リトープス 紫李夫人

リトープス 紫李夫人

撮影/10月

紫色の窓がきれいな『紫李夫人(むらさきりふじん)』

基本データ

分類
ハマミズナ科 リトープス属
学名
Lithops salicola ‘Bacchus’ (リトープス・サリコラ ‘バッカス’)
和名
紫李夫人(むらさきりふじん)
他の呼び名
Bacchus(バッカス)、Sato's Violet(サトウズヴァイオレット、サトーズヴァイオレット)
自生地
日本で作出
ふやし方
タネまき(実生)、株分け、さし木
緑・黄系 茶・黒系
生育タイプ
冬型
特徴

解説

「紫李夫人(むらさきりふじん)」は、株全体の紫色(ワイン色)と鮮やかな赤紫色の「窓」が特徴です。
1990年に、愛好家・岡田拓美氏がアメリカから輸入したリトープスのタネをまいて育てた(実生)ところ、その実生株の中に6体の紫色の変異個体が発生しました。
その後、変異個体はサボテン、多肉植物専門業者の佐藤勉氏が所有することとなり、繁殖した結果、繁殖株のうち20%が、親株と同様の紫色の個体となりました。
1998年、佐藤氏がアメリカのスティーブン・ハマー氏にこの紫色の個体をいくつか送ったところ、ハマー氏はこれにバッカス(Bacchus)と命名し、1990年に出版された彼の著書に発表しました。
当初、佐藤氏はこの個体をヴァイオレット(Violet)と命名しましたが、リトープス属のなかに同名の種がすでに存在していたために、ハマー氏はバッカス(Bacchus)と命名し、この名が広く知られるようになりました。
現在も、一般に知られているバッカスという名のほか、サトウズ・ヴァイオレット(=佐藤氏のヴァイオレット)と呼ばれることもあります。
なお、名前のバッカス(Bacchus)とはローマ神話の酒宴の神(ギリシャ神話の酒宴の神・ディオニューソスと同人物)のことです。

リトープスは、ハマミズナ科(メセン類)の植物で、南アフリカからナミビアに分布しています。自生地の風土に対応するためか、個体の色や模様の変化が多く、種類豊富な多肉植物。メセン類の中では丈夫で初心者向きです。
砂礫が広がる岩砂漠のようなところに多く見られます。「石に化ける」といわれるほどで、原生地を歩いていると思わず踏んでしまいそうになるくらい、石と見間違えるような姿、模様をしています。

原生地では、乾季は葉の頂部(模様がある部分)を残して株全体が地面に隠れていて、雨季に生育を開始します。地上部に露出している葉の頂部の模様や、透明な斑点、線模様が「窓」と呼ばれています。
なかでも特に、赤色の色素をもつ種は、人気が高い希少種です。

育て方・管理のポイント

秋(9月)から本格的に生育を始め、9月から11月に花を咲かせると、その後、翌年3月から古い葉を破って新葉を展開させる脱皮が始まります。脱皮は梅雨時期までに終わり、夏に休眠する、というライフステージを繰り返していきます。2年おきに分頭して群生します。

年間を通して日当たりがよく、雨よけがある戸外で管理します。ただし、真夏は高温多湿に弱いので通風を図り、遮光するなど日差しを和らげて涼しく管理しましょう。また冬季はきれいな状態を保ちたいので、最低温度が3℃以下にならないように工夫します。
生育期の9月から11月、水は培養土が乾いたらたっぷりと与えます(開花時、リトープスは水分が不足すると十分に開花しないことがあるので要注意)。冬季も温かい日を選び水やりをします。また休眠期の夏季は日当たりと風通しをよくし、1か月に2~3回、霧水をかける程度にします。蒸れないように管理すれば、丈夫で育てやすい種類です。
【枯死しない最低温度/0~3℃】


リトープス 紫李夫人

撮影/10月


リトープス 紫李夫人

撮影/10月


教えてくれた人

  • 靍岡秀明(つるおか・ひであき)
    園芸家。昭和5年創業のサボテン・多肉植物を扱う老舗「鶴仙園(かくせんえん)」の3代目。多肉植物の自生地を訪ねる一方、高温多湿の日本で多肉植物をどう楽しむか、日々、ノウハウを探究している。
(写真撮影)田中雅也
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リトープスとは?

リトープスは、「メセン(女仙)類」や「メセンの仲間」と呼ばれる多肉植物の代表的な属の一つです。上から見ると扁平な球形の葉が2枚合わさった形をしていますが、横から見ると融合しており、ユニークな形をしています。 自生地の多くは砂利の多い砂漠や岩場で、周辺の石や砂利に似た色合いや模様をもって「擬態」をする植物としても知られています。株(葉)の色は変化に富んでおり、緑、茶、クリーム色、灰色、白色、濃紅色などのものが存在します。園芸的には株の地色とあわせて、葉の上部の平坦な部分に出る模様とその色合いの妙を…

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