湯島臥牛さんの園芸日記
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湯島臥牛さん  東京都
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顔役の男

2020/01/31
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2008年12月30日(火)03:25


『 顔役の男 』




          ◇




セブ島は田舎の海でダイビングもいいが市内で遊ぶのも結構面白い


俺が使ってる旅行社のセブ・ツアーはここ数年 到着日はセブ市で客を一泊させて翌日朝ホテルを出発 各リゾートへ向かうというシステムに変わった

ホテルにチェックインして飯を食っちまえば後は何もすることはない

ホテルから一歩も出ずさっさと寝ちまえば金も要らず 飛行機の疲れも取れる

だけどオイラ修行が足りないのか 部屋でひとりジッとしてられない

ルームサービスやホテルのバーで飲んでても物足りないのヨ   

いけないボクチン


セブ市はマニラほど治安は悪くないが やはり日本人は行かねぇ方がいい場所が何ヶ所かはある

例えば2本架ってるマクタン大橋の下のスラムやセブ港の近くにあるカルボン・マーケットと称する食料品市場の周辺の貧民窟



今は辞めちゃっていないが 以前マ〇オというガイドの男がいた

その頃はセブへ行くたびに いつもヤツが空港へ迎えに来てくれてた
それも毎回違う顔の手下を連れてきてアゴで使っていた

フィリピンでは何をするにも助手が付く

ピックアップに来るにも一人では来ない

まるで合理化という言葉を知らないかのようだ

まあ人件費が極端に安いのもひとつの理由なんだろ


横で見ていると何をするにしても使いっ走りがひとりでもいると非常に便利

よく考えてみるとこのやり方のほうがある意味合理的なのかもしれない


くだんのマ〇オ先生は四人の子持ちの中年男

俺と歳が近いせいか何となく気が合い融通も利いてなかなか頼もしく思えた

それにしてもおいらより何歳か年下のはずだがずいぶん老けて見える

ラテン系のマスクに痩せた長身 

いい男なんだがピカッと光る金歯がイタダケない

それとあのヘアースタイル なにせ七・三の刈り上げ 

いわゆるオッサンヘアーというヤツだ

世界中どこへ出しても立派に東南アジア在住と知れる


この御仁 自称・セブの顔役

暗黒街にコネが利きセブ市長とも友達なんだそうだ ホントかね?

