日陰で育てられるおすすめの植物 34種類!
半日陰や日陰でも育つ、おすすめの植物を紹介します。日陰に強い草花や樹木はたくさんあるので、庭やベランダの日当たりが悪くてもガーデニングをあきらめる必要はありません! 栽培する環境の日照条件に合った植物を選び、うまく組み合わせれば、日陰だからこそできる美しい庭が実現します。
日陰の4タイプ
ここでは6月から9月の日照条件をもとに、日陰を4つのタイプに分けています。以下で紹介する植物には、4つのタイプから、栽培にふさわしい環境を示しています。
暗い日陰[暗] …直射日光がささず、間接光もほとんど期待できない暗い場所
明るい日陰[やや暗] …直射日光はあたらないが、木もれ日や間接光がさす日陰
午前に日がさす半日陰[半AM] …午前10時ごろまで直射日光が数時間さす場所
午後に日がさす半日陰[半PM] …午前10時ごろから夕方の直射日光が数時間さす場所
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暗い日陰でも育つ植物 10種
ほぼ一日中光がさし込まない日陰でも育つ植物です。(*◎は最もふさわしい環境)
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ふさわしい環境:暗◎/やや暗◎/半AM○
耐寒性:強い
アオキは葉が密につき、日陰の庭の背景木として最適です。耐陰性が強く、建物の陰のようなかなり暗い場所でも、健全に育ちます。比較的暗い場所でも、斑が出やすいので、暗い日陰に色を添えてくれます。
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ふさわしい環境:暗◎/やや暗◎/半AM○
耐寒性:普通
シャガは、繊細な形の白い花を咲かせます。細長い葉が縦に伸びた個性的な草姿を生かして、カラーリーフプランツと組み合わせれば、ひと味違う暗い日陰の庭が演出できます。
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ふさわしい環境:暗◎/やや暗◎/半AM○
耐寒性:強い
白い斑の入るジャノヒゲの品種は、濃緑色の葉が多くなりがちな暗い日陰に変化をもたらしてくれます。真っ黒な葉が魅力的なオオバジャノヒゲ‘黒竜’は、グラウンドカバー的に群植させたり、ワンポイントでアクセントとして使うのもおすすめです。
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ふさわしい環境:暗◎/やや暗◎/半AM○
耐寒性:強い
湿り気のある薄暗い場所でも、目立つピンク色の花を咲かせるシュウカイドウの存在は貴重です。冬には地上部が枯れてなくなるので、常緑種の後ろに植えるとよいでしょう。ギボウシ(ホスタ)などと組み合わせて、草姿の違いを楽しんでみても。
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ふさわしい環境:暗◎/やや暗◎
耐寒性:やや弱い~普通
ハランは建物に囲まれたような、極度に暗い場所にも植栽できます。緑葉種は緑色が濃く、暗い印象になってしまうので、斑入り品種を利用して、明るさを出すとよいでしょう。
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ふさわしい環境:暗◎/やや暗◎/半AM◎/半PM○
耐寒性:強い
フッキソウは日陰の代表的なグラウンドカバー植物です。敷石と花壇の間や、敷石のわきなど、ちょっと空いたスペースを緑で埋めたいときに重宝します。落葉種の足元に植えれば、冬でも緑が残ります。
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ふさわしい環境:暗◎/やや暗◎/半AM○
耐寒性:普通
マンリョウはコンパクトな姿で、狭い場所でも扱いやすい植物です。あまり分枝しないので、複数の株を寄せ植えしてボリュームを出すと見栄えがします。赤葉の品種は、濃緑色の葉が並びがちな日陰の庭でアクセントとなってくれます。
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ふさわしい環境:暗◎/やや暗◎/半AM◎/半PM○
耐寒性:やや弱い
ヤツデは室外機や隣家との境の塀など、庭の景観を損ねるものを手っ取り早く隠し、きれいな緑の背景をつくるのにとても便利です。広く地面を覆うので、雑草の発生を抑える効果も期待できます。
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ヤブコウジは株のボリュームがあまりないので、数株をまとめて植えるほうが存在感が出ます。斑入り種を庭で使うなら、細かい斑よりもシンプルな斑のもののほうが、ほかの植物と色が合わせやすいです。
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ふさわしい環境:暗◎/やや暗◎/半AM○
耐寒性:強い
