とれたての野菜はキッチンへ直行。育てた人だけが味わえる新鮮なおいしさを堪能してください。まずは、気軽に一鉢から始めましょう。タネから育てる場合、苗から育てる場合のメリットも紹介します。
いろいろ使えて満足の野菜 13種
気軽に始められるコンテナ栽培でおすすめの野菜13種を紹介します。植えつけ・タネまきの適期、収穫期、収穫までの目安も参考にしてください。*関東地方以西を基準としています
-
ミニトマト
植えつけ:4月下旬~5月中旬
収穫期:6月下旬~8月下旬
植えつけから収穫まで2か月
世界で一番多く作られている人気のトマト。なかでもミニトマトは大玉トマトより育てやすいうえ、注目の赤い色素成分リコピンもたっぷり。食べておいしく健康に、眺めて楽しいトマトは育て甲斐も満点。家庭菜園には欠かせません。
【収穫のポイント】赤く熟したものから収穫
-
タネまき:5月上旬~下旬
収穫期:7月中旬~8月中旬
タネまきから収穫まで2.5か月
鮮度が命のエダマメ。キッチン直結の家庭菜園なら、とれたてをすぐ調理できるので、格別な味を堪能できます。タネを少しずつずらして複数回まけば、とれたてのエダマメを夏の間ずっと楽しむことができます。
【収穫のポイント】さやをさわって、かたさを感じたら収穫
-
植えつけ:4月下旬~5月中旬
収穫期:6月上旬~10月中旬
植えつけから収穫まで1.5か月
夏野菜の定番として、家庭菜園を彩ります。ナスは「大食漢」と言われ、毎日の水やりと定期的な追肥が欠かせません。特に土の容量が限られているコンテナ栽培の場合は、絶対に乾燥させないようにしましょう。
【収穫のポイント】収穫は早めに行って株の負担を軽くしてやると、次々と実をつけます。
-
植えつけ:2月下旬~3月中旬(春植え)、8月下旬~9月上旬(秋植え)
収穫期:5月下旬~6月下旬(春植え)、11月下旬~12月上旬(秋植え)
植えつけから収穫まで3か月
家庭菜園用のタネいもは品種が豊富。カラフルなものや、フライ向きのものなど、珍しい品種を育ててみるのも楽しいでしょう。ホクホクしているか? それとも、ねっとりしているか? イモの食味を知り、食べ方を工夫すれば、収穫後も楽しみが続きます。
【収穫のポイント】葉が黄色く枯れてきたらそろそろ収穫
-
タネまき:4月上旬~下旬
植えつけ:5月上旬~下旬
収穫期:7月中旬~10月中旬
タネまきから収穫まで3.5か月
高温を好む野菜です。植えつけ直後の成長はゆっくりですが、梅雨が明けるころから勢いづきます。美しい花を楽しんだら、日々ふくらんでいく実を観察し、とりごろを逃さないようにしましょう。
【収穫のポイント】6~7cmが収穫の目安
-
植えつけ:5月中旬~6月上旬
収穫期:7月下旬~10月上旬
植えつけから収穫まで2か月
緑のカーテンとしてよく知られているゴーヤーですが、なんとなく育てていてはきれいな形になりません。摘心(てきしん)してつるをふやすこと、つるどうしが重ならないように広げてあげることで、形が整います。
【収穫のポイント】凸凹が大きくなりツヤが出てきたら収穫を
-
タネまき:3月下旬~5月下旬
収穫期:4月下旬~6月下旬
タネまきから収穫まで1か月
初心者向け野菜のイメージがありますが、美しい形に育ったラディッシュの収穫は、だれもが心躍ります。タネまきから約1か月で収穫可能なので、小さなお子さんとの栽培観察にもぴったりです。空いているプランターがあったら、気軽にタネをまいてみては?
