ムスカリは鮮やかな青紫色の花が春の花壇を彩り、チューリップなどほかの花を引き立てる名わき役といってもよい花です。数年間据え置く場合は、球根2個分ぐらいの間隔で植えつけます。群落状やカーペットのように咲かせるには、間隔をあけずに密に植えつけます。
ラナンキュラスは幾重にも重なった、明るい花弁が魅力。花色が豊富でシーンに合わせて選べます。市販の球根や、掘り上げて貯蔵した球根は、そのまま植えつけると急激に吸水して球根が腐ってしまうおそれがあるので、植えつけ前に吸水処理が必要です。軽く湿らせたバーミキュライトに球根を埋め、冷蔵庫で1週間ほど吸水させてから浅く植えつけます。
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開花期:秋~春(夏~秋植えの種類)
秋から春に開花する、夏~秋植えのオキザリスです。オキザリスは種類が豊富で、性質がそれぞれ異なりますが、丈夫で育てやすく長期間楽しめるものがほとんどです。多くの種類は、晴れた日の太陽が照っている間だけ花を開き、曇りや雨の日は花を閉じます。
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開花期:3月~4月
ヒアシンスはチューリップやスイセンなどと並んで、春の花壇を彩るポピュラーな秋植え球根です。球根の表皮が花色と同じような色なので、球根を見るとおおよその花色がわかります。水栽培が容易で、すらりと伸びた白い根や、透明な容器とマッチした全体の美しさはヒアシンスならではのものです。
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開花期:5月~7月(種類によって異なる)
ユリは花姿や草姿、開花期などがさまざまで、多くの園芸品種があります。球根は外皮で覆われていないため乾燥に弱く、市販される球根はピートモスやおがくずなどに包まれています。球根の下から根がよく伸びているものがよい球根で、鱗片が乾燥してしなびている球根は選んではいけません。購入後は球根を乾燥させないよう速やかに植えつけましょう。球根1個分、やや深めに植えます。
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開花期:11月中旬~4月
スイセンは花の中心にあるカップが愛らしく、高い人気を誇る秋植え球根の定番。寒さに強く、丈夫で栽培が簡単なところも魅力です。開花期の異なる種類を組みあわせれば、より長い期間開花を楽しむことができます。ニホンズイセンは年内には咲くので、あまり遅く植えつけずに9月下旬から10月上旬に植えつけます。
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開花期:5月~6月(一部は10月~11月にも開花)
ジャーマンアイリスは虹の花(レインボーフラワー)とも呼ばれるように、色とりどりの花を咲かせ、アイリスの仲間では最も華やかで、非常に多くの品種があります。芽が込んでくると花つきが悪くなり、病気も出やすくなるので、2~3年ごとを目安に、株分けを兼ねて植え替えます。鉢植えは根詰まりや土の劣化で生育が衰えやすいので、毎年新しい用土で植え直しをします。
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開花期:3月~6月上旬
シラーは青い花を咲かせる、小型の球根植物です。星形や釣り鐘状の小花が、房状や穂状に咲きます。9月中旬から11月上旬に植えつけます。種によって球根の大きさは異なりますが、小さなものであれば5号鉢に5球程度、ペルビアナのような大きなものであれば5号鉢に1球を目安に植えつけます。
アルストロメリアは、花数の多さと独特の花模様で知られる、にぎやかな雰囲気の植物です。花束やフラワーアレンジにも多く利用されます。球根は乾燥に弱いため、ポット苗としても出回ります。宿根草として扱われることもあります。
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開花期:おもに3月~4月
ハナニラは、道端や花壇に植えっぱなしにしておいても、春に藤青色からピンク、白の星形の花をよく咲かせる、非常に丈夫で手間いらずな植物です。植えつけ適期は9月から11月です。1回植えつけたら、数年植えっぱなしでよくふえ、年々株立ちになって豪華になります。
オーニソガラムはキリスト誕生の夜に光り輝いたといわれている「ベツレヘムの星」。この星にたとえられている、清楚な純白の6弁花を咲かせる球根植物です。10月から11月に植えつけ、日当たりのよい場所で育てます。生育旺盛でよくふえますが、庭植えは球根が込み合ってくるまで、植え替えなくても花を咲かせます。
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開花期:2月~5月
アネモネは水はけと日当たりのよい場所に植えつけ、多肥にしないように管理すれば、何年も植えっぱなしで花が咲きます。まだ気温が高い時期に、急激に吸水させると球根が腐りやすいので、まず軽く湿らせたバーミキュライトや清潔な砂に球根を埋めて、冷蔵庫内で1週間ほどかけてゆっくり吸水させてから植えつけましょう。
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開花期:4月~5月中旬
イキシアは針金のように細くしなやかな茎に、優美な花がびっしりと咲き、明るく華やいだ印象の花です。花は夜間や雨天には閉じていて、日中は大きく開きます。10月中旬以降、涼しくなってから植えつけます。深さ3~4cm、間隔は4~5cmぐらいが目安です。鉢植えにする場合は、4号鉢なら3球ぐらいです。
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開花期:4月中旬~6月