ヤブランの斑入り種は、緑色の葉の中に、ワンポイントで使うのがおすすめです。緑葉のヤブランは、シンプルな緑が逆に新鮮。落葉樹の株元に群植すると開花時の光景が見事で、それ以外の時期は葉がグラウンドカバーとなってくれます。
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日陰で育ついろいろな植物 24種
(*◎は最もふさわしい環境)
一年草、二年草の草花(2種)
多年草の草花(宿根草、山野草など)(9種)
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ふさわしい環境:暗○/やや暗◎/半AM◎/半PM○(品種による)
耐寒性:強い
アジュガは春に鮮やかな紫色の花穂をびっしりと立ち上げます。日陰のグラウンドカバーとしたり、草丈が低いので、花壇の一番手前に植えて、中景となる植物の足元を締めるのにも使えます。夏に地上部が枯れて、休眠する植物との組み合わせもおすすめです。
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ふさわしい環境:暗○/やや暗◎/半AM○
耐寒性:強い
アスチルベは、3~5株まとめて群植すると、最大限の魅力が引き出されます。開花期があまり長くないので、カラーリーフプランツや斑入り植物など、長く楽しめる植物と組み合わせるとよいでしょう。
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ふさわしい環境:暗○/やや暗◎/半AM◎/半PM○
耐寒性:強い
イカリソウは耐陰性、耐乾性を備えており、どの日陰でも生育します。草丈が低いので、花壇の前面の植栽に向いています。常緑種は、ほかの落葉性の植物と組み合わせると、冬の庭が寂しくなりません。
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ケマンソウはタイを釣り上げた姿を連想させるため、タイツリソウの別名があります。葉色が明るく、やさしい草姿の植物とよく合います。ギボウシの株間に植えておけば、休眠して地上部がなくなっても、その部分をギボウシ(ホスタ)がカバーしてくれます。
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ふさわしい環境:やや暗○/半AM◎/半PM○
耐寒性:強い
シュウメイギクは花が少なくなる秋に咲く貴重な花です。草丈が高くなる系統は、花壇の骨格となるように後方に配置します。矮性種は花壇の前方で、小型のカラーリーフプランツと組み合わせるとよいでしょう。
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ヒメシャガは小型なので、狭い場所でも扱いやすい草花です。1株で可憐な姿を楽しむのもよいですが、数株まとめると、迫力が出ます。落葉性で、花期もあまり長くないので、イカリソウの仲間など、常緑種と組み合わせるのもよいでしょう。
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ふさわしい環境:暗○/やや暗◎/半AM○
耐寒性:強い
プルモナリアを育てる場合、春先は、直射日光が当たったほうが斑がはっきりときれいに出るので、落葉樹下の環境が理想的です。かなり暗い日陰でも生育には支障はありません。
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ニゲルをはじめヘレボルス(クリスマスローズ)は、冬から春に咲く人気の多年草です。日陰の植物を代表するギボウシ(ホスタ)やウラハグサ(フウチソウ)などの間に植えておけば、夏はそれらの葉で姿が隠れてしまいますが、ギボウシの落葉後はヘレボルスに主役の座が移ります。
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ホタルブクロはやさしい趣の花を咲かせ、自然風の日陰の庭には欠かせない存在です。ギボウシ(ホスタ)のように葉を大きく広げる植物の株間や後ろに植えておくと、花後の魅力に欠ける姿が気になりません。ただし、葉の陰に完全には隠れないように注意します。
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葉もの、グラス(4種)
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ふさわしい環境:暗○/やや暗◎/半AM◎/半PM○
耐寒性:強い
ウラハグサは、大型のギボウシ(ホスタ)とセットで植えるだけで、見ごたえのある日陰の庭の骨格ができ上がります。その株間に、ヘレボルス(クリスマスローズ)を植えれば、地上部がなくなる冬から春も庭が寂しくなりません。
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ふさわしい環境:暗○/やや暗◎/半AM○
耐寒性:強い
ギボウシは庭のアクセントや骨格にもなる植物です。お気に入りの品種を中心に据え、まわりにさまざまな多年草を組み合わせるとよいでしょう。アスチルベなどを合わせれば、色に加え、草姿の違いでもお互いが引き立ちます。
