小春さんの園芸日記
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木の学校🏫

2018/02/09
木の学校🏫 拡大 写真1 木の学校🏫 拡大 写真2 木の学校🏫 拡大 写真3

植木屋のことをドイツでは『木の学校 Baumschule』と呼びます。幼木の剪定を教育剪定といい、後々望み通りの樹形に仕立てるための教育をして出荷するのが木の学校です。市内にも複数ありますが、家から40キロほど、ブランデンブルク州の木の学校へ行ってきました 。見渡す限りの平原、閑散とした所です。色とりどりの開花株が並び、コーヒーショップがあり、インテリア雑貨が並ぶ園芸店とは全くの別世界です。

ここで以前、我が家のリンゴの老木を接ぎ木して新生してもらいました。園芸店、HC、通販では毎年のように新種が手に入りますが、この植木屋は地元の古い種類の保存に力を入れています。接ぎ木してもらった時は、前年に美味しい実が生った枝に印を付けておき、鉛筆くらいの太さの枝を二月に持って来るように言われました。条件や後々の樹形に合わせて台木を選び、接いで一夏育ててもらったものを秋に引き取りました。費用は台木込みで2600円、五本継いでもらったうち、一番良い状態に仕上がった一鉢分だけの支払いで済みました。新築祝い、結婚祝いなどに、実家の木を接ぎ木したものを贈ることも多いようです。

統一後、旧東独でも西側から入ってきたヨナゴールド、ゴールデンデリシャスなどが席巻するようになりましたが、昔からある歯ごたえしゃっきりの酸っぱいリンゴこそリンゴ、と思う人も多いようです。ご当地リンゴの復活、秘かなブームです。

昨日出かけた要件はシンボルツリーの接ぎ木です。道路側に観賞用プラムの木が植わっていたのですが、樹齢80年で傷んでしまい、許可を得て伐りました。役所から代わりの木を植えるように催促が来たので、相談に行きました。幹の太さ、高さ、剪定方法など細々指示されていますふらふら

以前に植わっていたものはピンクの花に赤黒い葉のプラムで、真っ赤な実が生りました。年が経つうちに台木の白花プラムが大きくなり、紅白の源平咲き、葉っぱも赤と緑の源平で、通りのシンボルになっていました。開花時には道行く人がため息をつくくらい美しかったので、同じものを造ってもらうことにしました。観賞用なので実は小さいですが、青いうちに梅酒もどき、梅漬けもどき、梅酢もどき、酸っぱいジャム、ジュース、完熟してからは甘いジャム、ケーキ、生食にと重宝します。

事務所の女の子がニコニコ応対してくれましたが、その博識に舌を巻きました。HC で何か訊くとスマフォを見て調べてくれますが、お嬢さんどんな質問にも即答!指でOK 主人は実家にあるボスコップというリンゴを接ぎ木したいのですが『ボスコップは横へ張るほど実が生るので、場所が要りますよ。大きくならない台木に接いだものも流通していますが、実は大きいけれどスカスカして、ボスコップらしい歯ごたえや味ではないです。』『このプラムにこちらを接ぐと、台木の生長が速過ぎて幹ばかり太く不格好になります』『天の川という桜を門柱のそばに植えていますが、根が横へ張り過ぎないですか』『天の川はハート根なので、余程固い地盤でない限り狭いところでも大丈夫です』お商売とは関係のない質問にもニコニコしながら全部答えてくれました。

写真は昔からある我が家のオウバイ、上から下へ枝垂れています。ほとんど日の当たらない北側なので花は少ないですが、11月から3月まで咲いて、モミの巨木の足元を隠してくれます。

「木の学校🏫」関連カテゴリ

みんなのコメント(11)
  • 写真
  • 2018/02/09

役所が口出しするってうるさくて嫌だな~って思うけど、使えるものを大事に使うっていいことだよね。
ドイツの消費事情はどうなってるの?
日本はある時期「消費は美徳だ!!」なんて言われて、今も消費がもてはやされてるけど、確かに消費しないと物は売れないし、でも使えるものを捨てて新しいものって、なんだか踊らされてる気もするし。

このオウバイの枝の暴れっぷりは実家のレンギョウに似てる。もう黄色い花が咲いて、春が来たのかな?

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ひかるりさん
こんばんは

木の保護はとてもうるさくて、勝手に伐ることはできません。果樹以外は許可が要ります。観賞プラムも食用になるとはいえ落葉樹扱いなので、許可を得ました。同じものを植える条件付きですが、HC で小さな鉢を買ってきて…とならないように、大きさの指定までしてきましたふらふら 同じものと言われても、昭和の初めに流行った木ですから、探すより造ってもらった方が早いです。

消費型・非消費型両極端です。若い子たちはお洒落はしたいけれど、お金はあまりありません。H&M などの安い店はバングラデッシュなど第三諸国の子供が働いているような工場で作らせており、大問題になっています。非消費型の中には地産地消に徹し、地元の契約農家から箱で取り寄せます。トマトは夏だけ、果物はサクランボ・イチゴ・リンゴ・梨。

