する

入って来いと呼んで ビールを注いでやってたら ミ○が目でダメと云っている

ケチケチすんない どうせ俺のおごりだい

しかしこのオヤジちょっとクサい 風呂はいってんのかヨ 


ミ○が気を利かせて俺の両隣りに女の子を坐らしてくれた

どこかの国のギャルと違ってシャイでカワユイ

ムーディな曲が掛ったので踊ろうと誘うと恥ずかしがって尻込みする

その子はみんなに押し出されて踊り始めると急に素直になった

おしとやかで なお可愛いい
ステップもうめえじゃねえか

日本の飲み屋でも こういう子は少なくなったよなあ

♪チークダンスの夜は更けるってナもんだい ヒヒヒ
(オヤジかよっ)


帰りに勘定を払ったら2,000ペソだと

昨夜の倍も飲んだか? 納得いかねえ ボリやがったな

それでも日本に比べりゃ格安だ ま、いっか


チェックしてみんなで夜空を見上げながらブラブラ歩いて帰った

ミルキーウェイ(天の川)がくっきり見える ほんとにミルク色

東京じゃ逆立ちしたって無理ってもんだな

サザンクロス( 南十字星 )も見える

これには本物とニセモノがあるんだとミ○が言う

さそり座もこんなにデカかったかな?

この空を見られるだけでも こんな海の果てまで来た甲斐があるってもんだ



スタッフに会計をやってるアンジーという子がいた   

そのとき19歳

色は黒人みたいに黒いが目がクリクリ大きくグラマーで なかなかカワイイ

その声も妙な色気があって ひとつひとつの仕草が意味あり気

♪色も黒いが 南洋じゃ美人     

俺がラウンジで暑がってるとシュロの団扇であおいでくれる

ああ 極楽じゃ 皆に内緒で彼女にチップをやった



村を散歩してたら 穴の空いたTシャツを着たジジイが畑の真ん中の掘っ立て小屋の窓の前で何か飲んでる 

何人か労働者風の男たちも一緒に飲ってる 
簡易スタンドバーって云ったところか

黄色いガソリンみたいな色の飲み物だ


手招きするから行ってみたら その黄色いのを飲めと言う

まさか死にゃしねえだろうから思い切って飲んでみた

なんだかモロミに酢を混ぜたような強烈な味だ

吐き出す訳にもいかず目を白黒させて無理して飲んだら周りの奴らがゲラゲラ笑う

これは セブ島で「ドゥバ」と呼ぶ地酒     

ヤシの実を自然発酵させて作るらしい

英名 ココナッツワイン

英語名だとソフトそうだが 飲むとぶっ飛んでしまうような味
1ガロン(4.5リットル)50ペソ 約120円と安いので貧乏人は皆飲んでいる

酔えりゃいいんだろうよ 大衆酒ってところか



リロアン最後の夜となった
前夜に輪をかけて乱痴気騒ぎになった  

その有様はとてもここには書ける代物じゃない もう目茶苦茶 

勘定いくら払ったのかも憶えてない    

まぁ いい思い出かな ハハハ


その明け方 まだ暗いうちに迎えの車がやって来た 

飛行機の搭乗時間に間に合わせるためにこんな早くにリゾートを出発するのだ

安物ツアーだもん しょうがねぇ


スタッフが夜明け前なのにみんな揃って見送ってくれた

地元の女の子たちは涙ぐんでるのもいる


俺はまた来ようと思った



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