アリウムの球形の花姿はほかの草花にはないユニークさがあり、また花もちもよいので、生け花やフラワーアレンジメントにも利用され人気があります。ギガンチウムのような巨大な球状の花は特に存在感があります。秋に植えつけると、すぐに芽を出すタイプと、冬になってから芽を出すタイプがあります。
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開花期:2月~4月
クロッカスが早春の日を受けて一斉に花開く様子は、まばゆいばかりで、春の訪れを感じさせてくれます。小型の球根草花なので、ちょっとしたスペースで手軽に花が楽しめ、ヒアシンス同様、水栽培も容易です。10月から11月に球根2個分の間隔と深さに植えつけます。
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開花期:3月中旬~4月中旬
スノーフレークは、スイセンに似たすらりとした葉に、スズランのようなベル形の花を下向きに咲かせます。白い花弁の先端に緑色の斑点があり愛らしいです。秋に球根を植えつけると、2月上・中旬に葉が現れて生育し、3月中旬から1花茎に1~4個の花を咲かせます。丈夫で育てやすい球根植物です。
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開花期:4月~5月中旬
チリアヤメは、白くにじむような薄紫色の花を上向きに咲かせる、半耐寒性小球根です。小さいながらも鮮やかな花がよく目立ちます。球根は10月ごろに植えつけます。一日花なので、ある程度群生させたほうが見栄えがよくなります。4号鉢なら5球くらいが目安で、数年間は植えっぱなしでかまいません。
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開花期:5月下旬~7月
トリテレイアはナチュラルな雰囲気を楽しむ、丈夫な球根植物です。「ブローディア」の名前でも扱われることがあります。秋に球根を植えつけると、冬から早春にかけて芽を出して2枚の葉を展開し、初夏に花茎が伸びて開花します。
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開花期:3月中旬~5月上旬
フリージアは香りのよい花を咲かせることで知られる、半耐寒性球根植物です。花色も豊富で、特に黄花と白花は香りが強い傾向にあります。寒い時期に茎葉が長く伸びていると、寒害を受けやすいので、庭植えの場合は11月上・中旬に植えつけます。鉢植えであれば、凍らない場所に移動させることができるので、9月下旬から植えつけることができます。
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開花期:2月中旬~4月中旬
チオノドクサは寒中から咲き始める早春の花で、いち早く春の訪れを告げるように花壇を明るく彩ります。キラキラと輝くような美しさがあり、群生させると見事です。スノードロップやクロッカスなどと同様には、霜や凍結に強く、庭に植えっぱなしでも毎年よく咲いてくれます。
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開花期:3月下旬~5月下旬
スパラキシスは花色のコントラストが目を引く、半耐寒性の小球根です。半耐寒性球根ですが、関東地方以西の暖地では、簡単な防寒をすれば、葉先は傷むものの戸外で冬越しもできます。9月下旬から11月に球根を植えつけます。
スノードロップは可憐な草姿に白い下向きの花を1輪咲かせ、春を告げる花として人気があります。秋に球根を植えつけます。鉢植えの場合は5号鉢に6~7球程度、庭植えの場合は5cm間隔で植えつけます。
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開花期:3月~5月
春に花を咲かせる、半耐寒性のグラジオラスです。派手な花が多い夏咲きのグラジオラスとは印象が異なり、上品な雰囲気と芳香をもつものがたくさんあります。9月から10月に球根を植えつけると、冬までに葉が育つので、寒さで傷まないように霜よけをします。
フリチラリアは逆立ちしたチューリップのような花を咲かせる、クロユリやバイモなどの仲間です。釣り鐘状の花が下を向いて咲く姿は清楚で、ちょっとマニアックな球根愛好家にも人気があります。関東地方以西では夏越しが難しくなりますが、植えつけて開花させることは容易なので、育ててみる価値は大いにあります。
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球根の植えつけ方(園芸・ガーデニング作業の基本)
秋植え球根の植えつけは、種類や栽培環境によっても異なりますが、地温の下がり始める9月下旬頃から11月頃を目安に行いましょう。気温の高い日が続く頃に植えつけると、球根が腐りやすいので、涼しくなってから植えつけます。
球根を植える場合は、庭植え、鉢植えともに、日当たりのよい場所で育て、水はけのよい土に植えましょう。球根は、適度な間隔をあけて植えることが大切です。密植すると球根が太れず、また、浅く植えると分球しやすく、年々、球根が小さくなり、花が咲きにくくなります。
以下の
「園芸・ガーデニング作業の基本」では、庭植えと鉢植えでの、球根の植えつけ方を写真とあわせて紹介しています(*各ページをご覧いただくには、みんなの趣味の園芸へのログインが必要になります)。
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チューリップを例に、庭に球根を植えつける方法を紹介します。植える前に、庭の土をできるだけ深くよく耕しておきましょう。
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スイセンを例に、鉢に球根を植え付ける方法を紹介します。なるべく十分に根を張らせるために、球根の下にスペースがとれるように、深鉢を用いるのが理想的です。
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