1.挿木で盆栽苗を育てる。
201310 秋に挿し木して、発根発芽したのに驚いた。
201405 春から梅雨まで【挿し木】すると、発根発芽することが分かった。
【挿木方法】
1.出来るだけ元気な枝を選び、挿し穂の長さ約15cmに切る。
2.新品のカッターナイフで水切りし、薄いメネデール液に一晩浸して置く。
3.鹿沼土と赤玉土を半々の用土にして、挿す。
4.たっぷりと、潅水し風通しのよい日陰で管理する。
2.同じ挿木苗でも、鉢栽培と露地栽培の違い。
20171007 写真は、同じ時期に挿木苗を露地栽培したブランコ苗。5,6年も経てば、大きな樹になり管理が大変です。
オリーブの樹は、根付けば大木になる剛健樹です。
【土壌】アルカリ性の土を好む植物なので石灰を少し用土に混ぜてやる。小鉢で、潅水や植替えも大変だが、鉢替えで樹景を楽しむのもいいものだ。
肥料は、実盆栽用には必要で、その上、大鉢で年数と、異種交配が必要である。
3.試作樹形1 眞に、『直幹』
写真は、2枚目と同じ年数の挿木苗。(挿木後4,5年生)
【ポイント】
オリーブの上に伸びる力を生かした直幹形のミニ盆栽。
横の枝を剪定して、ひたすら線を表現し、鉢は掌上に。
4.試作樹形2 『苔玉に入れた文人風』
『優しく表現する苔玉鉢。』鉢は鉢でも、この苔玉は苔の緑が樹を支えるから、よけいに助ける。
【ポイント】
でも、大きくなると植替えをしないとダメですね。根が上のの方で固まり、下の根は腐ります。
年数ごとに、樹の様子に応じて小鉢に入れて文人風にする。
オリーブの枝数と葉数を生かした、『やさしさ』の表現にも工夫がいります。
5.試作樹形3 『オーソドックスな』
『直幹と第一枝の強調』
鉢が小さくて、主幹は真上に、横枝は長すぎ?
この樹も写真2と同じ挿木苗です。やはり、直線的な表現は、この樹の特徴でもあります。針がねを使うよりハサミひとつがいいのではないでしょうか。と言いながら、オリーブの樹には必要だネ。
6.試作樹形4 『針金でやさしさを表現』
ちょっと、撮影方向が悪い。もう少し左回転で見て。
これも、写真2と同じ挿木苗です。やはり、しなやかな直線を針金で巻いて『やさしさ』を表現したつもりです。
鉢が小さくて、その用土の量、枝や葉の量、このバランスがないと、グルグル針金で巻いた『オリーブ盆栽』は、痛々しい!
「もう少し、個性が欲しい樹です。」
7.スペイン旅行でみた古木樹形
実の収穫を目的とした古木樹形。
機会でゆすって実を落とす。
そんなに高くもなく、「ずんぐりむっくり」である。
このままでは、盆景になる?