【収穫のポイント】太った根が見えたら収穫
-
植えつけ:5月上旬~6月下旬
収穫期:6月上旬~10月下旬
植えつけから収穫まで1か月
長期間収穫でき育てやすさはピカイチ。大きくなった実を支える支柱さえあれば、難しい剪定(せんてい)などをしなくても丈夫。収穫のついでに窮屈になったところを整理するだけで、なんとなく形ができ上がるのです。長期間収穫が続くので、こまめな水やりと追肥を忘れずに。
【収穫のポイント】早めの収穫を心がける
-
タネまき:5月上旬~6月上旬
収穫期:6月下旬~8月上旬
タネまきから収穫まで1.5か月
発芽率が高く、さほど手間がかからない優等生野菜です。高温に強い品種を選べば、7月のタネまきも可能。つるあり品種は支柱やネットが必要ですが、仕立てる楽しみもあります。少し小さめで収穫したほうが、収穫期間が長くなります。
【収穫のポイント】実がやわらかいうちに収穫
-
タネまき:4月上旬~6月下旬(春まき)、8月中旬~10月中旬(秋まき)
収穫期:5月中旬~7月下旬(春まき)、9月中旬~12月下旬(秋まき)
タネまきから収穫まで1.5か月
ゴマのような香りとクレソンに似たさわやかな辛みがクセになるルッコラ(ロケットサラダ)。キッチンの近くでコンテナ栽培をすると、すぐに使えてとても便利です。やわらかい葉を好む虫も多いので、気温が高いうちは防虫ネットなどをかけて防虫対策をしましょう。
【収穫のポイント】葉がやわらかいうちに収穫
-
タネまき:3月下旬~4月下旬(春まき)、9月上旬~10月中旬(秋まき)
収穫期:5月上旬~6月中旬(春まき)、10月中旬~12月中旬(秋まき)
タネまきから収穫まで1.5か月
ほぼ一年中栽培できますが、虫が少なくなる秋まきが作りやすいのでおすすめ。やわらかくて栄養価が高い葉も大切にいただきましょう。ご当地品種もたくさんあるので、試してみては?
【収穫のポイント】根の直径が5cm以上になったら収穫
-
タネまき:4月上旬~5月下旬(春まき)、8月下旬~10月中旬(秋まき)
収穫期:5月下旬~7月下旬(春まき)、10月中旬~12月上旬(秋まき)
タネまきから収穫まで1.5か月
シャキシャキとした食感とクセのない味が、和洋中いずれの料理にも利用でき、使い勝手がよいチンゲンサイ。栄養価も高く、頼りになる緑黄色野菜です。タネから気軽にスタートでき、しかも栽培可能な期間が長いのが特徴です。
【収穫のポイント】株元にふっくら丸みがついてきたら収穫
-
タネまき:3月中旬~4月中旬(春まき)、9月上旬~10月下旬(秋まき)
収穫期:5月上旬~5月下旬(春まき)、10月上旬~12月下旬(秋まき)
タネまきから収穫まで1.5か月
もともとは冬の野菜なので、寒さに当たるとうまみが増します。気温が高い時期の栽培は害虫の心配があるので、秋まきがおすすめですが、春まき用のタネを選べば春の栽培も可能です。肥料のやりすぎには十分ご注意を。
【収穫のポイント】草丈が20~25cm以上で収穫
『育てておいしい ベランダ野菜』
より
目次に戻る
タネから育てる? 苗から育てる?
タネから育てる
タネから育てる大きなメリットは、品種をいろいろ選べること。タネから簡単に栽培できるなら、そのほうが安上がりです。マメ類や葉物野菜の多くが当てはまります。コマツナやホウレンソウなど、株数を多く作りたい青菜は、タネから育てれば間引き菜も利用できてさらにお得!
苗から育てる
たいていの野菜はタネから栽培することが可能ですが、トマトやナスなど育苗(タネをまいて、植えつけに適した大きさの苗に育てること)の期間が長い野菜はたいへん手間がかかります。数株なら市販の苗を利用するほうが便利で、失敗も少なくてすみます。よい苗からスタートさせるとその後の生育がスムーズで、結果として多くの収穫が期待できます。
タネからでも苗からでも育てやすい野菜
エダマメ、チンゲンサイ、オクラ、シソ、リーフレタスなどは、タネから簡単に栽培できます。植えつけ適期に苗もたくさん出回るので、利用すると、タネよりも手軽に始められます。
タネからでも苗からでもない野菜
ジャガイモ、サツマイモ、ショウガ、ラッキョウ、イチゴなど、タネいも、種球(しゅきゅう)、根株(ねかぶ)などから栽培をスタートする野菜もあります。サツマイモは「さし穂」と呼ばれる茎から育てます。
『育てておいしい ベランダ野菜』
より
目次に戻る
もっと詳しく知りたい方に
初めてでもどっさり収穫、プランター菜園のすすめ。野菜作りは初めてという人も、いままで失敗続きという人も、この本と一緒なら大丈夫。ベランダのプランターでも、おいしい野菜は育ちます。環境にあった育てやすい「品種」や「器、土、肥料」などの基本やコツを満載。とれたての一皿を食卓に!
目次に戻る
野菜作りにおすすめの本・テキスト