車や電化製品も、家みたいに二十年同じものを使うか、年がら年中買い替えるか、極端です。そうそう、この間、白黒テレビ捨てに行きました指でOK 断捨離成功手(チョキ)

春は少し遠のいて、夜はマイナス二桁です。オウバイは11,12月からポチポチ咲き始め、ガチガチに凍っていない限り咲き進みます。レンギョウはまだまだ先です。

木の学校ですか
おもしろいですね
でも、読んでいて何となく納得しました
接ぎ木をして一夏預かってくれてその金額って驚きです
実家の接ぎ木のプレゼントなんて嬉しいですね
一般的に根付いた文化なのでしょうか
古き佳き物を大切にする、とても素敵なことだなぁと思いました
お役所の方も、庭木にそんなに注文があるのですね
景観を保存するためでしょうか
守る側の方は大変かもしれませんが、ヨーロッパのような町ぐるみでの景観は日本にはほとんどないのでとても貴重なことですね

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相模のすずめさん
こんばんは

犬をしつけさせる犬の学校(市内に13!)もあります 

接ぎ木のお値段は拍子抜けします。出来上がったリンゴの苗木のうち、二鉢を持たせてくれ(一鉢は予備)、費用は一鉢分だけでした。

ご当地リンゴ復活運動は、旧東ドイツを中心に徐々に広まっています。物がほとんど無かった東ドイツの人にとって、つやつやに磨かれて一年中スーパーに並ぶリンゴは、消費文化の象徴のようなものです。消費文化に対する旧東ドイツ国民の意地というか、ささやかな対抗ではないかと思います。何百とある地元のリンゴ、食べてみると、形は悪いけれどそれぞれ特徴があって、本当に美味しいのです。種類によって保管期間が違いますから、当面の分と春までの分、二、三種類のリンゴを植えることが多いです。

景観保護はとても厳しく、建て増しや伐採も逐一許可が要ります。通りによっては、一つの景観としてまとめて保護されているので、おいそれと改築したり、窓を新しくしたりすることもできません。そういう地区では屋根の色や形、レンガの色も指定されています。

伐る前に役人が来て大きさを測り、樹形を記録し、サルノコシカケが巣食って状態が悪いのを確認しました。同じものをと言われても、昭和の初めに流行った木ですから、役人も私たちも生まれていません冷や汗

お早うございます。
「木の学校」ですか。まさに学校ですね。
へ~樹を処分するのにそんなに難しいのですね。
上手く生まれ変わってほしいものですね。

返信する

かんちゃん
お早うございます。

犬の学校というのもあって、しつけの行き届かない犬は入学されてしまいます。見事にしつけられて戻るそうですよ。

果樹以外の落葉樹は直径何センチだったかを過ぎると伐採に許可が要ります。相応の理由がないと伐らせてもらえません。隣家の栃の巨木が午後2時ごろから影を作り、大枝が落ちてきそうになったリ、棘に包まれた大量の実が飛んで来たりで、正直迷惑なのですが、絶対に伐らせてもらえません。お隣も庭が完全に影になってしまうので、嘆いておられます。近所中で雷が落ちるのを待つばかりです雷うれしい顔

小春さん こんにちわ~
↑かんちゃんとこのコメ見て笑いました~
雷が落ちることを願ってる~って~
当事者は笑い話ではないですよね~
何でも森林を伐採して 今洪水が起きてる日本も
困りもんですが 切らせないのもね~
どんな理由で切らせないんですか~
持ち主もお隣さんも困ってるなら 切る理由だと思うのにね

木の学校は いいな~と思いましたが~わーい(嬉しい顔)

返信する

ボタンちゃん
こんばんは

数年おきに、家の敷地に張り出している枝だけ切ってもらっています。下にガーデンハウスがあるので、落ちてきたら潰れます。

CO2対策のみならず、鳥やリスが棲みついているので、保護されています。伐採だけでなく、剪定時期まで指示されます。トチに限らず、鳥が営巣する木は抱卵時期が過ぎてからでないと剪定できません。

加えて区内で一番大きいとかで天然記念物指定。天然記念物なんて、市町村単位でお名指ししないでよッ!家も並びの近所も、以前は庭の隅に小川が流れていたそうです。小川跡に沿ってケヤキ・ニワトコの仲間・ブナ・トチの巨木が並んでいます雷雷雷雷手(チョキ)

返信する

いいですね!いや、それはそれで大変ですね。冷や汗
小春さんの日記で、ドイツは動物に優しい国と思っていましたが、あらゆる命を大切にするお国の様ですね。

返信する

雪媛さん

過去があるからかも知れません。木は大切にされています。市の総面積の三分の一が森と湖ですが、よく手入れされています。

そうそう、ベルリンが本拠地のEcosia という検索エンジンがあります。このサイトで検索すると、広告収入の80パーセントがWWF などに寄付される仕組みになっています。『ラペイロージア オレオゲナ』をEcosia で検索するだけで自動的に寄付でき、中南米、アフリカ、東南アジアなど各地で1,7秒に一本の木が植えられます。モロッコやタンザニアで木の学校を立ち上げて、苗木を育てるところから始めるなど、寄付がどのように使われているのか、HP で見ることができるので安心です(ってお金を出しているわけではないけれど)。

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