挿木苗は、どうしても腰高になる。【取木】してそれを解消しても、普通の盆栽だ。
素人が、この樹の『直線とそれを曲げ生かしたた曲線美』を何とか表現したいものだ。
8.1本で実が成る?『アルベクイナ』
20170425 写真は、購入したアルベクイナです。
「1本でも実がなる樹。」 半信半疑で購入しました。
これを実つき盆樹にしたいためですが・・・
オリーブ盆栽でも、小鉢に1,2個結実盆栽を手元で楽しみたい。その年だけ、植え替えて、小実盆栽を作るより、自然に作りたいからです。
9.1本でも結実?『アルベクイナ』の挿木
写真1 2017年04月25日 モクセイ科オリーブ属 品種『アルベキーナ』挿木する。
【小粒品種ながらオイル用の最高級品種です。りんごとアーモンドの香りがします。主に油を採るために栽培されます。豊産性で非常に実つきが良い品種です。「すずなり」になります。
コンパクトな葉が密に育つ希少品種で発芽性もよく、刈込むと密な樹形になります。
「本当なの?」
10.挿木3本とも発根する。
2018年09月09日
小粒でオイル用、授粉樹に向く高級品種だが、盆栽にいいのではないかと判断した。
スペイン原産のオイル用オリーブで、半矮性で、実つきのよい豊産種だそうなので期待できそうだ。
11.『アルベクイナ』の定植
20180909 定植する。
でも、親樹の3年生苗『アルベクイナ』は、若いから開花しなかった。
「今後に、期待します。」
12.オリーブの小品盆栽を作るための2つの方法
盆栽の整姿技術のひとつで【元接ぎ】で腰高を解消する。
挿木から育てたオリーブの樹は、どうしても文人風になる。
これを解決するために【元接ぎ】を活用する。
写真のようにオリーブの根元を切り込み、ここにアルベクイナの差し穂を接ぐのです。
13.写真左は『アルベクイナ』の差し穂です。
挿し穂をていねいにくさび形に切る。
4体1ぐらいにして、断面の長い4の方を内に、1の方を外にして出来るだけ形成層(薄緑色していてよくわかる。)を大きく合わせる。
後は、しっかり固定するだけである。
14.【根元接ぎ】の出来上がり。
写真は、これで腰の低い小盆栽『アルベクイナ』が出来ますね。
ちょっと盆栽らしくなるかな?
新葉が出れば、台木の上部を切り離すと出来上がる予定です。
失敗すれば、また、実施します。
15.もう一つの腰高解消策は、【取木】です。
これは、もう、何回も行ってきているので簡単ですね。
幹の太さの直径の長さで、環状剥離をして、水苔で巻きビニールで固定すれば簡単にできると思います。
こちらの方が、腰高解消にはいい方法でしょう。
良い小品盆栽の素材ができれば、オリジナルなものが出来るかもしれません。
今回は、水苔を巻いてアルミ線出来る軽く締め付け、【取木】をしました。
16.難しい種蒔きの試案
【私の種蒔き方法】
単に殖やすなら、挿木や取木がおススメである。
冬前に熟れる果実から簡単につぶすと種が採れる。
でも、実生苗からだと開花結実に十数年数かかりそうである。
育種家の気分で挑戦します。
17.小鉢に用土を用意する。
【採り蒔き】だから、種の予備知識。
〇種は、好光性で土はかぶせない。
〇種の先端の2mmほどをカットしない。
〇将来、人工授粉も行いたい。
【方法】種の先、2mmのカットはしない。
③排水と保水を保つため、底網+鹿沼土+赤玉土+種+市販の種蒔き用土です。
④種を蒔いた鉢を、地面に植えこみ水平にする。
18.種の保水性、排水性を保つ。
不織布を被せ、種を虫などに食べられない様に鉢ごと包む。
できるだけ、自然落果による発芽を目指します。
「うまくいくかな?」
19.枝のみにした怪物幼虫「シモフリスズメガ」
2019年10月30日 びっくりの出来事だ。
盆栽を含め10鉢以上のオリーブの樹があります。
その内のペットボトルでの養木の樹を枝のみにした怪物だ。
力強くでかくて約10cmあり、火箸で掴んでも、暴れるので暗渠に捨てた。
このオリーブの葉は、おいしいのか?不思議だった。
20.専用の肥料も良かった。
盆栽の肥料には「バイオゴールド」を長年使ってきています。
今年(2019年)では、だまされたつもりで、ハイポネックス 錠剤肥料シリーズ オリーブ用 60錠を使用しました。
「さすがにいいですね。」結構、開花結実しました。