そんな大物がなんでガイドなんかやってんのかねぇ 

ははは


初めて会ったとき センセイ俺にひとくさりアドバイス

「欲しい物があったら自分に云ってくれ 大抵のブツ(?)は用意する」

「ホテルから一人で外出するな 行くなら迎えをよこす」

去年日本のヤングガイが注意したにもかかわらず例のカルボン・マーケットへたったひとりで「葉っぱ」を買いに行ったらしい

で そのまま行方不明 その後懸命に探したが行方は杳として知れぬ

念のため最終日の成田行きの搭乗時間に行ったが 若者は現れなかったそうだ 

 「He was missing.」とたったひと言・・    

それだけかよっ オイ


ある時 夜のセブを案内してもらった

彼は自慢するだけあって迷路のような場末の飲み屋も知っている

いかがわしげなパブの門番たちとも顔見知りらしく着いて歩くといかにも頼もしい

ただヤツには失礼だが 最初はアノ若王子さんのようにギャングにでも売られるんじゃねぇかと不安が頭をよぎった

やたら携帯であちこち電話を掛けるのでこっちはつい疑心暗鬼になる

ま オレっちこうして日本で生きてるので悪い男じゃなかったみたい


あるカラオケパブに入った

そこはナイトクラブ風の広間に高級そうなソファーが並んでいる

天井のシャンデリアも豪華

すけすけのノースリーブのミニのワンピースを着た5〜6人のホステスたちが笑顔を作って迎えてくれた

そういえば昔 ネグリジェサロンてぇのがあったな あれにそっくり

今回5~6万円分のペソっきゃ持って来てねぇから手持ちがチョと心配になってきた 

なに今回はマ〇オがついてるのでイザという時なんとかなるだろうヨ

さすがにセンセイお勧めの店だけあって上玉の女ばかりを揃えてる

ムチムチのべっぴんが横に坐って 何を飲むかと問う

余計な物を頼むと高くつく ビールのみ注文した


全員で乾杯した後カワイ子ちゃんが何か歌う?と聞く

リストを見ると 日本の歌も載っている

『北国の春』を歌ったら女の子たちも一緒に口ずさんでる    

どうやらここは日本人御用達の店らしいナ

マ〇オが耳元でエンターティナー(ホステス)は連れ出しOKという

なんだい 東京のデートクラブとおんなじだヨ

試しにマ〇オの好みの子を聞いて見たら俺の好みと一致した

しかしまあ こういう時は調子に乗るとロクな事がないのでぐっと自重した


フィリピンでカラオケパブ・カラオケバーというと日本のそれとはすこしニュアンスが違う

歌を歌いに行くのではなく 女の子を物色して何がしかの金を払って連れ出すのが本当の目的なのだ

ゆえにカラオケガールというと そういう女性をを指す

ちなみにフィリピンでは 日本で云うホステスのことはエンターティナーと呼び ホステスというとそういうサービスをする女性の事を意味する

コンパニオン・ガールも同じ

これを知らないと大変な誤解を招く    

くれぐれもご用心



ひとしきり歌を歌って店を出る事にした

お勘定の時はいつも緊張する

マ〇オが勘定書きを持ってきてくれた

〆て2,000ペソ(約5千円) ん〜 まあまあかな


でもセブではこれだけでも腕のいい職人の10日分の日当に相当する

日本との貨幣価値の差は歴然

日本の同程度のクラブに比べれば確実に一桁安いんじゃね?


店を出てからマ〇オは値切ってやったと得意そうにぐっと胸を張った

どこのガイドも自分のカオを強調するもんだと苦笑した

おそらく実情は 店側には日本人だから「ボッタくってもいいよ」くらいのことは言ってるんだろうよ まあ いいけどヨ


次は何処に行くのかと聞いたら 飛び切り面白い所に連れてくという

しばらく市内を走って劇場か何かのような場所の前で車は止まった

看板に「アリーナ」と書いてある

中に入ると大きな舞台が正面にあり 客席側は大広間になっていて

丸いテーブルに白いクロス センターに大きなブーケ 

広間の周囲には蝶ネクタイのボーイ達  

まるでマンモスホテルの披露宴会場のようだ

 
舞台で何か始まった

ビキニのダンサーが10人くらいで踊ってる

これをヌードショーというのだそうだ

何のことはない 都内のプールの風景と変わらない

フィリピンでは日本のようなトップレスや まして全裸などは御法度

淫売宿は腐るほどあるのにストリップは厳重に取り締まる

このチグハグさは何なんだ?  

ま そりゃフィリピーノの勝手だけどサ


そのうち踊り子が入れ替わった

それと同時に ライムライトが妖艶な色の回転スポットへと変わった

黒いレオタード姿のダンサーがバラバラと舞台中に散って踊りだす

見てびっくり なんとそれはショートカットのオカマさんたちじゃないの

みなそれぞれシナを作って妙な腰付きをしてそろって踊っている

シラけてる俺をよそに従業員は大ウケ


オカマたちはまぶしいライムライトを浴びていつまでも踊り続けていた







.

みんなのコメント(2)

臥牛さんこんにちは。今日も濃いお話をありがとうございました。安全地帯で読んでいるうちは、興味津々です。
ガイドさんがつくのは、いかにもフィリピンという感じがします。コワイところ、行っちゃいけないところがあるのはどこでも同じですね。行方不明になった方、どこに行ったんでしょうね。

夫が若い頃にあちら方面で遊んでいたときの武勇伝を聞きました。すかさず「病気持ってないでしょうね?」と確かめました。「検査したから大丈夫」と。
東南アジアの女性はとにかくかわいい、尽くしてくれるそうですね。
臥牛さんの写真の女性もみんな人懐こい可愛らしい方ばかり。日本人男性が喜ぶのも無理ないですね。

返信する

さぁどこ行ったんでしょうね。無事だといいですが。

小生は大丈夫です。病気も。そういうのにゃ潔癖ですので。
女性はやはり日本人がいちばんです。
ちょとうるさいのが玉にキズですが。

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