アストロフィツム 兜丸
撮影/1月
ウニのようなサボテン(Sea-urchin cactus)と呼ばれる『兜丸』
基本データ
- 分類
- サボテン科 アストロフィツム属
- 学名
- Astrophytum asterias (アストロフィツム・アステリアス)
- 和名
- 兜丸(かぶとまる)
- 他の呼び名
- 兜(かぶと) 英名:Sea-urchin cactus
- 自生地
- アメリカ合衆国テキサス州南西部からメキシコ北東部にかけて
- ふやし方
- タネまき(実生)
- 色
-
緑・黄系
シルバー・白系
- 生育タイプ

-
夏型
- 特徴
-
解説
「兜丸(かぶとまる)」は、ウニのようなサイズ感と独特の「棘座(しざ=アレオーレ)」を持つ人気のサボテンです。種小名であるアステリアス(asterias)は「星のような」という意味をもち、肌には「星点」と呼ばれる白斑が散在しています。
直径は15~23cm程度になり、頂部から根元にかけて「稜(りょう)」と呼ばれるラインが入ります。稜数は8稜が基本ですが、減稜タイプの5稜、6稜、また多稜タイプの11稜、12稜など稜変わりのタイプもあります。
棘座は毛でできていて(「疣(いぼ)」とも呼ばれる)、トゲはありません。
日本では、兜丸は園芸種として棘座の大きさや星点の粗密に違いのあるさまざまな株がつくられており、本種専門のコレクターなどが育種を追求している人気の高い種類です。
専門店で入手できます。
育て方・管理のポイント
年間を通して、日当たり、風通しのよい戸外、あるいは簡易温室や温室の中で管理します。強い光線とある程度の高温(生育期は30~40℃以上)を好みますが、昼夜の温度差をしっかりつけることで、締まった株に生育します。
最低温度が15℃を下回ったら、戸外で管理している株はよく日が当たる簡易温室や温室、室内の出窓などに移して風通しを少なくして、日中の温度が上がるように心がけ、最低温度が5℃以下にならないように管理します。
しっかりと玉型を維持し、株を白く維持するためには、日差しはもちろん、昼夜の温度差とともに風通しの確保が特に重要です。日差しが弱く多湿になってしまうと、棘座が茶色くなったり、後に根ぐされが起こりやすくなるので注意しましょう。
兜丸は棘座や成長点が動いている春から夏が生育旺盛な時期です。春先から秋口までは、表土が乾いたらたっぷりと水やりをします。真冬に断水してしまうと球体の下部がへこんでしまうので、月に2回ほど暖かい日中に霧吹き(葉水)をします。
強い光線を好む一方で、肌がデリケートで、環境変化や急な晴れ間などで日焼けを起こしやすいので、置き場を変えるときなどは注意が必要です。
毎年の植え替え時に、元肥として緩効性化成肥料を少量混ぜます。
【枯死しない最低温度/5℃】(目安)
撮影/1月
撮影/1月。小さく点在するのが「星点」
撮影/1月
教えてくれた人
-
靍岡秀明(つるおか・ひであき)
園芸家。昭和5年創業のサボテン・多肉植物を扱う老舗「鶴仙園(かくせんえん)」の3代目。多肉植物の自生地を訪ねる一方、高温多湿の日本で多肉植物をどう楽しむか、日々、ノウハウを探究している。
(写真撮影)田中雅也
みんなの写真
アストロフィツム
写真の投稿はまだありません。
アストロフィツムを育てている方は、ぜひその写真を紹介してください。
そだレポ
アストロフィツム
-
サボテン ランポー玉 四稜恩塚鸞鳳玉♀×碧瑠璃鸞鳳玉錦♂
多肉植物に関するテキスト&本
-

エケベリアはこの1冊で!
12か月栽培ナビ NEO エケベリア
エケベリアの1年間の育て方を、月ごとに詳しく解説。原種、交配種、属間交配種に分けて、約100種を紹介。初めての人でも迷わず栽培に取り組めて、美しい株姿を長く保つのに役立つ一冊です。[著]松岡修一
-

サボテン栽培のすべてがわかる
12か月栽培ナビ NEO サボテン
1月から12月の各月ごとに、行うべき手入れや管理の方法を詳しく解説。人気種から希少種まで約100種類のサボテンを収載。その自生地や特徴、管理のポイントなども詳しく紹介。[著]山城智洋
-
究極のコーデックス栽培本!
12か月栽培ナビ NEO コーデックス
各月の基本作業と管理のコツを、「夏型」春秋型」「冬型」の3つの生育型別に解説。多様な属にまたがるコーデックス栽培のポイントがわかります。「図鑑」では人気品種から希少種まで約100種を紹介。[著]長田 研
-
ハオルチアのすべてが詰まった一冊
12か月栽培ナビ NEO ハオルチア
ひと月ごとに基本の育て方と作業方法を解説。ただ育てるのではなく、美しく育てるコツがわかります。「図鑑」では初心者向けの普及種から愛好家向けのレアな種まで90種以上を紹介します。[著]靍岡秀明
-
これ1冊で多肉植物の基本は完ぺき!
多肉植物パーフェクトブック
人気の種類を中心に、定番から希少種まで101種を解説。栽培の基本とコツ、もっと楽しむための上級栽培テクニックなど、ビギナーから経験者まで安心の育て方も紹介しています。[監修] 靍岡秀明、長田 研、松岡修一、山城智洋
-
12か月の作業と管理を解説
よくわかる栽培12か月 多肉植物
スタンダードなものからちょっとマニアックなものまで、80種類以上の多肉植物を生育パターンごとにわかりやすく解説。園芸初心者もベテラン愛好家も、ぜひ知っておきたい多肉植物栽培の基本がコンパクトにわかる、お得な一冊です。[著]長田 研
-
大特集 冬が楽しくなる!注目のスター多肉植物(2020/11/21発売)
『趣味の園芸』2020年12月号
今注目のスター級多肉をまとめて紹介! キラキラ窓が魅力のハオルチアはおすすめタイプ別と栽培の基本を。冬型多肉植物や寒さに強い多肉植物は、耐えられる最低温度や冬の置き場とともに一挙紹介。コノフィツム記事は永久保存版と言っても過言ではありません。
-
大特集 運命の一鉢と出会う コーデックス、アガベ、サボテン(2020/8/21発売)
『趣味の園芸』2020年9月号
靍岡秀明さんが、かっこいいコーデックスを厳選して紹介。人気のアガベは、美しいフォルムを保つコツなどを解説します。山城智洋さんセレクトによるサボテンだけを集めた、とじ込み付録「多肉植物・サボテン コレクションカード」第4弾付き!
会員登録がお済みの方は
会員登録をすると、園芸日記、そだレポ、アルバム、コミュニティ、マイページなどのサービスを無料でご利用いただくことができます。