リトープス 麗虹玉
撮影/10月
窓に浮かぶ血のように赤い枝模様『麗虹玉(れいこうぎょく)』
基本データ
- 分類
- ハマミズナ科 リトープス属
- 学名
- Lithops dorotheae (リトープス・ドロテアエ)
- 和名
- 麗虹玉(れいこうぎょく)
- 自生地
- 南アフリカ北ケープ州ポファデール(Pofadder)
- ふやし方
- タネまき(実生)、株分け、さし木
- 色
-
緑・黄系
茶・黒系
- 生育タイプ

-
冬型
- 特徴
-
解説
「麗紅玉(れいこうぎょく)」は、ハート形で中型のリトープスです。頂面は膨張し、中央の割れ目は浅く、葉は融合しています。「窓」は灰緑、茶緑、赤緑など色に幅があり、「窓」の中に見られる枝模様が血のように濃い赤色をしています。この模様の色が濃い、薄いなど個体差によって価値が変わり、中央部にのみ模様の入る選抜タイプで「ゾロ」(Lithops dorotheae ‘Zorro’)という固定種もあるほど、人気の高い種です。自生地では岩の上などに自生しています。
麗紅玉は1935年に愛好家エクスティーン(Mrs. A. H. Eksteen)氏が発見。多肉植物の収集家であった、ヒスティーン博士(Dr. D.P.van Hyssteen)の娘、ドロテア(Dr. Dorothea Hyssteen)にちなんで命名されました。
リトープスは、ハマミズナ科(メセン類)の植物で、南アフリカからナミビアに分布しています。自生地の風土に対応するためか、個体の色や模様の変化が多く、種類豊富な多肉植物。メセン類の中では丈夫で初心者向きです。
砂礫が広がる岩砂漠のようなところに多く見られます。「石に化ける」といわれるほどで、原生地を歩いていると思わず踏んでしまいそうになるくらい、石と見間違えるような姿、模様をしています。
原生地では、乾季は葉の頂部(模様がある部分)を残して株全体が地面に隠れていて、雨季に生育を開始します。地上部に露出している葉の頂部の模様や、透明な斑点、線模様が「窓」と呼ばれています。
育て方・管理のポイント
秋(9月)から本格的に生育を始め、9月から11月に花を咲かせると、その後、翌年3月から古い葉を破って新葉を展開させる脱皮が始まります。脱皮は梅雨時期までに終わり、夏に休眠する、というライフステージを繰り返していきます。2年おきに分頭して群生します。
年間を通して日当たりがよく、雨よけがある戸外で管理します。ただし、真夏は高温多湿に弱いので通風を図り、遮光するなど日差しを和らげて涼しく管理しましょう。また冬季はきれいな状態を保ちたいので、最低温度が3℃以下にならないように工夫します。
生育期の9月から11月、水は培養土が乾いたらたっぷりと与えます(開花時、リトープスは水分が不足すると十分に開花しないことがあるので要注意)。冬季も温かい日を選び水やりをします。また休眠期の夏季は日当たりと風通しをよくし、1か月に2~3回、霧水をかける程度にします。蒸れないように管理すれば、丈夫で育てやすい種類です。
【枯死しない最低温度/0~3℃】(目安)
撮影/10月
撮影/10月
教えてくれた人
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靍岡秀明(つるおか・ひであき)
園芸家。昭和5年創業のサボテン・多肉植物を扱う老舗「鶴仙園(かくせんえん)」の3代目。多肉植物の自生地を訪ねる一方、高温多湿の日本で多肉植物をどう楽しむか、日々、ノウハウを探究している。
(写真撮影)田中雅也
リトープスとは?
リトープスは、「メセン(女仙)類」や「メセンの仲間」と呼ばれる多肉植物の代表的な属の一つです。上から見ると扁平な球形の葉が2枚合わさった形をしていますが、横から見ると融合しており、ユニークな形をしています。
自生地の多くは砂利の多い砂漠や岩場で、周辺の石や砂利に似た色合いや模様をもって「擬態」をする植物としても知られています。株(葉)の色は変化に富んでおり、緑、茶、クリーム色、灰色、白色、濃紅色などのものが存在します。園芸的には株の地色とあわせて、葉の上部の平坦な部分に出る模様とその色合いの妙を…
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