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ふさわしい環境:暗○/やや暗◎/半AM◎/半PM○
耐寒性:普通
ツワブキは日陰のグラウンドカバーとして、頼りになる植物です。斑入り種は、緑色の葉の中でワンポイントで使うと効果的。草姿が個性的なので、異なった草姿、テクスチャーの植物を隣にもってくれば、それだけで変化がつけられます。
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ふさわしい環境:暗○/やや暗◎/半AM○(品種による)
耐寒性:強い
ヒューケラは品種によって日光に対する耐性が異なります。一般に、濃紫色や琥珀色の園芸品種は、ほかの葉色に比べて光に強く、午前中の日ざし程度であれば耐えられます。
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庭木・花木(4種)
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ふさわしい環境:暗○/やや暗◎/半AM◎/半PM◎
耐寒性:強い
アセビはスズランに似た、ピンクや白の小さな花を、房のように連ねて咲かせます。背景に使うと、小さな葉がつくり出す細やかなテクスチャーが、手前の草花の花をきれいに見せてくれます。落葉樹の足元に植えるのもおすすめです。
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ふさわしい環境:暗○/やや暗◎/半AM◎/半PM○
耐寒性:やや弱い
カラタネオガタマは耐陰性があり、直射日光が当たらなくても花をつけることから、マンションの中庭のような、間接光しかささないような場所にも植栽することができます。花はよい香りがあります。
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ふさわしい環境:やや暗○/半AM◎/半PM○(斑入り種は不可)
耐寒性:やや弱い
クチナシは暑さには強いですが、極度の乾燥は葉色を損なうので、半日陰の環境が向いています。さまざまな植物の背景にふさわしく、生け垣としても利用が可能です。花にはよい香りがあります。
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ふさわしい環境:暗○/やや暗◎/半AM○
耐寒性:普通
センリョウは、光沢のある明るめの緑色の葉に、赤い実が映えます。ホソバアオキなどの手前に植えれば、濃い緑色の葉を背景に、赤や黄色の実がさらに引き立ち、葉色の違いも楽しめます。
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アジサイの仲間(5種)
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ふさわしい環境:やや暗○/半AM◎/半PM○
耐寒性:普通
アジサイは、すべての花が装飾花になった派手な園芸品種も魅力的ですが、ガクアジサイの落ち着いた雰囲気も日陰にはよく似合います。大きくなるので余裕のある植え場所を選びましょう。
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ふさわしい環境:やや暗○/半AM◎/半PM○
耐寒性:強い
アナベルのさわやかな白色の花は、どのような花色とも合わせやすく、剪定によって樹高を低く保てるので、多年草とも組み合わせることができます。場所に余裕があれば、数株まとめて植栽するとボリューム感が出て、より美しさが際立ちます。
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ふさわしい環境:やや暗◎/半AM◎/半PM◎
耐寒性:強い
カシワバアジサイは花にも葉にも抜群の存在感があり、日陰の庭の定番植物です。丈夫で、栽培の失敗が少ないので、これを中心に組み合わせを考えるとよいでしょう。
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ふさわしい環境:やや暗○/半AM○
耐寒性:やや弱い
ヤマアジサイは落葉樹などと組み合わせると、ナチュラルな雰囲気が生まれます。日陰の代表的な植物であるギボウシ(ホスタ)やアスチルベと生育環境がよく似ており、初夏のさわやかな組み合わせができます。
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ふさわしい環境:やや暗○/半AM◎/半PM○
耐寒性:強い
ノリウツギは、ほかの植物の後ろに植えておけば、忘れたころに花が上がってきて、ちょっとしたサプライズが演出できます。強剪定によって樹高を抑えることも、剪定をせずに幹を伸ばしてシンボルツリー的に仕立てることも可能です。
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