私どもハイポネックス社は、ハイポネックスのみを販売しているだけの会社だと思っていました。これ、おすすめの肥料かとおもいます、
21.採り蒔きでも発芽は難しいですね。
【採り蒔きの発芽は、素直にうれしいよ。】発芽率は約6割。
☆熟した種を選んだこと。
☆キズを付けず自然体の種にしたこと。
理由は「傷をつけるとそこから腐り、虫がつくのではないか。」
☆種蒔き用土は、無使用の赤玉土と市販の種蒔き用土にしたこと。
☆種は、好光性のため土はかぶせない。
☆潅水は、鉢を地中に埋め排水と潅水を自然体にしたこと。
☆種は低温処理(冷蔵庫で)をせず、冬の寒さに任せた。
22.現在の栽培品種 葯親樹が8種
2020年03月14日 現在
親樹8種(アルベクイナ・ネバディロ ブランコ・マンザニロ・ミッションなど)
★これからのの目標
【交雑種ができるか?異種交配だから新種か。】
【挿木はクローン栽培だが、来年も実生苗育成と採蒔き実施。】
【小盆栽づくりは、まだ途中、これからです。】
23.採り蒔き苗の双葉がしっかりしてきた。
「新品種誕生か?」
本葉が出るとポットに植え替えます。
開花結実まで15年以上はかかるね。
どんな実をとまらせ、どんな品種になるのか。
結実には相性があり、異株同士の花粉で結実。
約5%の発芽率、その実に希望がふくらむ。
オリーブ『シプレシーノ』と『コロネイキ』の種からの苗。
花粉は不明、(アルベクイナ・ネバディロ ブランコ・マンザニロ・ミッションなど)のどれか。
24.20200511 実生苗の【鉢上げ】
梅雨に入ってからと思っていたが、夢があるので本日実行。
案外、根は細長いのもあれば、短いのもある。
葉は、本葉が出ているものはその上で芽切しました。
小鉢で楽しみながら、育てたい。
樹形は、来年から様子を見ながら、枝数を増やし整姿したい。
25.20200811 実生苗に【針金掛け】
ゆるめの針金掛けと追肥を実施。
順調に育つ実生苗。
「ていねいに、膝の上で。」。
目的は【直幹づくっり 蟠幹づくり など】です。
26.2020年11月17日実生苗元気に育っ。
【本来の課題】
異種交配・受粉・種まき・発芽・育成・開花そして結実までの記録ができれば、最高の喜びです!
また、1年後に樹形づくりと経過報告します。
27.「新葉が出ないと、全て植え替えです。」
2021年04月20日
容器の大きさを変えずに、このミニ鉢であと3年間、実生苗の植え替えと整姿の紹介で、このそだレポを終了させていただきます。
28.花、幼果そして蕊の人工授粉について
花粉が梅雨で流されると、【人工授粉】ですね。
【筆で雄しべの花粉を他種の雌しべに着ける。】
中心の雌しべが判りにくいのもある。(不完全花もある)
基本的にはオリーブのは風媒花である。
花序に多くの白いツボミが出来る。
花弁は4個(合弁花冠)である、雄しべは1個で割れて2つになり(1雌蕊2雄蕊)その上に黄色の花粉を多く付ける。
人工交配ができると花弁は散り、子房の緑が膨らむ。
29.挿木苗の小盆栽に結実(夢が叶った!)
目標【実の留まらないオリ-ブは実盆栽と言えない。】
2021年6月6日 開花した挿木苗に人工授粉出来て、約5㎜の光る緑色の実ができる。
普通、風媒花に頼り、同じ場所に鉢を集めて他家受粉で結実させていた。
今年は、開花時期が梅雨と重なり、花粉が雨で流されるので人工交配(異種受粉)を行った。
見事に、この小さな樹に実がとまったではありませんか。
「うれしいです。」
30.ミニ盆栽づくりは「挿木苗と実生苗」で実施
【左写真は挿木苗】
一握りの用土で一粒の実をつけました。
【右写真は実生苗】
ゆっくりと古木樹形に仕上げていきます。
これで、私どものオリーブの盆栽づくりの挑戦を終わらせて頂きます。ご訪問頂きありがとうございました。(清重明佳)20210814
【オリーブを盆栽にしたい!】
挿し木で殖えたオリーブを盆栽にしたい。
【オリジナル作品で、小盆栽を作りたい!】
「実の収穫」や「シンボルツリー」が目的ではないので、新鮮だが、余計に難しく感じます。
【樹形】
☆細長い枝を生かしたやさしい樹景を表現してみよう。
◎古木な樹になれば、スペイン旅行などで見た自然樹形から創作。
◎日本の基本的盆栽樹形の利用。